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コラムニスト 黒部エリがニューヨークからお届けします。Blog by Eri Kurobe


by erizo_1
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ファッショニスタ限定!   NYのおしゃれなヤキトリ・ラウンジ    ミスター・ジョーンズ

ラジオの放送を聴いてメールくださったみなさま、ありがとうございました!
感謝、感謝です。

えー、今回は焼き鳥ラウンジをご紹介です。

NYの日本食ブームも鮨、天ぷら、ラーメンときて、ここに来てがぜん知名度があがっているのがYAKITORI、そう、ヤキトリなんですよ。

今までにも「鳥心」や「鳥人」など和食レストランはいくつかあったんですが、ここに来て登場したのが、アメリカンなヤキトリ・ラウンジ。

その名も 「Mr.Jones Yakitori 」(ミスター・ジョーンズ ヤキトリ)
おお、新橋から遠く離れたこのオサレなネーミングは、どうよ。

てことで、ユニオンスクエア近くにオープンした「ミスター・ジョーンズ」にさっそくエリぞうと部長が突撃してきましたよ。

14丁目のセカンドとサード・アベニューの間。
入口は目立たず、さりげない。
ファッショニスタ限定!   NYのおしゃれなヤキトリ・ラウンジ    ミスター・ジョーンズ_c0050387_1413389.jpg

うわー。おっしゃれー。
壁には熱帯魚が遊ぶ水槽がはめこまれていて、ちょっと代官山あたりのバーみたい。
ファッショニスタ限定!   NYのおしゃれなヤキトリ・ラウンジ    ミスター・ジョーンズ_c0050387_1421440.jpg

インテリアは60年代風で、壁にアールを切ったデザインといい、円形のブースにしてある卓といい、レトロモダンな雰囲気がカッコいい。

ミスター・ジョーンズというより、かのソウルの名曲「Me & Mrs. Jones」が似合いそうな空間なのだ。そう、あれです。

みーいいいいいいい、えんど、みせす、みせす、じょおおおおおおーんず♪

という、あのまったり感溢れる不倫ソングがぴったりなスペース。
まったりしたデートの時にちょうどよさそう。

さてメニューを開いてみる。
ヤキトリというわりには、「TONTORO」とか「HARAMI」とか焼肉よりのメニューが目立つ。
肝心のヤキトリには、ふしぎなメニューが並んでいるではないか。

「Karai Honey」

辛い? ハニー?
説明を読むと、ハニーのテイストに7スパイスを使っているらしい。
ハチミツ味の甘いヤキトリに、七味唐辛子をかけているってこと?

和食のメニューというよりも、ほとんど暗号文書を読むような騒ぎです。
ていうか、「からいはにー」って日本語として成立するのかよ?

おまけに「SONOTA」とあるので、なにかと思ったら、「その他」のことなのであった(笑)

神戸ビーフのミートボール、ヤキトリ、水菜のサラダなどを見繕ってみる。
わくわくしながら待っていると、サラダの登場でーす。
ファッショニスタ限定!   NYのおしゃれなヤキトリ・ラウンジ    ミスター・ジョーンズ_c0050387_143562.jpg

ええええええーッ。
こ、こんなに少ないのおおおおお? 
だってほんのひと口で終わっちゃうようなサイズなんだよ?
NYのレストランではボウルにてんこ盛りサイズが基本なのに、なぜにサイズだけ本格的に日本サイズ?
味つけは悪くはないです、しかし量が少なすぎ!

ヤキトリ。二本で7ドル。
ファッショニスタ限定!   NYのおしゃれなヤキトリ・ラウンジ    ミスター・ジョーンズ_c0050387_144127.jpg

あれ、焼き鳥ってこんなだっけ?
まあ、これはこれで悪くはない味なんですが、焼き鳥というよりBBQに近い。
一緒に食した部長は、
「これはヤキトリではないね」
とばっさり斬り捨て発言を。きびちー。

「神戸ビーフのミートボール」12ドル
ファッショニスタ限定!   NYのおしゃれなヤキトリ・ラウンジ    ミスター・ジョーンズ_c0050387_1444756.jpg

フォアグラを入れた神戸ビーフのミートボールというのは、MEGUの人気アペタイザーになっているのだけど、それをマネしたもののよう。

6個は来るだろうと踏んでいたら、なんと3つだけ。
食してみると、うーん、悪くはないんだが、さすが本家のMEGUとは味に大きな差があるねー。

部長は「ふん、メンチカツだね」とひとこと。
きびちー。

なにしろメニューの品数が少なすぎるし、おまけに一品の量が少なすぎる。
これじゃあ、ヤキトリ屋として成立していないじゃん。

いや、なにも軟骨とか鶏皮をメニューに入れろ、てことではないのだが、せめてシシトウとかシイタケとかネギとか、ふつうに野菜を入れてもいいのではなかろうか。

おまけにごはんものが、「おにぎり二個で8ドル」という高さで、選ぶ余地がないのも困る。

周りを見わたすと、いるのはカップルか、若いグループのみ。
おしゃれで、この不況をモノともしない(つまり自分で稼いでいなさそうな)若者とギャルたちなのだ。

氷点下のNYなのに、コートを脱ぐと、肌むき出しのミニドレスやチラ見せトップスのファッショニスタたちが笑いさざめきながら、ヤキトリを楽しんでいるのであった。
一緒にいる男の子たちもDJっぽくてカッコいい。

そうかー。ここはファッショナブルで、つねに小食ダイエットで痩身を保っているヒップスター専用の店なのだな。
ニコール・リッチー向けだってことだね。

すいません、マジメにヤキトリを求めたオレたちが間違っていましたね。
ここは食べるための店じゃなくて、オサレに飲む店だったのだ。

「これじゃあ、ぜんぜん満腹になんないよー」

とブツブツいいながら、わたしと部長はそのあと「せたが屋」まで歩いて行って、塩ラーメンで締めたのであった(←食い過ぎだろう!)

おしゃれに生きるとは、食い気を封印することなのか。
くー。
ファッショニスタへの道は遠いのであった。
by erizo_1 | 2008-11-26 14:13 | NYのレストラン