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コラムニスト 黒部エリがニューヨークからお届けします。Blog by Eri Kurobe


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ファッション雑誌のアシスタントとして働き出すヒロインを描いたコメディ映画、「プラダを着た悪魔」

アン・ハサウェイが主演のヒロインを演じて、スタイリングをかのパトリシア・フィールドが手がけているのも見所です。

で、この「悪魔」こと、メリル・ストリープが演じる鬼編集長のモデルが、ボーグの編集長であるアナ・ウィンター女史。

著者は実際にボーグでアシスタントをやっていた女性で、この本の発表当時は暴露小説として話題を集めたものです。

えーと、実物のアナ・ウィンター女史はこちらですね。おかっぱヘアがトレードマークになっています。
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これはコレクション会場で、いっしょに組んでいるカメラマンの横山順子さんが撮影してくれたスナップです。
隣にいるのは愛娘のビーさん。親子揃って美人ざます。

しかしこうやってにこやかに撮らせてくれる時はいいけれど、実際には不機嫌な日もあって、それがめっちゃ恐いです。

映画で観るように、こちらの編集部ではディレクタークラスの編集者は個室をもつのがふつうで、さらに秘書も雇えるのが、日本の出版社とはかなり違うところ。

モード誌となると、編集長はその雑誌の「顔」ですから、当然ファッショナブルでなくてはならず、ボーグでは高額な給料のほかに、アナさまの「お召し物代」として1000万円以上の支給があるとの噂。

とはいえアナさまともなれば、デザイナーたちが服を喜んでタダでくれるでしょうから、いったいどこで服を買う必要があるのかはナゾ。

映画では意外なところにモデルのジゼル・ブンチェンやデザイナーのヴァレンティノが出演しているのも楽しいところ。

ファッションピープルたちがいかに痩せているかを競ったり、着ている服で相手を判断したりするかというビッチな現実を余すところなく描き(笑)、そしてセリフのなかに、
「パトリック・デマシェリエ(有名なファッション・フォトグラファー)に電話して」
とか、
「ザック・ポーセンのコレクションを、ノグチ・ガーデン(イサム・ノグチの彫刻がある庭園のこと)で、マリオ・テスティーノに撮らせる」
なんて会話が出てくるところが、いかにもボーグっぽくて業界らしさが出ています。

スタンレー・トゥッチが演じているナイジェルという男性編集者は、たぶんボーグ誌で有名な男性編集者、アンドレ・レオン・ターリーをモデルにしているはず。

えーと、こちらが本物のアンドレたんです。
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ご本人の出版記念パーティでの写真で、隣にいるのはアメリカの黒柳徹子こと、有名なインタビュアー、バーバラ・ウォルターズです。

アンドレたん、でかいですね。
いつもファッショナブルな恰好なのですが、あのサイズの服がフツーに売っているとは思えないから、全部オーダーメイドなんだろうなあ。

ターリー氏はグラマラスでクラシックな時代のハリウッドファッションに詳しいことで知られていて、業界では有名な人物。

ブラックの男性が白人女性中心のモード雑誌の世界でのしあがったことじたい、たいへんなことですが、ナイジェルが映画のなかで、ファッションを薄っぺらなものと考えるヒロインに対して、こんなふうなセリフをいうシーンがあるんですね。

「きみにとってはたんなる雑誌かもしれないが、この雑誌はある人たちにとっては夢そのものなんだよ。
ことにぼくのようなロングアイランドで、六人兄弟のなかで育ち、こっそり隠れてこの雑誌を読んで憧れていたような少年にとってはね」

(ちなみに実際のターリー氏は南部出身で、子どもの頃にファッション編集者になりたいといったところ親戚から、そんなものは男の子のやることじゃない、といわれたらしい)

わたしはこのシーンが好きなのですが、やはりモードというのは幻想という力がなくては存在しないもの。

ファッション界で多くのデザイナーがゲイであるのも当然であることで、「この現実の自分ではない自分」を空想する力がないと、クリエイティビティというのは生まれないんじゃなかろうか。

さて、この映画のすごさは、本物のアナ・ウィンター女史のほうが、メリル・ストリープ演じるミランダよりも、さらに美しく、さらにファッショナブルで、さらに恐ろしいというところ。

わたし自身はニューヨーク・コレクションのときに、アナさまのお姿を遠くから拝見するだけですが、いやもう、すごいっすよ。

アナさまが通ると、ザザーッと左右にひとが避けるもの。飛ぶ鳥落とす勢いとは、あのことだす。
つねに完璧なスタイル、つねに同じヘアスタイル。
もちろんお座りになるのは、フロントローのいちばんいい席。

アナさまは映画のミランダとは違って、すでに離婚歴ありですが、最近は後継者と目される娘のビー嬢と並んで座っていることが多いです。

わたしが「すげー」と感心したのは、グウェン・ステファニのコレクションのとき。

ショーを終えて、挨拶に出てきたグウェンがまっすぐアナさまに近づいて、ハグしたんですよね。

旦那より先に挨拶だよ? いちおう世界的ロックスターである旦那の立場はどこにあるんだっていう。てか、立場ゼロ以下だし。

つまりグウェン・ステファニやジェイ・ローといえど、ファッション業界に参入したければ、アナさまに仁義を切るというのが掟であるわけですね。

なにしろアナさまといえば、彼女の鶴の一声でコレクションの日取りがずれるというほどの実力の持ち主。

そんな編集長、日本にはいないって。

というか、いくらタイム誌やライフ誌の編集長だって、ひとつの業界をまるごと動かせないでしょう。

映画のなかでもアナさまにコレクションのプレビューを見せたデザイナーが、アナさまに褒められず、すべて作り替えるというエピソードがあったけれど、これは業界的にはとっても正しいです。

NYではアナさまのアドバイスに従わなかったデザイナーはいずれ消えていくといわれていまして、NYコレクションから消えたあの人やこの人は、アナさまのご不況を買ったとの噂ありです。>びくびく。

そういえば去年だったか、あるショーでアナさまがセレブのためにショーの開始が遅れて、しかもクーラーが効かずに暑いことにうんざりして、
「帰るわ」
といいだしたことがあったんですね。そしたら、つぎのシーズンからみごとにセレブが一掃されたという。これもアナさまの一声なのでしょうか。>びくびく。

じゃあ、なんでそこまで権力をもっているのか?

というところがすごく気になるわけですが、周りに尋ねてみても、はっきりした理由がよくわからない。

もちろんずばぬけた美的センスと編集能力、ビジネスセンスを持っているのはたしかでしょうが、それだけで権力をもてるものじゃない。

となると、あとは政治力の問題でしょうね。

わたしが聞いた範囲では(あくまで噂ですが)ガリアーノからマーク・ジェイコブスまで新人時代に、アナさまに援助してもらわなかったデザイナーはいない、といわれているとか。

これが本当なら、なるほど、たいした女傑だと思うんですよ。

たとえばデザイナーに対して「あなたのことを雑誌で取り上げてあげるわ」というくらいなら簡単にできるにせよ、資金を援助するというのは、おいそれとできないのではなかろうか。

ましてや20年も前にそうした発想を持っていた女性というのは、まさに先駆者といっていい。

アナさまが新人の才能を見抜いて、将来のために金をぽん、と出せる女性だとしたら、それはやはり女王にふさわしい統治能力でしょう。

ちなみにアナ女史はアメリカ人ではなくて、イギリス出身です。
そのせいかジェーン・エア風というんでしょうか、いつも暗く曇り空っぽい表情でいるのも特徴的。

モードの世界で頂点に上り詰めた女性なのに、なぜにいつもああ憂鬱そうなのか。

わたしは彼女を見るたび、「わたくしはイングランドと結婚したのです」と公言したという英国史に輝く処女王、かのエリザベス一世を思い出してしまうのでした。

ボーグと結婚した稀代の女性編集者、アナ・ウィンター。
その業界の華麗さと意地悪っぷりを、ぜひ映画で体験してみてください。
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by erizo_1 | 2006-11-27 15:45 | エンタメの殿堂
イーストビレッジにあるレストラン、「イル・バガット」で隣り合わせた有名人、それは女優のルーシー・リューなのでした。

ルーシーさま、何人かのグループで来ていましたが、ごく気軽な雰囲気でダイニングをしていましたね。

こういうときニューヨーカーは内心「お。ルーシー」と思っても、気づかないふりをするものなんですが、そこはそれ、みんなじつはミーハーだから、ちらちらと眺めているわけさ(笑)

そのとき同席していた友人のアメリカ人男性はうっとりとルーシーを見つめ、こっそり携帯で写真を撮っていました。>せこい!

ルーシーのことは某パーティでも見かけたことがありますが、実物はかなり小柄なんですよね。
155センチくらいじゃなかろうか。
でもって色が白くて、すごく肌がきれい。
画面で観るより、実物のほうがきれいです。

ただし日本の女優さんのスタイルと比べると、ルーシーはかなり「ふつう」度が高いかもしれない。
日本の芸能界だったら「うお」とは驚くレベルではないでしょう。

しかしハリウッド女優の実力はそんなところじゃなかったのだ。

えーと、ルーシーさまご一行のなかにボーイフレンドもいましてね、彼女が彼に話しかけるわけですよ。
ちなみにカレのほうはセレブではなかったです。フツーの白人男性でした。

で、ルーシーが彼に話しかけるときに、こう耳打ちして話したり、あるいは彼の手に頬ずりをしたりする、その仕草がえらく色っぽいんですよ。

ほげー。なるほどなー!
思わず心のなかで膝ポンしたわたしです。

ずばぬけてスタイルがいいわけでも、とびぬけた美女でもないルーシーが、なぜハリウッドで成功したか。
それはなんともいえない色香があるからではなかろうか。

彼女は仕草がとてもエレガントで、それがパンピーのガサツな動きと一線を画しているんですよね。
たとえるなら白いガーデニアの花とでもいうんでしょうか、はらりとこぼれる匂いがある。

いわゆる雰囲気というのをフランス語ではアリュアーと呼びますが、これがじつは写真やフィルムではいちばん捉えにくいもので、それが画面でも伝えられることが女優や俳優の条件だと思うんですよ。

肉眼で見ていてとても美人で魅力的なひとでも、写真に撮ってその雰囲気が出るひとというのは稀少なもの。

わたしも今まで数えきれないほどのシロートさんスナップ、女優さんやタレントさんのフォトシュートを見てきましたが、シロートさんは肉眼で見たほうがきれいです。

だからこそ写真に撮ったときにアリュアーがあるかどうか、そこが女優やモデルになれるかどうかのポイントだと思うんですよね。

で、ごく稀に生の本人よりも写真やフィルムに撮ったときのほうがアリュアーの出る人というのがいるんですが、これがいちばん芸能人に向いているタイプ。反対にいえば、実物の本人を見るとがっかりしたりもして(笑)

ほんでもってルーシーはたしかに色香というのか、なんともいえないアリュアーがあるのよ。

だってさー目をつむって彼の手に愛しそうに頬ずりしちゃうのよ? そんなこと大女優さんがしてくれちゃうのよ?
そりゃ男はいちころだわなー。

すげーな、ルーシー。
さすがハリウッド女優の色気ってのは半端じゃねーす。

なるほど、女優のアリュアーとは内側から滲みだすものであったのだなー。と、あらためて感心した次第なのでした。

というわけで(どういうわけだよ?)セレブがちょくちょくお忍びでやってくる、この「イル・バガット」、たいへんおいしくてお薦めです。

ブルーチーズをかけたニョッキや、ホームメイドのボロネーズ・スパゲッティなどが定番のメニュー。

シェフはオーナーの奥さんで、ローマ出身の女性なんですが、いかにもイタリアン・マンマの味というのか、あったかみのある味なんですよ。
トラットリア好きはぜひどうぞ。


IL BAGATTO
192 E 2nd Street, between Ave A and Ave B. New York, NY 10009
(212) 228-0977
最寄り駅: F線 Second Avenue
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by erizo_1 | 2006-11-21 11:14 | NYのレストラン
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月刊アテス(athes)にピータローこと、うちのブーこと、うちの旦那が登場いたしました。

これは食をベースにしたライフスタイル誌で、男性むけですね。
各都市からのレポートで、ニューヨーク編に出ています。
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なぜピタローが取材されたかというと、えーと、記事を担当している知人のライター、Yさんから頼まれて出演したため。

ピータローはマーケティング+アドバタイジングの企業に勤めていて、会社がおしゃれなミートパッキング地域にあるんですね。なので、職種的に読者層とマッチしたのではないかなと。

成田で買いこんで見てみると、おお、いい写真にあがっているじゃないですか。さすがカメラマンがうまいね!

ピタローのために拡大してみましょう。おりゃ!
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だけど、あれ?
文章を読むと、なんだか我が家が金持ちみたいな印象がするぞ。
ちょっと待てよ、きみはどこのセレブだよ。
これじゃあ、実態と差がありすぎだぞ!

いや、検証していけばウソではないんですけどね、なにかこうやって(よいところだけ)まとめると、なんだか別人の話のようだ。というか、まったく実態とは違う印象に仕上がるものだなあ。

ははは、さすがライターさんってのはうまいもんですなー(他人ごとのよう)

写真はYさんの旦那さん(アメリカ人フォトグラファー)が撮ってくれたのですが、とてもよい出来で、ピタロー本人はご満悦。るんるんと眺めていたのであった。

ただずいぶんと色白さんに印刷されていて、本人としてはそこだけが不満だったらしく、

「うーむ、これでは白すぎる。もっとサンタンが必要だ、灼かなくては」

と虚栄の市な発言をしていたのであった(笑)

しかし兄といい、旦那といい、なぜわたしの周囲の男性はこうも出好きなのであろうか。ナゾだ。

さて記事中で、ピタローが推薦しているレストラン、「イル・バガット」

これはうちの近所にあるイタリアン・レストランなのですが、まじでうまいです。
リーズナブルなので、たいへんコスト・パフォーマンスがよろしい。

で、セレブもよくお忍びで来るのですが、わたしが以前となりの席で見かけたのが、ハリウッド女優のあのひと。

そのセレブとは誰かというと………。

以下は続きを待て!
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by erizo_1 | 2006-11-16 10:25 | うちのピータロー
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幻冬舎の「GOETHE ゲーテ」という雑誌に、兄の黒部和夫が出たので、そのご報告を。
ジョニデが表紙ですが、男性ライフスタイル誌のようですね。

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なんでも「24時間仕事バカ!」という特集で取材されたらしい。

たんなる「バカ」特集かと思いきや、そうでなくてよかったです(笑)

えーと、うちの兄は某アパレル企業でプレスをやっているんですね。
それで連日連夜働いているというわけです。

じつは先日二週間ほど日本に帰国してきたんですが、その折りに兄がおつきあいのあるファッションブランドのプレスさんたちに声をかけて、飲み会をセッティングしてくれたのでした。

それで有名ブランドの美人プレスさんご一同(プレスというのは各ブランドの顔になるので、美女が多い役職なのだ)との飲み会に参加させてもらったのですが、みなさま、お忙しいところおつきあいいただき、ありがとうございます!

さてその席で尋ねられた質問が、

「お兄さんって子どもの頃からああいう感じだったんですか?」

むむ、いきなり答えるのにむずかしい質問が来たぞ。
ああいう感じってのは、どういう感じなのだ? 
どんなヤツと思われているのだ? 
うーむ、うーむ。

身内から見れば、兄はむかしから同じといえば同じなのだけれど、家と外ではキャラが違うといえば違う。

「つうか、ああいう小学生がいたら、へんでしょう」
「ははは、たしかに」

小学生が毎晩飲み歩いていたら、そりゃへんだよね。

ちなみに性格的に、兄は子どもの頃から外向的でポジティブであるいっぽう、わたしのほうは内向的でネガティブなタイプ。

兄は子どもの頃からおしゃれ好きで、遊んでいても服装が乱れると、いちいち直すお子さんであったのだ。
人形遊びをしていても、がんがんキューピーさんの着る服を制作してしまうのだ。
さすがアパレルに進むような男子はフツーじゃないよね(笑)

いっぽうわたしのほうはティーンエイジャーの頃はまったくおしゃれに興味がなくて、うちで本ばかり読んでいました。
文庫本にすべてをつぎ込むマニアな女子高生でした。

つまり兄妹ともに「趣味が極端に偏っている」というのが特徴なんですが、おかげで兄もわたしも、自分の好きな分野に進めたのはよかったかもしれません。

つうか子どもの頃からあれだけ趣味が偏っていれば、他に選択肢がないだろう、ともいうね(笑)
まさに三つ子の魂百まで。

ということで、どこかで声の大きな兄、黒部和夫を見かけましたら、よろしくお願いいたします。
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by erizo_1 | 2006-11-13 21:56 | 日本のあれこれ