コラムニスト 黒部エリがニューヨークからお届けします。Blog by Eri Kurobe


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どもども。お知らせです。

黒部エリのエッセイ本「生にゅー! 生でリアルなニューヨーク通信」(文藝春秋)が電子書籍になりました!

ビットウェイブックスにて販売中!

電子書籍はインターネット上でのご購入手続き後、ご自分のパソコンやPDAなどにダウンロードしてご覧いただくことができます。

ふーむふーむ。世の中そういう便利なものができていたんですねー。
特に海外にお住まいの方には、紙の書籍よりも便利な部分もあるかと存じます。

よろしければぜひぜひご活用くださいませ!(ぺこりん)

◎「ビットウェイブックス」トップページURL
http://books.bitway.ne.jp/
(現在、トップページの「今週の新着よりPickUP」枠にピックアップしてもらっています)

◎「生にゅー! 生でリアルなニューヨーク通信」詳細ページURL
http://books.bitway.ne.jp/shop/mt-detail_B/trid-auth/ccid-auth_ka/cont_id-B0420500233.html

みなさまに読んでいただけたら、嬉しいですー!
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by erizo_1 | 2005-05-23 15:12 | カルチャーの夕べ
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「Hitchhiker's Guide to the Galaxy」(銀河ヒッチハイク・ガイド)を鑑賞。

これはイギリスのSF作家ダグラス・アダムスのSFコメディを映画化したもの。

1978年にBBCの連続ラジオドラマとして放送され、それから小説化されて、カルト人気を保ってきたそう。

「H2G2」(←ファンはこう通称するらしい)の物語は地球が宇宙人に消滅させられて、やむなく宇宙船にヒッチハイクすることになった男のコメディ。

SFといってもアクション度ゼロ(笑)、その魅力はなんといってもイギリスらしいウィットに富んでいるところ。

爆笑するというより、つい含み笑いしてしまうような皮肉っぽいヒューモアに溢れているのよ。

私的には、このノリはたいへん大好き。
「モンティパイソン」とか「ミスター・ビーン」につながる英国式トホホ笑いが楽しめます。

話はライトノベルスにありそうな内容で、小ネタのひとつひとつ(役人根性の醜い宇宙人とか、根暗なアンドロイドとか、鼻水教の教祖とか)いかにも中学生の男子が好きそう。

小ネタのどれをとっても発想がなんともキバツでおもしろい。

いきなり冒頭で地球が爆発させられ、話がどんどこ転がっていくのでどうなるかと思っていると、最後にはちゃんと生命を賛美したところに話が落ち着くので、きれいにオチのついたショートショートみたいな印象でした(大作なんだけどね)

これは個人的には、原作を読んでから観たかったなー。
物語がどんどん進んでいくので、その小ネタのひとつずつをもう少しよく知りたい感が残ってしまうのだ。うーむ、本を読みたい。

さてワタシ的に気にいったのは、サム・ロックウェルとモス・デフですの。

銀河系の大統領を演じるサム・ロックウェルが大バカな役でかわいい!
もうバカまるだし。バカの本醸造づくり!(笑)

あてくし、サムちん、大好きなんですよ。
この人って「グリーンマイル」の殺人鬼から「ギャラクシークエスト」のボケ役まで幅広い役を演じてくれるよね。まさに七変化の男。

色ものまでこなせる個性派俳優として、ゲイリー・オールドマンを彷彿とさせるというか。

いつも今回はどんな役をやってくれるんだろうと、わくわくさせてくれる魅力があるよね。

ちなみに素顔のサム・ロックウェルについては、NYニッチで、あずまゆかさんが記事を書いているので、ファンはぜひご参照を。

そしてまたモス・デフがいい味出してるのよー!

わはははは、ラッパー出身であれだけボケ役をかませるのは、モス・デフしかいないんじゃないですかね。彼も幅広く役をこなせるよねえ。

そういや映画に出てくる宇宙人(というかクリーチャー)が「なんかダーク・クリスタルっぽいなー」と思ったら、案の定ジム・ハンソン工房の制作でした。

というわけでストーリーよりも、小ネタや小キャラに目がいくカルトなSF映画。
けっこうお金がかかっているだろうに、大作感ゼロ(笑)
モンティパイソンが好きな方にはお勧めです。

知的ヒューモア度  ★★★★
アクション度    ★
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by erizo_1 | 2005-05-17 12:29 | エンタメの殿堂
NYはいい天候が続いていて、お散歩日和。

うちはハドソン川の近くなので、川沿いの散歩道を歩いていると、最近とっても目につくものがあるのだ。

なにかといえば、Bugaboo(ブガブー)というメーカーのストローラー(ベビーバギー)。

ブガブーだよ。ブガー(鼻くそ)のことじゃないよ。

なにも個人的にストローラーには関心があるわけじゃないんですが、たまたま雑誌に「セレブの御用達のベビー用品」みたいな記事が載っていたのよ。
それでケイト・ハドソンらのセレブがご愛用というストローラーとして、ブガブーが紹介されていたのだ。

オランダ生まれのストローラーで、カエルに形が似ているので、ブガブー「フロッグ」という商品名であるらしい。

で、「ふーん、こんなものがあるのか」と思っていたら、外を歩いてみると、これが至るところで目につくのだ。

あ、あそこにも! あ、ここにも! て感じで、うちの近辺では65 パーセントくらい占めているんじゃないかって勢い。

実際にはそこまでのシェアはないと思うけど、見た目感として、65%ね。
で、流行というのは、街を歩いていて「見た目感」として、60%を超えていると、いわゆる流行っている状態と考えていい。

で、気になったのでネットで値段を調べてみました。
ブガブーのフロッグ 729ドル!!!!

えーッ、たっけえええええ!

日本円だったら10万円近いじゃん!!!!
えー、なに、ストローラーってそんなに高いものなの?

なんでもブガブーはストローラー界のレンジローバーと呼ばれていて(笑)ローラーがたいへん回転させやすく、SUVなみの機動力があるらしい(もちろんエンジン搭載じゃないが。笑)

機能的な上に、デザインもたいへん洗練されていて、たしかにおしゃれ。

とにかくうちの周辺ではヒジョーに流行っているのはたしかで、それだけのお金を出す親たちがいっぱいいるってことなんでしょう。

しかしストローラーが729ドルもするなんて、親御さんたちもたいへんだなあ。

特製デニム仕様のブガブーなんて、875ドルもするんだよ。
がーん!

この調子でルイ・ヴィトンとコラボのブガブー 9000ドルとか出てきたら、怖いなあ。

それでも買っちゃう金持ちはいると思う、絶対に。
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by erizo_1 | 2005-05-13 14:28 | トレンドの泉
さて前回のブラック・チャーチでのミサ続きです。

私自身は高校がカトリックのミッションスクールで、ときどき教会にも行っていたから、ミサなら慣れているほう。

アメリカではピタママのつきあいや、あるいは友達の結婚式や、知りあいのお葬式といった機会で今まで何回かいろいろな教会を訪れたことはあるのだけど、やはりブラック・チャーチは独特のものがあるね。

なにが特徴かって、音楽がすべての基本になっているところ。

祭壇の左右にはクワイアーという合唱隊がいて、よく映画に出てくるような感じでゴスペルや定番の聖歌を歌うわけです。
これがたいへんうまくて、聴きごたえあり。

ピタママもむかしはクワイアーに所属していたとのことで、「この歌はいい」「これはあまりよくない」となかなか鋭い批評を加えておったです。

牧師さんのお説教もたいへん音楽的。
しゃべり方に独特の節まわしがあって、豊かなリズムと音声に富んでいる。

えーと、キング牧師の有名な演説を耳にしたことありますか?
1963年のワシントン大行進のときに行った「私には夢がある」という歴史に残るスピーチ。
「アーイ・ハヴァア・ドリーム」
というやつですね。

今はネットでも音声が聴けるようなので、ぜひいちど耳にしてみても損はないと思います。

あの節回しがまさにアフリカン・アメリカンの牧師さんらしい語り口。
朗々と謳うように語るわけです。

キング牧師は人種差別撤退をめざした、その生き方もすばらしかったけれど、あのよく響く深みのある声や、詩的なスピーチの仕方というのも、大きな武器だったんじゃないでしょうか。

今回の牧師さんはコブシを回すのが特に激しくて、興奮してくると大声でシャウトして、鼓膜までびりびり響くほど。
うーわー。すごい大音量です! 
ステージでのライブ状態だあああ!

しかもこの牧師さん、聖歌を歌うと、めちゃんこうまいのだ! もう牧師さんのゴスペルショーを観ているみたい。

もしやアメリカでは歌がうまくて、声がよくなくっちゃ、牧師さんになれないのか? じゃあ、音痴の牧師さんはどうするんだ? 

さらに説教の間に、会衆から合いの手が入るのもブラック・チャーチの大きな特徴。

説教の区切りの間に、
「イエス、マイ・ロード」
「アーメン、アーメン」
といった合いの手を、会衆が入れていくわけよ。

これが歌舞伎における「中村屋!」「日本一!」みたいな合いの手のごとく、絶妙なタイミングで入るんだね。
きっとその道ならではのコツがあるんだと思う(笑)

カトリックのミサでは、みんなが静粛にして、しーんとしているのがふつうだから、はじめてメソジストのミサに行ったときは、かなり面食らった私です。

その朗々と歌うような説教と、「マイ・ロード」「イエス、イエス」「ジーザス」といった合いの手がからみあって、音楽的なうねりになっていく。

そして説教するほうも会衆のほうも、ガーッと気分が盛り上がっていって、一体感に至るというわけ。

聴いていると、ああ、ここからR&Bミュージックが生まれたんだな。ソウルミュージックのコール&レスポンスが生まれたのはこういう背景があるからかというのが、よーくわかる。

ブラック・ミュージックの歴史は教会抜きでは語れないよね。

というか、もう音に対する感性が圧倒的に違う。小さい頃から、こうやって耳を鍛えていれば、そりゃすごいミュージシャンたちも出てくるわけだわね。

牧師さんはサッチモみたいに目がくりくりした愛嬌あるルックスで、お説教も身近で親しみやすいものでした。

「神さまは、我々が必要としているより以上のものを常に与えてくださいます。
もちろんみなさんはドナルド・トランプじゃないでしょう。
ビル・ゲイツでもオプラ・ウィンフリーでもない。
それでも自分の身をふりかえってみれば神さまが必要以上のものを与えてくださっていることに気がつくはずです。
だからこそ今朝この教会に来るまでに、支度にあれほど時間がかかったわけですよね?
もし一枚しか着るものがなければ、何を着ようと悩むこともないですから」

はははは、うまいところをついていますね。
たしかにそうだ。
アメリカの牧師さんはエンタメ性に富んでいるなあ、とミョーなところで感心。

ゴスペルが聴けるブラック・チャーチの礼拝は、あまりキリスト教に詳しくない人でも、いっぺん訪れてみる価値ありじゃないでしょうか。

それにしても教会のミサに参列するたび、今年こそ教会に通って心を洗おうかな、という気持になる私。
一年に2回くらいだけど(笑)
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by erizo_1 | 2005-05-12 10:32 | ライフのツボ
週末は母の日で、ピタママの住むコネチカットに行ってきました。

土曜はレストランで食事をしたのだけど、アメリカの母の日のイベントは、そんなものでは終わらない。ピタママを喜ばせる親孝行。

それはいっしょに教会に行くことなのだー!

信心深いママにとっては家族がいっしょに教会に行くのが、なにより楽しみらしい。うぐー。

ふだんはなるべく教会に行く機会を避けようとするピータローだけど、さすがに今回は逃げることもならず。

わざわざスーツ一式を用意して、車に詰め込み、いざコネチへと出発。

「みんな飾り立てて教会に来るから、ちゃんとしたドレスを持っていったほうがいいよ」
というピータローのアドバイスに従って、私もジャケットとスカートを用意して行ったのでした。なんかもう大騒ぎだなあ。

ママが行っている教会は、「メトロポリタン・アフリカン・メソジスト・エピスコパル・ザイオン・チャーチ」(←な、長い)

Zionは、日本語の聖書では「シオン」と表記されるけど、英語ではザイオンと発音します。これはエルサレムの別名。映画「マトリックス」でも地下都市の名前がザイオンだったよね。

アメリカでは多くはプロテスタントなのだけれど、なかでもブラックの人たちは大半がメソジストかバプティストに属している。

この教会はかつてブラックの人たちが自分たちのために造った、いわゆるブラック・チャーチというもの。
だもんで会衆はほとんどがブラックなみなさん。

ミサは朝の11時から。
会堂の入り口にはアッシャー(先導係)がいて、ミサのしおりを渡してくれる。

そう、あの歌手のアッシャーと同じアッシャーね。
むろんアッシャーみたいなぴちぴちの兄さんはいないわけで、おじいちゃんばかりなもんで、なにかヒジョーに恐縮する。

なかに入ってみると、おおー。噂どおり、みんな正装しているぞ。
男性はスーツを着込み、女性は華やかなスーツやドレスでめかしている。

ほとんどが中高年層と、ご家族づれで、若者率は限りなくゼロ(笑)

女性はピンクとかブルーとかレッドやレモン色といったさまざまな色のスーツドレスに、帽子をあわせている人が多い。

それがまたオーガンジーの花がぶりぶりついた帽子とか、白い巨大な帽子とか、びかびか光る金色の帽子とか、ものすごくハデなんだよ。

80歳くらいのおばあちゃんが銀ラメのベレー帽をかぶっているんだもん。あまりのまぶしさに目がくらみそう。

うわー。さすが気合い入りまくりです。ジーンズで来なくてよかった。

<続く>
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by erizo_1 | 2005-05-09 15:32 | ライフのツボ

ニューヨークの地下鉄で

マンハッタンの地下鉄で。
向かい側の席に、若い男の子同士のカップルが座っていた。

ひとりはメガネをかけた華奢な男の子で、前髪を長く垂らして、恋人の肩にもたれかかるようにしながら、目をつむっている。

もうひとりの男の子はニットキャップをかぶって、無精ひげを生やしている。
ひき結んだ口元。
先の剥げたティンバーランドのブーツ。
カフェオレ色の肌をした彼は車内のどこかを見つめ、ここにいながら、ここにいない瞳をしていた。

ふたりとも決してきれいな恰好じゃない。
ジーンズにはペイントの跡がそこかしこにあって、破れている。おそらく画学生か、あるいは働きながら絵でも描いている子たちなのだろう。

ニューヨークの街角にたくさんいる、夢と野心だけは胸に抱えきれないほど持っている青年たち。

大きすぎる自我を、Tシャツのなかにムリやり押し込めているような若い恋人たち。

彼らの足下においた紙袋には、絵の額が入っていた。
目で探ってみると、Jean-Michel Basquiatの文字が読めた。

ジャン・ミッシェル・バスキア。
ニューヨークが生んだ、早逝の天才画家。

そういえばブルックリン美術館では、いまバスキアの展覧会をやっている。

若い男の子のカップルが今日買ったのがバスキアの複製画であるということが、まるで青空に放物線を描く白いボールのように、心にすとんと飛びこんできた。

ふいにニューヨークにいるな、と強く感じた。

ふだんはニューヨークにいることを忘れている。
けれど、ときどき思い出させてくれるのが、こんな光景だ。
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by erizo_1 | 2005-05-02 14:16 | カルチャーの夕べ