ハグにはやっぱり効用がある!
2009年 06月 10日
今回はママンのことでとにかくやることが山ほどあって、ケアの手配から株だの銀行だのといった財産管理や、廃車手続きや庭木の手入れや、家の大掃除、支払いや口座引き落としの設定など、次から次へと雑用手続きがあって、
「あああーッ。わたしひとりじゃ、とても手が回らないー! どうしたらいいんだー!」
と発狂しかけていたエリぞうなのでした。
そこにピタ隊長登場。
うわー!
待っていたよう、ありがとう!
本当にパートナーというのはふしぎなもので、ひとりで抱えている問題が重すぎてストレスでパンクしそうになったとき、相談できる相手、いっしょに運んでくれる相手、力づけてくれる相手がいると、本当に救われるよね。
あー。ピタ隊長がいて、よかった!
ところでピノたんのブログ「ピノのビバ日常」にて「恵比寿駅でハグしている」のを驚かれたエリぞうですが、悪いけど、うちの家族はそんなもんじゃないよ。
ご存じ兄の黒部カルロと、ピータローの再会の場面。
「わははははー。ピタロー、よく来たなー!」
「カルロスー!」
ハグしてバシバシバシ、バシバシバシと叩きあう暑苦しい二人。
「いやー。オレはじつの妹より、ピータローと気が合うんだよなー」
とカルロ。
そしてなぜかカルロを「カルロス」と呼ぶピータロー。
うちの兄は「カルロス・トシキ」かー!
「ほんとにピータローはバカだよなー」
と酔っぱらいながら語るカルロ。
「あいつはさー。おやじの臨終の時にたちあってくれたんだよなー。
ほんと、あいつはバカだよ。
でもオレはバカが好きなんだよー!」
と男語りをしながら、またもバシバシと叩きながらハグする暑苦しい二人。
まったくバカはどっちじゃー!
そして病院にお見舞いに行くピタ隊長の図。
じつは内心「ママはピータローを忘れちゃっているんじゃないか」という不安もあったんですが、杞憂でした。
ピータローを見たとたん、満面の笑顔になったママン。
がばちょ!
とピータローが抱きしめると、ママンもギュッとしがみついて泣いている。
そして「はうあーゆー?」と尋ねるママン。
おお、英語を覚えている!
ママンはピータローに会えてとても嬉しそう。
エリぞうの拙書「生にゅー!―生でリアルなニューヨーク通信 (文春文庫PLUS)
」をご高覧いただいた方ならご存じだと思うんですが、じつはうちのママン、けっこうピータローにきびしかったのです。
いや、ピータローが日本に来るたびに手厚くもてなしてくれるし、必ずお鮨を山ほど用意してくれたし、一緒に旅行したり、食事したりして仲はいいんですよ。
しかしうちのママンは細かいタイプなのね。
「体を拭くのに、バスタオルをそんなに濡らすな」(←どうやって?)
「ドアをばたんと閉めるな」
「階段をドスドス音をたてて歩くな」
「買い食いするな」
「立ち食いするな」
「タンクトップを着てはいけない」
「自分のモノをあちこちに置かない」
といったダメだしを出してきて、しかもわたしに英訳させていわせるのだ。
ひー!
あたかも「奥さまは魔女」のダーリンのように、あるいは「必殺仕置き人」の中村主水のようにあつかわれていたピータロー。
わたしとしてはさすがにピータローが気の毒で、
「あのね、ママ。
他人の息子にあれこれいうより、まず自分の息子を躾けたらどうなの?」
とママンに意見したことがあったのでした。
そのママンがこれほどピータローに会えて喜ぶとは思わなかった。
「うーむ、ふしぎだ。ついにお母さんがぼくを好きになってくれたらしい」
とピタ隊長。
「むかしのお母さんとはずいぶん変わって、弱々しくなってしまったね。
でもぼくにまたいじわるいっていいから、むかしのお母さんに戻って欲しいよ」
本当だよね。
でも時間は逆戻りできないからね。
いまある状態をよしとしていかなくては。
エリぞうも毎日ママンをハグしていますが、ママンがギュッとしがみついてくるので、ああ、きっと不安なんだろうなあとよくわかるんだよね。
きっと年を取ると、誰でも不安で頼りなく、淋しさを感じやすくなってしまうんだろうね。
ハグが必要なのって、じつは若い子じゃなくてお年寄りなんじゃなかろうか。
子どもの時はいっぱいハグしてもらえるし、恋人や夫婦ならハグしあえるし、赤ちゃんができればいっぱいハグできる。
でも日本ではお年寄りになっちゃうと、孫か曾孫でも近くにいないかぎり、ハグのチャンスなんてなくなるものね。
エリぞうが欧米の文化で「これはええ!」と思うのは、やっぱりハグやキスの習慣があること。
苦手なひともいるだろうけど、わたし個人は好き。
離れて話しているより、そりゃ物理的に近づいたほうが「近づき」感はあるもんなー。
ママンを見ていると、たしかにハグの効用はあると実感。
てことで、しつこくハグハグしようと思うエリぞうでした。
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更新が遅れていて、ごめんなさい!!!
エントリしたい、したいと思いながら、思うようにいかず、ようやく書けて嬉しいですー!
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