コラムニスト 黒部エリがニューヨークからお届けします。Blog by Eri Kurobe


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ティム・バートンの「アリス・イン・ワンダーランド」

ティム・バートンの「アリス・イン・ワンダーランド
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3月はじめ公開直後に観たんですが、アップできなかったので、ここらでアップを。
日本では4月公開です。

えー、最初に断ると、これは「不思議の国のアリス」ではないのね。
「不思議の国のアリス」と「鏡の国のアリス」に出てくるキャラを使った、ティム・バートンによる二次創作なのだ。

ずばりティム・バートンによるオリジナル・アクション映画なんだぜ!

アリスを期待して行くと、「これ、アリスじゃないじゃん!」と叫びたくなること請け合い。
心のなかで「うそー」と叫び続けていたエリぞうです。

だってマッド・ハッターがマッドじゃないし!
眠りねずみがぜんぜん眠っていないしー! 
そ、そんな〜!

なんたってティム・バートンがアリスを撮るというのだから、こちらは期待がぱんぱんに膨らんでいたわけで、期待が大きいぶんドッピョーンと肩すかしも大きかったのでした。

いえね、映像的には美しいんですよ。
ことに話す花園(「鏡の国」に登場)がすばらしい。
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バートンが作りあげた映像のワンダーランドは観る価値ありです。

物語は19歳になったアリスが望まない婚約をさせられそうになる場面から始まります。
そして白ウサギを追いかけて穴に落ちて再びワンダーランドに行くアリス。

ところがワンダーランドは今や悪い赤の女王が支配していて、アリスはみんなを助けるために約束の英雄(マトリックスのザ・ワン?)としてジャバーウォックという竜(これは「鏡の国」のなかで詩に出てきます)と対決することに。
それを助けるマッド・ハッター。

なんと物語が途中からダンジャン・アンド・ドラゴンみたいになっちゃうのだ。
えーッ!

わたしにとってアリスの魅力というのはナンセンスさとシュールリアリズムで、その理屈の通じなさ、脈絡のなさ、不可解さというのが、まさしく夢の世界に近い感じで好きなんですね。

原作では英語の言葉遊びやイギリスの替え歌を駆使しているので、はっきりいってわたしも本を読んでなにがなんだかわからないところばかり。
でもワケわからないままに魅力がある。

ハンプティダンプティのいう「非誕生日のプレゼント」だとか、ひとつところに留まるために全力疾走する赤の女王とか、「明日と昨日のジャムはあるけれど、今日のジャムはない」なんて論理とか「先にケーキを配って後から切る、あともどり」理論みたいな、シュールな哲学がおもしろいんですよね。

しかし今どきの莫大な制作費をかける映画が、そんなワケわからないものを作りっこないわけで、おそらく映画化に当たっては以下のような条件をクリアしたんじゃなかろうか。
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ジョニー・デップが主演であること。
従来のアリスではない、新しいオリジナルであること。
筋がわかりやすいこと。
アクション・アドベンチャー仕立てであること。
現代にふさわしくヒロインは強いこと。
成長物語になっていること。

これらの条件を満たして金の儲かるオリジナルストーリーを作りあげたら、たしかにこうなるかって気はします。

しかしながら全体に残念なのは大味になってしまっているところ。

ティム・バートンがもともと持っていた繊細さとか夢見がちなところがなくなって、大味で勧善懲悪のアクション映画に仕上がってしまっている感じがする。

ティム・バートンとアリスという夢のコラボであるだけに、ちょっと残念です。

でもこれはあくまでガチのアリス・ファンであるわたしの意見であって、観ておもしろかったというひとに反対はしないし、これはこれでありかと思います。

ピタ隊長はフツーに楽しんでいたしね。

で、尋ねてみたら、ピタのように特にアリス・ファンではないと、オリジナルの話をよく覚えていないようなんだよね。

原作で白ウサギが出て来たとか、帽子屋とか赤の女王とかトウィードルダムとトウィードルディーなんかのキャラが出てきたのは覚えているんだけど、どういうつながりだったかを覚えていないもよう。
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そのためバートン版のアリスでも特に違和感はないらしい。

まあ、原作ものは原作ファンほど落胆して、ファンでないひとは素直に喜ぶという、あの法則なんだろうねー。

「アリス」を期待しないで観るかぎり、楽しいワンダーランドといえそうです。

米国では大ヒットになっていて興行成績を塗りかえているので、大成功した作品であるのは間違いなし。
ジョニデ・ファンやティム・バートンはぜひどうぞ!



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by erizo_1 | 2010-03-29 11:23 | エンタメの殿堂