コラムニスト 黒部エリがニューヨークからお届けします。Blog by Eri Kurobe


by erizo_1
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

<   2006年 12月 ( 1 )   > この月の画像一覧

007カジノ・ロワイヤル

c0050387_1237729.jpg


驚いた。いいじゃないか、新ジェームズ・ボンド。

新ボンドにダニエル・クレイグが抜擢されたときは、全世界でブーイングが起こってどうなるのかと思ったら、これが意外や、すごいグッジョブ。

例のオープニングが始まったところで、おおお、この声は愛するクリスたんではないか、と思ったら、やはり主題歌はクリス・コーネルが唄っているんですね。

この映画を観たあとでは、
「いままでのファンシーで、コモエスタ赤坂感の溢れるボンドはなんだったんでしょうね、お母さん」
と思うほど。

マジなアクション映画にしあがっているため、過去の歴代ボンドをアホのように見せてしまうという恐ろしい効果つきです。

ところで新ボンドのダニエル・クレイグは1968年生まれ。
あれ、まだ30代なのか。キムタクと4歳しか違わないじゃないか。そのわりには老けていません? てっきり40代後半かと思ったよ。

参考までにウィル・スミスも1968年生まれ。うーん、ウィルのほうがずっと体がきれいだし、お肌もつるつるなのになあ。

ところがこの無骨でオヤジくさいダニクレが、映画の終わりには「ボンドにどんズバ!」と思えてくるんだから、すごいもんです。

話じたいは、ほら、なんたってむかしの本が原作だから、カジノのポーカーで悪者と一騎打ちするみたいなムリな設定なんですけどさ、そのあたりはスルーということで。アクションシーンのキレのよさはすばらしい出来。

さらにボンドのキャラ造形がうまい。
脚本に「ミリオン・ダラー・ベイビー」のポール・ハギスが入っているんだから、うまくって当然か。

はじめは吊るしの背広を着て、大衆車を運転しているボンド。
ときにエゴが強すぎて失敗もするし、暴力的で決して完璧な男じゃない。ものすごく荒けずり。

そのごつい男が、愛する女性を思うときに、やさしい心のうちをちらりと見せるときの演出がすごくうまいんですよ。

ダニエル・クレイグの苦労人っぽい容姿が、そのぶん人生の厚みを感じさせて、いい味を出している。

粗野な男が映画のなかでだんだんとタキシードの似合う洗練された諜報員に変身していって、最後にジェームズ・ボンドとして完成する。

さてこれを観たあとで、観客の心をがっちりわしづかみする疑問といえば、そう、このひとつだけ。>ネタばれあるので、観てない方はご注意。

あんな拷問受けて、男ってサバイバルできるのか?
てか、その後エッチできるのか?

わたしが疑問を口にすると、ピタローはきっぱりこういったのであった。

「あんな拷問を受けたら、ぜーーーッたい再起不能になる。
あれは尻を叩くという拷問にちがいない」

ちょっと待ったー!
お尻のわけねーだろ!
それじゃ、拷問にならないよ! たんなるギャグじゃん!

となると、やはりあれですか、ボンドのあそこはチタニウム製とかそういうことなのか。金属とか埋め込んであるわけだな。さすがスーパー・エージェント。

ともあれこういう映画が出ると、ハリウッドのヘビー級俳優(マットたんやレオたんあたり)が
「おれもこういう役をやりたい!」
といいだすに決まっているので、これからのアクション映画の流れに影響を与えるか楽しみです。

ちなみに「カジノ・ロワイヤル」という題名ですが、英語での発音は「カシノ・ロイヤル」です。なんかとたんに脱力するなあ。
[PR]
by erizo_1 | 2006-12-11 12:57 | エンタメの殿堂