コラムニスト 黒部エリがニューヨークからお届けします。Blog by Eri Kurobe


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レミーのおいしいレストランとトーマス・ケラー

邦題は「レミーのおいしいレストラン」

原題は「RATATOUILLE: Rat-a-too-ee」
英語のタイトルだと、ちゃんとラット(ねずみ)とひっかけてあるわけですね。

映画によると、正しい発音は「ラタトゥーイー」らしいですが、ここでは日本での通称で「ラタトゥイユ」と表記しますだ。

物語はグルメでシェフになりたいねずみのレミーくんと、どじな見習いコックのリングイニ(なんちゅう名前や)が一流レストランを切り回すまでのコメディ。

そんな食べもの映画といえば、食いしん坊のおれさまが逃すわけないッス!

えーと、感想はというと、映像がきれいでした。
パリの景色や厨房の描写がすばらしい。ねずみくんもかわいい!

味覚や美食というのはどうしても経験に裏打ちされるものなので、はたして子どもにとっておもしろいかどうかはちょっと疑問ですが、おとなには楽しくて、かわいい映画でしたよ。

さて、この映画でとにかく関心を誘うのが、料理のシーン。

画面がまるで実写みたいに細かくて、よくできているんですよ。

で、タイトルにもなっているラタトゥイユ。
南仏プロヴァンスの郷土料理として有名ですね。

いわゆる夏野菜の炒め煮。
いろいろ流派はあるでしょうが、ふつうは湯むきしたトマトをベースに、焼いて皮をむいた赤ピーマンやザク切りにしたナス、たまねぎ、ズッキーニなどの夏野菜をニンニク、ハーブとともにオリーブオイルで炒めて、野菜の水分だけで煮てつくる料理といったところ。

わたしはひと晩おいたものを食べたほうが好きです。パスタにかけても、おいしいよね。

では映画のなかではどうかというと、夏野菜をごく薄切りにして、トマトのソースを敷きつめた耐熱皿にきれいに並べ、紙蓋をかぶせてオーブンで焼く方法を取っていたような気がするな。正確には、DVDでないと確認できませんが。

で、きれいにミルフィーユ状に盛りつけて出すんですよね。

食べたお客が田舎のおっかさんを思い出すには、あまりに繊細で洗練されたラタトゥイユでしたが、実際のお味はどうなんでしょうか。

それで映画を観たあと、われわれの間で話題になったのは、
「料理の監修はだれがやったのだろう?」
ということ。

これがじつはパリの「トゥールジャルダン」などの一流レストランの厨房を、スタッフが取材して画像作成の参考にしたらしいですよ。舞台の厨房も、さすが銅の鍋が揃っていて立派でしたね。

で、聞いたところによれば、肝心のラタトゥイユの料理監修は、トーマス・ケラーらしいです。

トーマス・ケラーといえば、「フレンチ・ランドリー」そしてNYではかの「パー・セ」を手がける一流シェフ。

現在全米ナンバーワン(全世界でもトップクラス)という御仁ですな。

なーるほど、それは納得。
あの気むずかしそうなトーマス・ケラーを引っぱり出せるとは、さすがディズニーですな。

なんでもトーマス・ケラーが料理していくさまを映像に撮って、それをアニメにおこしていったんだとか。

わたしも「パー・セ」は取材したことありますが、ひとり200ドルという料理は「撮影でライトをあてると味が変わってしまうから」と試食させていただけませんでした、ちぇ!

ともあれ見たかぎりでは(見た、というのがせこい)ひとつひとつが懐石風に小さくて、キャビアだのトリュフだのをふんだんに使っていて、やたらと品数が多いという、現代感覚のコースでしたね。

ここはワインの品揃えでも有名なので、いいワインをぬいたら、実際には客単価400ドルくらいいくんじゃないスかね。
うおおお、原稿料がたまったら、いってみてー!

さてこの映画、オンナ四人で観にいきまして、帰りにはフレンチ・ビストロでラタトゥイユを食べ、ワインを飲んで帰ったというベタな展開に。

そりゃそうだろう、この映画のあとはぜったいラタトゥイユが食べたくなるって。
この映画のあとで焼肉とかラーメンはないだろ。

てことで、みなさん、夕飯前にぜひ鑑賞をどうぞ。
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by erizo_1 | 2007-07-29 14:26 | エンタメの殿堂