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コラムニスト 黒部エリがニューヨークからお届けします。Blog by Eri Kurobe


by erizo_1
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NYの一流シェフたちが協力するゴハン・ソサエティとは?

本日は朝からマジメに講座を受けてきたエリぞうでございます。

主催はGohan Society(五絆ソサエティ)

日本の食文化をアメリカでより理解してもらえることを目的として、和食材の普及を推進したり、あるいはアメリカ人若手シェフを日本に派遣したりといった食の文化交流をおこなっている非営利団体なのです。

で、ボードメンバーや諮問委員会に名をつらねているのが、

マイケル・ロマーノ(ユニオン・スクエア・カフェ)
デビッド・ブーレー(ブーレー)
ダニエル・ブールー(ダニエル)
ジャン・ジョルジュ・ボンジェリヒテン(ジャン・ジョルジュ)
エリック・リパート(ル・ベルナーディン)
ノブ・マツヒサ(ノブ)
キャット・コーラ(米国版アイアン・シェフの一人)


どひゃー!
なんじゃ、これはー!
セレブ・シェフだよ、大集合!

ちょっと待ったー!
いったいブーレーだのダニエルだのジャン・ジョルジュだの、大御所シェフたちが参加してくれる団体ってなんなんだ?

それも五絆ソサエティの発起人は、日本女性なのよ!
一流シェフたちとマブダチになれる日本人女性っていったい何者?

好奇心でギンギンになったエリぞうですが、この五絆ソサエティをたちあげた川野作織さんは、日本の調理器具や包丁を輸入販売しているコーリンの社長さん。

このコーリンの包丁はNYのシェフには有名なので、また別エントリでご紹介しますね。

で、二十数年にわたるシェフたちとの交流から、食の文化交流をめざしたNPOをたちあげたそう。

左が川野作織さん。
右が五絆ソサエティのエグゼクティブ・ディレクターである瀧上妙子さん。
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ばりばりのキャリアウーマンですが、ふわふわ、柔らかくやさしく、なごみ系な雰囲気のお二人なのでした。
日本女性がこれだけNYで一流のシェフたちとネットワーキングしているなんて、感動です!

さて今日のマスタークラスは、エグゼクティブ・シェフ、もしくはスーシェフのみが受講できるというエグゼなセミナー。

講義は「醤油」について。
ヤマサ醤油さんが醤油の製造過程をレクチャーしてくれました。
ぷがぷが、どんどん!

場所はアスターセンター Astor Center。
ここは酒飲みにはおなじみ! ビレッジにあるリカーショップ、アスター・ワインの上にある建物なんですが、じつはキッチンスタジオや講堂があるのだよ!

ほら、受講者ひとりずつの手もとに水道があるという豪華な作りなのだー!
NYの一流シェフたちが協力するゴハン・ソサエティとは?_c0050387_16364984.jpg

左から五絆ソサエティの瀧上さん、ジェームズ・ビアード協会のイザベラさん、さらにヤマサ醤油の先生です。

ちなみにヤマサ醤油は、日本の和食店では65%のシェアを誇るらしい。

魚の生臭さを消す効果が強いことから、和食のプロに好まれる醤油ブランドなのだとか。

参加しているアメリカ人シェフたちはみなさん、一流レストランのシェフでした。
なぜか全員ガチむち系
格闘技やらせても強そう。

どのシェフも醤油についてはすでにレストランで使用していて、質問も専門的なことをビシビシ。

ヤマサ醤油では1645年、江戸時代初期から同じ麹を使って仕込んでいるそうで、醸造期間は6ヶ月

醸造時間が6ヶ月より短いと、香りや味が充分引き出されないのだとか。

で、おもしろかったのが、こうした本醸造(Brewed)した醤油に対して、2日間の即席で作るNon Brewedの合成醤油があるらしい。

つまり「なんちゃって醤油」ですね。

比べてみましょう。
右の赤褐色に澄んでいるのが、本醸造の醤油。
左の濁って黒いのが「なんちゃって」醤油
NYの一流シェフたちが協力するゴハン・ソサエティとは?_c0050387_16382058.jpg

匂いを嗅いでみると、一発でわかりますね。
本醸造の醤油のいい香りと、いっぽうツンと鼻をつくイヤな化学臭のある「なんちゃって」醤油の香り。

味を舐めてみます。
本醸造はコクと旨みがある、いい味。
いっぽう「なんちゃって」醤油のほうを舐めてみると……。

ああああーッ、これ、チャイデリの醤油じゃんか!

わかります?
全米在住のみなさんならイッパツでわかるチャイデリ(中華のファストフードみたいなチープな持ち帰り店)の中華。

あのなんともいえず、へんな醤油の味は、なんちゃって醤油だったのか!
うげー! まずーッ!

日本人だったら、こんなマズい醤油で刺身は食べられないけれど、まあ、アメリカ人だったら、スーパーで売っている「なんちゃって」醤油に騙されることもありだろうなー。

さて講義のあとはキッチンに移動して、醤油を使った食体験です。

MEGUミッドタウンのシェフ、小林さんがみずから調理しつつ、巧みな英語で説明してくれます。
すげー! FCIの先生みたい!
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すし膳」の鈴木さんです。
Gohan Societyのアドバイザリーコミッティでもあります。
板長さんみずからが今日は包丁を握って下さいます。
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テーブルには薄口醤油や八方出汁、ポン酢といったような、さまざまな醤油のバリエーションが並んでいて、味見できました。
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そしてホウレン草の煮浸しや、カボチャやお芋の煮付け、鰆の焼きもの、フライド・チキン、さらに和牛のステーキまで出るというゴージャスなメニュー。
やたー!
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右はイーストビレッジにある和食レストラン「Nori」のシェフ佐藤さん。
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エリぞう、食う、食う!

研究熱心に味見をしているアメリカ人シェフとは違って、純粋に食い気に走ってしまいました、すんまそん!

和牛のステーキはそのまま焼いたものと、日本酒と醤油でフランベした両方のパターンを食べ比べるという豪華版。じゅるるー!
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そして締めはタケノコごはん!
うきゃー! 
板さんが作ったタケノコごはんが食べられるなんて、幸せー!
うま〜!

というわけで、講義を聞きにきたんだが、ごちそうを食べに来たのだかわからないエリぞうだったのでした(←完璧に初期の目的を忘れている)
げふ。
ごちそうさまでしたー!

小林さんたちは休日を返上して、ボランティアとして参加。
こうやってNYでコツコツと、日本の文化を広めてくれている人たちがいるんですねー。
すばらしい!
ぱちぱちぱち。

つくづく思うけれど、国際交流というのは、やはり文化というソフトを輸出していくのがいちばん強いよね。

世界に誇れる日本の食文化を、さらにアメリカのシェフたちにも深く理解していってもらいたいものです!

さてここで読者さんにもグッド・ニュースです!

この五絆ソサエティでは、定期的に食に関するイベントを行っていて、前回ご紹介したイケメン・シェフ、クレイグ・コーケツ先生の公開クッキング教室のような催しを打っているんですね。

で、こうしたイベントに興味ある方は、五絆ソサエティのメーリングリストに登録できるのです。

料理人はもちろんのこと、一般の人でも登録オーケイ。

イベントに関するニュースレターが届けられるので、NY近辺にお住まいのフーディには、ナイスなチャンス!

登録料なし、参加費用なし。
無料です!
いえーい!

メーリングリスト参加希望者は、メールに以下の情報を明記して、

氏名
メールアドレス
職業(例:シェフ、主婦、学生、飲食業など)
info@gohansociety.org までどうぞ!

The Gohan Society
200 Chambers Street #7Q  New York, NY 10007
Attn: Executive Director, MS.Taeko Takigami
電話: (212) 385-3550 or (917) 623-3433


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by erizo_1 | 2009-05-12 16:58 | 食の魔宮