マイケル・ジャクソン「バッド」の見所はこれだー!
2009年 06月 29日
締め切り原稿も書けるようになりますた!
週明けからやっと平常運転できそうなエリぞうです。
さてテレビでは朝から晩までマイコーのビデオが流れっぱなし。
マイコーの全盛期はまさにミュージックビデオの興隆期と重なっていて、
「次はなにをやるんだろう」
というのが楽しみな時代だったんだよね。
今どき「次のビデオが楽しみ!」なことってないし、そんなに制作に金をかける時代ではなくなったし、そもそもミュージックビデオが時代を牽引するものじゃなくなっている。
「スリラー」は音楽史に残る金字塔だけど、この先もあれを超える作品は出ないだろうなあ。
なんたって監督はジョン・ランディス。
特殊メイクはリック・ベイカーという豪華布陣だもんなー。
エリぞう的には「スリラー」の次に強烈な印象があったのが「ビート・イット」
ついでにアル・ヤンコヴィッツのパロディ「イート・イット」も蘇るんですが(笑)
マイコーは本当にダンスがうまい!
すばらしい!
しかもこの振付師(ビデオでは白いジャケットを着ている親分の役のひと)がまたものすごくうまいんだよね。
思わず目を吸い寄せられます。
そんな不朽の名作「ビート・イット」ですが、いま観ると、おもしろいのは不良が不良に見えないことだね(笑)
だって不良がハイウエストのジーンズ履いているんだもん!
しかもTシャツを中入れして着ているのだ!
今どきのNYではパンツ丸見えくらいに腰履きしているガキばかりなので、
「おお、80年代のワルはハイウエストだったんだ!」
と新鮮な驚きが。
横ボーダーのシャツを着ている不良というのも、今どきありえないよね。
横縞シャツなんて着ていたら、おゲイでしょ!
しかも白人ダンサーなんてカジャグーグーみたいなヘアスタイルしていたりして、どこらへんがワルなのか、さっぱりわからない。
おまけにみんながスリムだったというのも、なかなかに新鮮。
ピタパン履いているし。
今どきのワルなみなさんはデブが多いからなー。
10人のバックダンサーがいたら、4人くらいは太めにしておかないと、今どきのワルなみなさんには見えないよねー。
ともあれいろんな意味で「80年代のステキチぶり」が蘇るビデオですね!
そしてよい子のみんなは、「バッド」のロングバージョンを知っているかな?
このミュージックビデオ、なんとマーチン・スコセッシ監督によるものなのだぜ!
じつはロングバージョンについては、わたしは知らないでいて、友だちの家で初めて観たんですが、
「えーッ、こんな話だったの?」
とたまげましたよ。
正直いって「なんじゃ、こりゃー」と驚く珍品!
ザッと説明しますと、始まりは
そこの学生であるマイコーがクリスマス休暇で、故郷に帰るところから始まります。
まわりはプレッピーなお坊ちゃんばかり。
そして列車でグラセンに着いたマイケルは地下鉄に乗って、故郷の町に。
どうやらハーレムのよう。
そこで待っている幼なじみの三人組み。
なんと若き日のウェズリー・スナイプスが登場です。
「よく帰ってきたなー」
「元気だったかー」
と旧交を温める彼ら。
「ようよう、大学ではみんなカメのメガネをしているのかよ?」
と尋ねる友だちに、
「カメじゃなくて鼈甲のメガネだよ」
とコトバを正すマイコー。
ちょっと白けるみんな。
ハーレムに住む悪ガキたちと、インテリなマイコーの間には見えない壁ができているのでした。
そして悪ガキの親玉ウェズリーは、悪いことしようじゃねえかよー、とマイコーを唆すのです。
「ぼくのことはほっといてくれよ」というマイコー。
しかしウェズリーはしつこく食いさがり、
「なんだよ、古いダチを捨てるのかよ。
おまえの通っているナンジャッキーな学校がなにを教えているか知らないがな、
おまえはもうワルじゃないんだな?」
みたいないちゃもんをつけるわけだな。
仕方なく「ぼくだってワルだぞー」と証明したがるマイコー。
彼らは地下鉄の駅に行って、かつあげをすることにします。
そこにフラコラとやってくるおじちゃん。
マイコーは思わずおじちゃんを助けて「逃げるんだ!」と逃がしてやることに。
注)このあたりがナゾでハーレムのおじちゃんを狙っても、ぜんぜん儲けにならないと思う。もっと金持ちを襲うべきじゃないのか?
「なにやっていやがるんだ」と怒るウェズリー。
すると、じゃじゃーん!
なぜかマイコーはいきなり黒革ジャンに着替えて、どこからか現れたダンサーズを従え、群舞がスタート。
「オレはワルだー。ワルなんだぜー♪」
と歌うマイコー。
このときドンビキになっているウェズリーの表情がなんともいえずいいのだ(笑)
演技とは思えないマジなドンビキぶり!
そして唄って踊って、ホー、のかけ声。
マイコーの迫力に、さすがのウェズリーも「わかったぜ」と引き下がるのでした。
ちゃんちゃん!
いや、正しくは「わかったぜ」というよりも「これ以上係わりたくないなー」と思って引いたというべきか(笑)
巨匠スコセッシ先生、さすがにリアルな箇所の演出はすこぶるうまいです。
が、いきなりダンスシーンになるところの非現実感が、ものすごくミョー。
ミュージックビデオに必要な「前後の脈絡なく場面が変わる」というノリが、巨匠にはどうやらあわなかったもよう。
なんともいえず、ふしぎな作品にしあがっています。
このロングバージョンはめったに放映されず、今回のような機会でないと、なかなかお目にかかれないと思うので、ぜひチェケラウ!
マイコー・ワールドにシビれること、間違いなしですぜ!
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