コラムニスト 黒部エリがニューヨークからお届けします。Blog by Eri Kurobe


by erizo_1
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2011年 02月 04日 ( 1 )

さてさてオスカーの季節が近づいてきましたざんすねー。
2011年度アカデミー賞にノミネートされている話題作が「ブラック・スワン
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監督は「レクイエム・フォー・ドリーム」や「レスラー」のダーレン・アロノフスキー監督。

前作では男くさいプロレスの世界を描いた彼が今回選んだのは、嫉妬やエロスが渦まくオンナの園、バレエの世界なのでした。

ズバリひとことでいうと、バレエ少女漫画レディコミを足して、それにホラー風味をまぶしました、みたいな物語。

というと山岸涼子美内すず絵を思い起こすでしょうが、いや、マジでそのまんまなのよ。

「あの映画じつは美内すず絵のマンガが原作らしいよ」
と勝手なデマを飛ばしても、日本人であれば「あー」と信じ込んでしまいそうなノリがあるのだ。

ヒロインはバレエ一筋の優等生ニナ(ナタリー・ポートマン)
娘のバレエに人生を賭けてきたママンに囲いこまれるようなストイックな生活を送っている。

女王の座にいたプリマ(ウィノナ・ライダー)が引退して、ニナはみごと「白鳥の湖」のオデット姫に抜擢されるものの、芸術監督のトマ(ヴァンサン・カッセル)から「黒鳥を踊るには堅すぎる」と叱咤される。

「もっとエロを開放しろ」とアドバイスするトマ。
宗方コーチというより、なんとなく団鬼六みたいなコーチではあるね。

はたしてニナはひと皮むけることができるのか……?
そして精神的に追いつめられたニナに異変が……!
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ジャンルでいえば、オンナ芸道モノ
スポ根モノやバレエ漫画、女優や芸妓をヒロインにした物語の王道パターンです。

それも少女マンガに欠かせないアイテムがちりばめてあるのじゃよ!
たとえば……。

いきなり抜擢されるヒロイン
ヒロインを見込んで厳しく指導するハンサムな教官
美しいライバル
母親との確執

などなど、少女漫画ファンだったら心のスイートスポットにビシバシと当たる展開が満載。
さらにエロシーンも盛りだくさん!

しかもこの映画のキテレツなところは、マンガ的な映像表現をするところ。

マンガでは、たとえば星飛馬の闘魂を表すために目に炎を燃やしたりするわけですが、この映画ではマジで目から炎を出すような映像表現をするんだよ。
ええええーッ!

その「やり過ぎ」としかいいようのない表現が、なんというか悪趣味なので、好きな人と嫌いな人がハッキリとわかれる類の映画でしょう(ちなみにわたしは観ながら苦笑してしまった派)

じゃあ、駄作なのかといったら、とんでもない。
おもしろいのである。

なんたってリアル少女漫画みたいなルックスのナタリー・ポートマンがオデット姫を踊るんだから、つまらないわけがない。

おまけにレズ・シーンを演じるわ、自慰シーンを演じるわ、泣くわ、喚くわ、キャットファイトするわ、なんでもありの体当たり演技である。

悪いけど、この映画プロットだけで提出したら、突っ込みどころ満載で「少女マンガの焼き直し」といわれてしまうと思うよ。
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前作「レスラー」で描いた中年レスラーの哀愁あふれる人生ドラマに比べると、「ブラック・スワン」の女性像はいささか人形じみていて、悩みがあまりにエロに傾きすぎていないか? という疑問もある。

しかしながら「ブラック・スワン」はそのミョーな内容にも関わらず、すばらしいキャストと、すばらしい美術と、すばらしい振り付けで魅せてくれるのだ!

なにしろナタリー・ポートマの奮闘がすばらしい!
もちろんボディダブルを使っているんでしょうが、本人が踊っているシーンも多くて立派なもの。
ヴァンサン・カッセルもばっちりはまっている。

そしてコスチュームはなんとロダルテ
そう、NYファッション界ではカルトな熱狂的ファンを持つブランド、ロダルテのマレヴィ姉妹がバレエ衣装を手がけているのです。

(ちなみにナタリー・ポートマンはレッドカーペットで今までもよくロダルテのドレスを着ているガチのファン)

アロノフスキー監督はその役者の新しい面を引き出すのが巧みらしく、おかげでナタリー・ポートマンはアカデミー賞主演女優賞にリーチをかけた状態。
確実に彼女がゲットするはず。

好きになるか、嫌悪感を覚えるか。
なんとも奇妙な持ち味の「ブラック・スワン」は、観たあとで「誰かと話したくなる」映画であるのはたしか。

濃ゆい個性の、スワン・デラックスな作品です。


☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

今日はよく晴れていたNYですが、道が凍ってカチカチに。
きゃー!
滑らないように気をつけないとー!

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by erizo_1 | 2011-02-04 16:49 | エンタメの殿堂