アメリカ男はマザコンか?
2005年 03月 16日
私がアメリカに来て驚いたのは、ママにべたべたの男子が多いこと。
ほんとマミーズ・ボーイ天国なのだ。
もっともマミーズ・ボーイといっても、ちょっと日本のニュアンスとは違っていて、お母さんがなんでも息子のことをやってあげるということじゃない。
日本の母親に比べると、アメリカの母親というのはそれほど子供の世話をべったりするわけじゃないし、子供は小さい時から独立心を育てられるから、いわゆる「家事のできない」男というのはアメリカではまず見たことがない。
そうじゃなくて、こっちのマミーズ・ボーイたちは、ママに対する愛があけっぴろげなんだよね。そこにまるっきり照れがないのだ。
いつだったか重量挙げの競技をテレビで観ていたら、優勝したクマのような大男が「ママー。やったよー!」と叫んでいたので、たまげたことがある。
がーん。あんなことテレビで叫んで、カッチョ悪いという意識がないんでしょうか。
なんてヒネりがないんだ!
よくアメリカを象徴するコトバに「ママと星条旗とアップルパイ」という表現があるけど、たしかにこれぞアメリカ男の好きな三大アイテムだよね(しかもアップルパイはアイスクリームつき!)
アメリカ男はオトナになっても、母親に「愛しているよ、ママ」を連発して、ハグやキスを欠かさない。しょっちゅう電話をしたり、せっせとママの手料理を食べに行く男も少なくない。
実際にはそんなに仲のいい親子ばかりじゃないのだけれど(崩壊家庭多いし)、アメリカ人の建前としては、母親への愛をあけっぴろげに表現するのが正しいわけです。
ことにブラックやヒスパニックのファミリーでは母親と子供の結びつきがとても強い。
ブラック層では、シングルマムが働いて苦労しながら子育てしていることが多いので、母親に対する愛着が強いのと、ファミリー主義が強いからだろうね。
ある意味で、母系社会に近いというのか。
友人に聴いた話では、ずり落ちジーンズにタトゥのThug(ちんぴら)なブラック兄さんでも、
「オレに意見できるのは神さまとマムだけだぜ!」
とタンカを切るのが、おきまりになっているらしい。
それって威張っていうことでもないと思うんだが(笑)
ピータローもごたぶんにもれず、ママに頭があがらない。
ママにいいつけられると、すぐに電化製品の修理に出かけたり、模様替えの手伝いに出かけていったりと、すごーくマメ。
ママの監督がよかったのか、ピータローはお年寄りの女性に親切だし、女性の年齢やルックスにかかわらず、レディファーストが徹底している。
ピタママのおかげで、マメ山マメぞう(ピータローの日本名。マメなことから命名された)な男に育ってくれて、ありがたいことだ。ピタママ、てんきゅー!
じゃあ、日本人の男の子はどうなんだろう?
いくつくらいまで照れないで、母親と接することができるんだろうか。
日本に住んでいて、12歳の男の子をもつお母さんはこういっていた。
「小学校の高学年になったら、さすがに男の子はなでたり、抱いたりさせてくれなくなったよね。こっちがふざけて、たまには肩くらい組もうよっていうと、仕方ねーなあ、みたいなこといって照れながら、相手にしてくれるのね。でもスーパーで買い物すると、荷物はぜんぶ持ってくれるのよ」
NYに住んでいる日本人のお母さんで、14歳の男の子が私立校に行っているハイソなマダムは、こういうコメント。
「うちはもちろんキスもハグ(抱擁)もしますよ。外に出かけるときは、腕を組んでエスコートしてくれます。こちらの上流社会では、男の子はレディファーストを徹底的に教育されますから。うちのコも、お母さまは女性だから守ってあげなくてはいけないと考えているみたいです」
ほへー。なるほど。
ずいぶん環境によって違うもんだね。
男の子がオトナに変化していく課程で、女性に対してどうふるまうかは、お母さんのキャラによるところも大きいのかもしれないね。
上記のお母さんたちにしても、彼女たち自身がどう男性と接してきたのか、なんとなくそのようすが伺えるし、好みが反映されているのがおもしろい。
やはりいい男をつくるのには、ママの薫陶が大切ってことですかね。
世の中のお母さんたち、ぜひイケメン増殖、よろしくです!