コラムニスト 黒部エリがニューヨークからお届けします。Blog by Eri Kurobe


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河瀬直美監督作品「七夜待」 初日に鑑賞!

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「七夜待」初日初回上演に鑑賞。
笹生さん、みっちゃん、しんちゃんたちと渋谷シネマライズに。

あー。シネマライズに来たのなんて、渡米する前だったから軽く十五年ぶりかも。
日本帰国中に「七夜待」を観られることになって、ラッキー。

上映後に河瀬直美監督、主演の長谷川京子ちゃん、脚本の狗飼恭子さんの三人が舞台挨拶にたつ。
電撃入籍後とあって、ものすごいカメラの数。
河瀬監督が壇上で、新婚の京子ちゃんに花束を渡して祝福を。
京子ちゃん、おめでとう!!!

物語は30歳を迎えた彩子が人生のリセットを求めてタイへと旅立つところから始まる。
ホテルへ行くはずのタクシーがたどり着いたのは鬱蒼とした森のなか。
高床式の家には、タイ人の母子が住み、フランス人の青年が同居していた。
ことばも通じない、知る人もいない異国で、彩子は7つの夜を過ごしていく。

キャストは前もってシナリオを渡されるのではなくて毎朝「行動」の指示が書かれたメモを渡されて、セリフや相手とのやりとりは自分自身で演じていったらしい。

そのためセリフというより、会話がジャズのインプロヴィゼーションのよう。
出演者たちのタイ語、フランス語、日本語がぜんぜん噛みあわないまま、それでもなんとかコミュニケーションを取っているさまが、おもしろい。

ほぼ全編を通してノーメイクの京子ちゃんはまさに素のまま、ふだんの彼女の口調や仕草がそのまま顕れていて、あ、いつもの京子ちゃんがいる、という感じ。

今回の長谷川京子は「演じて」いない。
リアルに経験を体現している。
場面ごとに表情が移ろい、話しているうちに目が潤んできて泣いてしまったり、真剣にケンカしたりするさまが、なんともいえずリアル。
今までにはない境地を拓いていて、とてもよかった。

そしてカメラワークがすばらしいのだ。
撮影監督はゴダールの「右側に気をつけろ」などを手がけたキャロリーヌ・シャンプティエ。

カメラは滴るような緑やヤモリや、道端の犬たちや、泥の上を飛んでいく鷺を捉えていって、雨や風、湿気を肌に感じさせてくれる映像だった。

この河瀬さんという監督、女性ならではの潤いや息づかい、エロティックさを感じさせる才能の持ち主で、ぜひ女性にお勧めしたい作品です。

ところで物語には、お坊さんの出家の話がからんでくるのだが、いっしょに見た高校生のしんちゃん(笹生さんの息子さん)があとで、

「ずっと『出家』を『家出』と思って字幕を読んでいて、よく話がわからなかった」

という問題発言を。
おい!
坊さんが出家するのと、家出するのじゃ、大違いだろう(爆)

もしや今どきの高校生は、お坊さんのことを「家出したスキンヘッドのプータロー」だと思っていたりして。

あ、そういやシネマライズの向かいでは、ポルノグラフィティのアルバムをプロモ中でした。
偶然なんだろうけど、タイムリー過ぎ(笑)
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by erizo_1 | 2008-11-02 00:11 | エンタメの殿堂