トム・ブラウンに登場した猫男、ファンタジーなモードがすごい!
2016年 09月 18日
マンハッタンのチェルシーで爆発があって騒然としているNYです。
現時点では、まだ詳細わからず。
23丁目で爆発があり、27丁目にも爆発物のデバイスらしきものが発見されたそう。
怪我された方が軽傷であることを願うばかりです。
※続報)まだ犯人はわかっていませんが、国際的なテロではないだろうとのこと。この事件に先立ってニュージャージーでの海兵隊チャリティマラソンでもパイプ爆弾がしかけられたらしいのですが、そちらでの怪我人はゼロ。
チェルシーという場所の選び方も意外で、あまりテロの対象となる象徴性がなさそうな場所です。ということは、あきらかにNJやNYの地理に詳しい犯人で、監視カメラに映らなそうな地点を選んだように思えます。
さて NYファッションウィークのほうはぶじ終わりましたが、そのなかでも頭がくるッと一回転するくらい印象的なショーがあったので、ご報告しましょう。
やはり飛び抜けて存在感があったのが、トム・ブラウン(Thom Browne)のショー。
始まる前からたいへんな賑わいです。
あ、わんちゃんがトム・ブラウンのトリコロール・タグがついたセーターを着ている!
かわいー!
おおお、イケメンです!
膝小僧を出したスーツ姿のイケメン。
なにかこう、心の着地場所を定めにくいようなシチュエーションですね。
会場に入ると、あッ、ランウェイのフォトグラファーが全員白衣を着ている!
もともとディオールなどフランスの老舗メゾンで働くスタッフは白衣を着て作業するのが伝統であって、マルタン・マルジェラもスタッフの白衣で有名なもの。
ここはトムも「クチュリエとしての誇り」「徹底的にこだわった素材と縫製と職人芸」を印象づけたかったのかもしれませんね。
ちなみにこの白衣、ちゃんとトリコロールのタグがついているんですよ!
ショーの後、知り合いのカメラマンさんに「どうするの?」と聞いてみたところ、「いちおう返すようにといわれたけど、もらっておく」とのことで、バッグに詰めていました(笑)
そりゃ、もらうよね!
トム・ブラウンのタグつき白衣。みんな欲しいでしょう!
さて会場には中央には、プールを模したタイルが敷きつめられ、壁にもピクセル画像化した雲やプールの入口が描かれています。
そこに水泳用のボンネットとぶかぶかのカフタンに身を包んだモデルたちが三々五々、笑いさざめきながら出てくるという趣向。
なぜか周囲には鳥の頭を被って羽をつけて鳥に扮した鳥さん男や、猫の頭を被ってシッポをつけ猫に扮した猫さん男がいます。
いやー。猫の着ぐるみでもトム・ブラウンが手がけると、しゃれおつですね。
これがフナッシーとか、せんとくんだったら、モードにならんよね。
そこに銀に輝くドレス+頭に犬のヘッドピースに身を包んだ女神が現れると、モデルたちがひとりずつカフタンを脱ぎ、そこにコレクションのルックが現れるという仕組み。
モデルたちが脱ぎ捨てた服を回収するのが、鳥さんたちなのです。
カフタンを脱ぐと、現れたのは、美しいシャーベット・トーン。
ミント・グリーンやパステル・ブルー、カナリア・イエロー、ピーチ、オレンジといった美しい色彩です。
細長いシルエットは1920年代のドーヴィルや、膝レングスの服は60年代のフロリダあたりの高級リゾートを思わせます。
ヤシの葉やハイビスカスの花といった南国のモチーフが飾られています。
グログラン・リボンで線を際だたせ、トロンプ・ルイユでベルトやリボンを表現。
最後にいっせいにモデルがその服を脱ぐと下から水着が現れるという趣向で、二度びっくり。
スーツに見える服もじつはすべて背中であけられるワンピースだったんですね。
ピンナップ・ガールみたいな水着!
シューズがかわいい。
錨の形をしたヒールのサンダルです。
ファンタジーの世界を完璧に作り上げながら、実際に着ることができるコレクションで、とてもステキでした。
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