コラムニスト 黒部エリがニューヨークからお届けします。Blog by Eri Kurobe


by erizo_1
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英語キャンプやホームステイはどれだけ効果ある?

近ごろアメリカ式サマーキャンプがだんだん日本でも知られてきたようですね。
そう、学校ではなくて参加するサマキャンで、アメリカで参加したり、日本で参加したりと、いろいろスタイルがあるもよう。

英語サマキャンやホームステイについて考えているみなさんも多いのではないかと思うので、今日は英語問題について論じてみようじゃないですかの巻!

わたしの友人である寺尾のぞみさんも、ミステリオという英語サマーキャンプを日本で催しています。

アメリカ人を始めとする国際色あるキャンプリーダーが監督してくれるというもので、参加対象は小学生から高校生まで。
ご興味のあるかたはぜひサイトで確かめてみてください。

さてこうしたキャンプが広まってきたことの裏には英語教育への関心があるはず。

日本でも小学校からの英語教育が始まるとか。
たしかにこれからの少年少女は、いつアカデミー賞の舞台に立たされるかわからないからねー。
英語で気の利いたスピーチくらいできるようにしておきたいよね。

「じゃあ、英語キャンプやホームステイというのは効果があるのか?」

えー。その問いについて、わたし個人の経験でいえば、
イエス!
ものすごくいい経験でした。
ここから以降はあくまでエリぞう個人の考えですから、ご了承くださいね。

わたし自身は高校時代に体験したんですよ。
エリぞうの高校は、晃華学園という東京のカトリック・ミッションスクール。
こちらの↓女子校です。
c0050387_113197.jpg

で、この学校では高校一年のときイングリッシュキャンプというサマーキャンプをしたんですよ。
アメリカ人の神父さんとかブラザー(進学修行中の人)とかシスターが参加して、「英語だけで話す」という林間学校だったんですね。

続いて高校二年のとき。
エリぞうは学校が催してくれた英国への夏期短期ホームステイというのに参加したのでした。
イギリスの郊外にあるチェルトナムという町にいき、一般のご家庭に3週間ほど滞在させてもらったのです。

これが楽しかった!
生涯でいちばん楽しかった夏休みだったという記憶があります。

ホストファミリーの親切さ、イギリスの田舎町の美しさ、緑の丘陵に白く点々とちらばる羊たち、最終日に訪れたパリの街角。

今でもわたしはイギリス文化に対する好感度がとっても高いんですが、これはあきらかにホームステイの影響です。

10代の感性で初めて触れた異文化というのは、ものすごいインパクトがありました。
まさしく「経験=プライスレス!」ってやつですね。

寛大なホストファミリーにも、学校で組織して連れていってくれた母校にも、親にも感謝しているし、すばらしいプログラムだったと強調したいです。

「じゃあ、それで英語が得意になったのか?」
というと、それはないです(汗)
すいません。

英語サマーキャンプとか短期ホームステイをするというと、つい保護者としては、
「英語がぺらぺらになる!」
と激しい期待するわけだけど、そうはうまくいかんものよね(苦笑)

留学した人は知っていることだけど、英語がそんなに短期間でぺらぺらになるなんてことはない。
海外に住んで最初の一年はテレビのコメディについていけないのがふつうじゃないかな。
語学はやはり苦労しながら学んでいくしかないもの。

だからサマーキャンプとか短期留学くらいで「英語ペラペラ」幻想なんてものを持たないほうがいいです。

では、なんでサマーキャンプや短期ホームステイがよろしいのか。

これは「圧倒的な異世界」に接することのおもしろさだと思うんですよ。

みなさんも海外旅行で経験したことあるでしょう?
その土地のひとなら誰もが知っているはずの食べものの買い方も、バスの乗り方もわからない。
なにかを買おうとしても、通じない。

それをなんとか言い方をかえたり、身振りを添えたりしていて、ある瞬間に「ああ!」と向こうがわかってくれる。

通じた!

という瞬間ね。
あの「通じた」という瞬間には、頭の上にぴっかり電灯がついたくらいの明るさがある。

「通じる」ことはずばぬけて脳みそにとって快感です。
茂木健一郎先生がいう、脳に快感を与えるアハ体験ですね。
まさしく人間の生存の本質はコミュニケーションにあるのではないか、と思うわけです。

ちょっと脇道にそれますが、エリぞうは東京にいた頃に少女小説を講談社X文庫で書いていました。
小中学生の少女むけ小説です。
ペンネームは「青山えりか」といったんですよ。

そのおかげで児童書にも親しいんですが、児童文学というのは一定のパターンを持っているんですよね。

人気があるファンタジーや児童文学を思いだしてみて欲しいんですが、

「不思議の国のアリス」
「指輪物語」
「ナルニア国物語」
「はてしのない物語」
「ハリー・ポッター」
「ライラの冒険」


すべて異世界を旅する、もしくは異世界で経験を積むというテーマです。
あるいは「赤毛のアン」でも「孤児院という異世界から来た子どもが、アヴォンリー村という新しい環境に住む」というチャレンジがなされるわけですね。

アニメの「千と千尋の神隠し」「天空の城ラピュタ」などもすべて同じテーマがつらぬかれています。
というか「ジャックと豆の木」にしろ「一寸法師」にしろ、メルヘンはほとんどその形式を持っている。

異世界に行って、はじめて主人公たちは成長することができる。

まあ、くまのプーさんは旅しないけどね(笑)
でもいいの、プーさんはプーさんだから! いつもプー横町に住んでいて!

さてこれはむかしから児童文学でくり返される同じモチーフであって、ここにある本質とは、
「子どもが成長するには異世界に触れること」
という人類がむかしから持っている知恵ではないかと思うんですよ。

もっとはっきりいえば、
「ひとが成長するには絶対的な他者と出会う必要がある」
ことからなるのではないかなと。

なにも海外留学することが必要だっていうんじゃないですよ。
ふつうに進学するとか、就職する、転職する、恋をする、引っ越しする、誰かと知りあう。
そうした新しい世界との出会いが少しずつ精神を広げていってくれるということ。
読書も異なるアイデアや異世界の体験です。

たとえば誰かと話す、誰かと考え方をかわす、これだけでいい。
他人という異世界
と接することだから。

恋愛なんていうのは、そのいちばん究極の形じゃないかな。
パートナーというのは、すぐ隣にある別の宇宙だからね。
行っても、行っても果てがない。

成長していくというのは、そうした異世界に触れ、世界の大きさに触れていくことではないかなと。

そのわかりやすい形が、異国に触れることなんじゃないかな、と感じる次第です。

読んでくれている人たちのなかには、いま留学中の方、以前海外にいた方もかなりいるんじゃないかと思いますが、それはすごく貴重な経験だと思うんですよ。

「行かなかった自分」に比べて「行った自分」は驚くほど「今まで経験したことのないこと」を経験していますよね。

その経験じたいがプライスレスだ、と思うわけです。

もちろん同じ町から一生出ずに暮らすという選択だってなんら悪くない。
でも若いうちに旅行でいいから、異文化に触れてみて経験したことを、自分のホームタウンに還元できたら、さらにいいかもしれないよね。

昔話でも冒険をした主人公たちは必ず故郷に戻ってきて、宝物をもたらしてくれますから。

というわけで、英語に触れるのはたしかに役立つ!
異国を体験するのは、おもしろい!
子どもには英語を勉強させるよりも、まず異国の人と「通じる」瞬間のおもしろさを知って欲しい!

というのがエリぞうの感慨です。
小学生のときから英語を「勉強させる」のはちょっとかわいそうかな、という気もするので、在米邦人としては、まず子どものうちに「英語に親しませる」くらいのスタンスをお勧めしたいなと。

みなさんの経験ではどうでしょう?
10年後には、英語でジョークがいえる日本人たちがアカデミー賞やグラミー賞のステージに登るかもしれないよ!


【 お知らせ 】
なお上記のミステリオでは、3月28日に東京で無料説明会があるそうです。
このサマキャンでは、水泳、乗馬、演劇、アートといったさまざまなアクティビティを子どもたちが選択できます。

日時:3月28日午後1時より
場所:東京アメリカンクラブにて

サマーキャンプがどんなものか、どういうプログラムがあるか知りたい方は、ぜひどうぞ。詳細と問い合わせはミステリオのHPにて。


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先日のブログ記事を読んで、Yabyさんが「東京ソナタ」に行ったらしいですよ。
嬉しいなあ!
Yabyさんは動物シェルターのボランティアもしている動物好きさん。
犬好きさんはYabyさんの「NewYork 何となく海外生活」を訪れてみてね。

てことで、エリぞうも更新がんばりまっす。
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by erizo_1 | 2009-03-24 11:45 | カルチャーの夕べ