コラムニスト 黒部エリがニューヨークからお届けします。Blog by Eri Kurobe


by erizo_1
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

<   2016年 08月 ( 1 )   > この月の画像一覧

マイケル・ファスベンダーが主演する「 The Light between Oceans 」を観てきました。
c0050387_1431589.jpg

舞台は1920年代のオーストラリア。
孤島の灯台守である夫婦は、ある日ボートが漂着して、その中に赤ん坊がいるのを発見します。
二人は自分たちの子どもとして赤ん坊を育てるのです

灯台守を演じるのが、「X-MEN 」のマグニートや「それでも夜は明ける」で知られるマイケル・ファスベンダー。

妻を演じるのは、アリシア・ヴィカンダー
エクス・マキナ」や「リリーのすべて」で話題をかっさらった愛くるしい顔だちの女優さんですね。

撮影当時このふたりは実際につきあっていたらしく、演技の息もぴったり。
孤島に二人だけで住む灯台守の夫婦をこそばゆくなるくらいラブラブに演じてくれます。
c0050387_14313346.jpg

だが、しかしマイケルが出ている限り、ハッピーにいきっこないわけです。
なんたって眉間のシワ演技では他の追随を許さないマイケル・ファスベンダー。

マイケルさん、たいていの映画で苦悩しているよね。
苦悩しているか、迫害しているかのどっちか。

マイケルが出たとたんに、ああ、この人物には過酷な運命が待ち受けていて苦悩するのだろうなあ、という予感がするわけです。

幸せそうなシーンを演じていても、ああ、これは悲劇を増長させるためにあって、このあとドーン! と悲劇が待っているんだろうなあ、と思っていると、やっぱり悲劇が待ちかまえているのですね。

そのくらい苦悩の似合う男、マイケル・ファスベンダー!

幸せな暮らしも、産みの母親が生きて近くにいたことがわかったことから急転、後半は涙、涙、苦悩と嘆き、引き裂かれる心のてんこ盛りです。

この産みの母を演じるのが演技派レイチェル・ワイズなもんだから、登場人物たちの気持ちがよく伝わってきて、あの人の気持ちもわかる、この人の気持ちもわかる、というせつない状況です。
c0050387_14385494.jpg

子役の女の子もすごーくかわいい
「四歳くらいの幼児がこんなに両親役になついて、自然に演技できるものなんだろうか?」と驚くほど、自然でかわいい。
c0050387_14324591.jpg

そういえば「X-MENアポカリプス」でも父と娘のほっこりシーンがあって、悲劇に続いていたのだよなあ。
つくづく悲劇の父親像が似合うマイケルさんなのでした。

アメリカでのこの映画のカキコミには、「これでマグニートは人類を憎むようになったのだ、これは X-MENの前日譚なのだ!」というコメントがあって笑った。たしかに!

そして景色がすばらしい!
シネマトグラフィーの美しさには圧倒されます。

絶海の孤島、灯台のある風景、大海原、嵐の情景、海をわたっていく小さな船。
c0050387_14331540.jpg

そして灯台のある島がまた美しい!
こんな小さな小屋で素朴な家具に囲まれて、山羊や鶏を飼いながら暮らす生活もいいなあ、と憧れてしまうほど。
子どもが着ている子ども服も本当にかわいい!

この話、北海道の孤島の灯台守をしている吉岡秀隆黒木華の夫婦のもとに、ボートに乗った赤ん坊が漂着して……みたいに想像してもらっても充分なりたつ話です。

もうこれだけで「泣かせる」とわかる。
親子の愛、夫婦愛を描いた号泣ドラマ
観ていてボロ泣きしました。
ハンカチをお忘れなく!
ストレートなメロドラマです。

日本人が好きなウエットな話だし、悪人が出てこないし、こういう絶景が見たいなって気にさせるので、JALやANAの機内映画にぜひ入れて欲しいです!

今から「全米が泣いた」というコピーが頭に浮かぶほど。
というか、他のコピーが思いつきません。

原作はオーストラリアの作家M.Lステッドマンのベストセラー小説「海を照らす光

余計なお世話ですが、ハワカワ出版さんは映画にそなえて文庫を出してくれるといいなと思います!

海を照らす光
c0050387_14342967.jpg


予告編はこちら。
字幕はついていませんが、絵を観ているだけで、なにが起きているかわかります。


[PR]
by erizo_1 | 2016-08-31 14:58 | エンタメの殿堂