コラムニスト 黒部エリがニューヨークからお届けします。Blog by Eri Kurobe


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コミック・ノワールの世界『Sin City(シン・シティ)』

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先週の北米週末興行収入で『Sin City』(シン・シティ)が2810万ドル(約30億3000万円)を売り上げ、初登場で一位になった。

私もいつものトリオで、先週の土曜日に鑑賞に。

これはフランク・ミラーの人気コミックの映画化で、劇画に忠実に実写してあるのが特徴になっている。

画面はモノクロで、ところどころに赤や黄色といった強い色彩だけを効かせていて、えらくカッコいい。

デビッド・ロドリゲスと原作者フランク・ミラーの共同監督になっていて、一部タランティーノがゲスト監督しているというのも、ヲタ心をそそるかも。

さらにブルース・ウィリス、ベニシオ・デル・トロ、クライヴ・オーウェン、ミッキー・ローク、イライジャ・ウッド、ブリタニー・マーフィ、ジェシカ・アルバ、さらに異色のデヴォン青木まで、そうそうたるメンツが出ていることでも話題。
日本でもヒットすること間違いなし。

これはお好きな人にはたまらない味だろうねー。

ウルトラバイオレンスな描写といい、悪漢と娼婦しかいないハードボイルドな街といい、めちゃくちゃくさいモノローグといい、ミョーに理想的なオンナばかりが出てくるところといい、男が異様にタフガイばかりといい、まさにパルプ雑誌の世界。

どうしてハードボイルドの世界では、オンナは赤いリップスティックが似合って、巨乳なんだろうねー。現実世界ではあまりレッドの口紅を使うひとっていないんだがなー。

劇画好きには強くお勧めできるヒット作。
しかし暴力表現が嫌いな私(←だったら、こんな映画観るな!)にとっては、かなり気持悪かったっす。

私自身はコミックについては関心がないので、この映画のコアな部分については語る資格なし。
なので、出演者の印象のみ記していくと……。

出演者のなかでも圧倒的な存在感を出していたのが、悪徳刑事を演じるベニシオ・デル・トロ!

つけ鼻(笑)をつけたメイクで登場するデル・トロ、もう「サイテー」と罵りたくなるような、いやな男を演じてくれます。

ああ、なんてカッコいいのー。
本人も楽しんでやっているのがありありとわかるね。

ミッキー・ロークも久々に大きな役回り。しかし特殊メイクがすごすぎて、誰が演じているのかわからない。
「ナインハーフ」の頃は色男だったのがウソのようですことよ。

ここまで特殊メイクするなら、特殊メイクなしでニック・ノルティが演じたほうがいいんじゃないのか、とすら思えた。

どうでもいいけど、イライジャ・ウッドは気持悪すぎ!!!

いや、イライジャのせいではなくて、役柄のせいなんですけどね。
あまりにシリアル・キラーのキャラにぴったりはまっていて、不快すぎる。
もうイライジャには「ふつうの人間以外」の役しか来ないのか!

ニック・スタールの役も「よくこんな役やりたがるよな」という感じ。
ニックといえば、そう、「ターミネイター3」で、若き日のジョン・コナーを演じていた、あの鼻の穴のデカい男の子ね。

彼は、私がいちばん好きなテレビ番組『カーニバル』でも主演を演じている。

たしかに彼はあの鼻の穴のデカさが、なんというか「終末論」とか「ハルマゲドン」といった単語が似合う独特の風貌をしている。

しかし今回の悪役といい、はたして異様な役ばかりやるのはキャリア的にいかがなものか。

ブルース・ウィリスはいつもの通りで、安心できる老舗の銘菓みたい。もはや虎やのヨーカンです。

それからかなりいい役でジェシカ・アルバが出ているんだけど、彼女のルックスは、本当に愛くるしくてかわいい。

女優としては、いい子すぎて、いまひとつ毒が足りないかなあ。
あ、でもあれだけかわいければ、いいのか。

いっぽう意外や光っていたのが、ジェイミー・キング。
B級女優のイメージが強いジェイミー・キングだけど、今回はそのB級感が、B級映画の世界観に溶けこんで、いい味に。

そしてダントツに印象に残る存在感を放っていたのは、デヴォン青木。
二刀流の刺客役がぴったりはまっている。
今までモデルから女優への転身では、クラウディア・シェイファーからジゼル・バンチェンまでことごとく失敗しているが、デヴォン青木だけは大成功。

これから映画界で活躍しそうなのは確実で、期待大!

ともあれ「動く劇画」の世界であるので、キル・ビル好き、コミック好き、パルプ好き、バイオレンス好き、ハードボイルド好きのみなさんはぜひどうぞ。

それ以外のみなさんは観なくても、まあ、一生のソンにはならないと思う。


劇画好きにお勧め度   ★★★★★
初デートにお勧め度   ★
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by erizo_1 | 2005-04-09 13:38 | エンタメの殿堂