コラムニスト 黒部エリがニューヨークからお届けします。Blog by Eri Kurobe


by erizo_1
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31

スパイダーマン3とブラジリアン・イタコの巻

「スパイダーマン3」ニューヨークでもたいへんな騒ぎッス。

わたしとしては、なにも混雑する公開週ではなくて、来週か再来週で充分だと思っておったわけですよ。

芝居なら初日にいきたいというのもわかるけど、映画は生モノじゃないから、封切3週間経ってから観たって、かまわないと思うんですよね。

ところが熱いピタロー隊長は、そんなぬるいことは許してくれないのであった。

木曜日から土曜の前売りチケットを買いこむという用意周到ぶり。
そして「一時間まえに集合して並ぶように」と、部長とわたしにきびしい指示をとばすのであった。

たかが映画のために、なんでそこまでしなくちゃいけないんだよおお。

「それはやっぱり月曜朝イチに、ドリフ観た? と話したがる小学生心理といっしょなのでは?」
と部長。

うーむ、きっと隊長としては月曜朝、会社で「うおおお、スパイダーマン、観てきたぜ」といいたいんだろうな。きみは十歳児か。

当日はブラジルからちょうど来米していたラフィエルくんも同行。

ラフィエルくんは金持ちのブラジル人なのだが、えらいオタクで、日本の漫画とアニメのファンなのである。

それも「ヒカルの碁」とか「ヘルシング」を読み込んでいるようなヤツなのだ(ちなみにわたしはどちらも読んだことがないです)

ブラジルといえば、サッカー、カーニバル、サンバ、ジゼル・ブンチェンといったベタな連想が浮かぶのに、彼はその真逆をいく男で、マズメーなベジタリアン青年なのである。

なんとなくコパカバーナの海岸より、高円寺の漫画喫茶のほうが似合いそうなタイプ、というのか。

ほんでもってピタローのオタ因子と、ラフィエルくんのオタ因子が引き合うらしく、彼がブラジルから遊びに来ると、必ずいっしょに映画にいくのである。

それも「Xメン」とか「ファンタスティックフォー」とか、わたしがぜんぜん興味ないようなものばかり。

わたしが「そんなの観たくない。ひとりでいったら?」と冷たくいうと、ピタローは「いやだー、いやだー、いっしょに観なくちゃつまらないよう」と腕をゆさぶってダダをこねるのである。
だーッ。きみは十歳児かあああ!

さて肝心のスパイダーマンはどうだったかといえば、楽しかったです。
とても口当たりが軽くて、舌触りがよくて、よくできた一流パティシエのお菓子のよう。

毎回このシリーズは端役のキャラやギャグが秀逸ですね。端役までちゃんと見せどころがあるのが、とても好感度大。

話もぎっちり詰めこんで、アクションもてんこ盛り、ビジュアルも目がくるくるするほどスピード感あり。はっきりいって、わたしの動体視力ではなにが起こっているのかよく見切れないッス。

それでいてふんわり軽く、心やさしく、子どもから大人まで安心して楽しめる味にしあげるというのは、たいへんなパティシエ職人芸ではないでしょうか。

ご家族みんなで楽しめるとは、すばらしきかな、サム・ライミ!

さて映画のあとで、わたしや部長が恒例のツッコミ大会を始めて、
「大事なことをずっと黙っている執事ってどうなのよ?」
とか、
「たいへん危険な科学実験装置に覆いもつけず、ニューヨーク(クイーンズあたり?)でフツーにやっている国の実験機関っていかがなものか?」
とか、
「あそこでキスするピーター・パーカーという男はどうよ?」
などなど、
激しい疑問がわきあがったポイントについて問いただしてみると、なぜかラフィエル青年が「それはこういう理由なのです」とか「そのときパーカーはこう考えていたのです」とか、とうとうと説明するのである。

おい、きみはいつあの映画の脚本を書いたんだよ!
それともマニアというのは監督の心が憑依するものなのか? 

きみはブラジリアン・イタコだったのか。

いっぽうピタローのほうはレストランでなかなか席に座れなかったため、次第にいらいらして、「遅い」とか「なんで後から来た人間が先に座っているんだ」とか、凶悪な人相になってブツブツ文句をいいまくっていたのである。

うわ、こいつってばヴェノムに取りつかれていないのに、勝手に、
ヴェノム化しているぞ!
黒ピーター降臨!

でも考えてみると、わたしもヴェノムに襲われてもいないのに、よくヴェノム化するんだよな。
もしやわが家にはいつの間にかヴェノムが侵入していたのであろうか。

ふふふふ、てことで、今宵もヴェノム化した黒エリぞうが降臨しますよ。
気をつけてね。
[PR]
by erizo_1 | 2007-05-07 16:20 | エンタメの殿堂