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コラムニスト 黒部エリがニューヨークからお届けします。Blog by Eri Kurobe


by erizo_1
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被災地の女性たちを描くドキュメント「3.11 ここに生きる」

「後ろを振り向いてもしょうがない。
3月11日より前に戻りたいでしょう? でも戻れないから。もう前を向いて生きるしかないの」

そう語る被災した女性の姿が胸を打つドキュメンタリー、「3.11 ここに生きる」のプレス試写会があって行ってきました。
被災地の女性たちを描くドキュメント「3.11 ここに生きる」_c0050387_1455149.jpg

NY在住の我謝京子監督が、東日本大震災後の2011年夏に気仙沼、南三陸、石巻、福島などの被災地をまわって、そこに生きる女性たちに生の言葉で語ってもらったドキュメンタリー映画です。

3.11を題材にしたドキュメントのなかでも、この作品の特徴は女性にフォーカスしたものであるということ。

じつはわたしはこの映画の第一弾を、昨年の10月に東京国際女性映画祭で見たんですが、その時は会場内からすすり泣く声があがっていました。
こちらが映画祭でのようす。
被災地の女性たちを描くドキュメント「3.11 ここに生きる」_c0050387_14555725.jpg

この映画では被災地に生きる女性たちや、復興支援のボランティアにさまざまに係わる女性たちが登場します・

南三陸志津川病院で看護婦をしていたお嫁さんを津波で亡くして、孫たちを育てているおばあさん。
家が全壊してなくなった女性たち。
被災地の方たちが手作りしたタオルの「まけないぞう」を東京でサポートするペインクリニックの青木先生。

こちらは東京での映画祭にまけないぞうと一緒に応援に訪れた青木先生。
被災地の女性たちを描くドキュメント「3.11 ここに生きる」_c0050387_152757.jpg


またアメリカ人でありながら日本男性と結婚して東北に住み続けるアリソンさんも非常に印象的。

余震が続くなかで、夕飯の支度をしていながらも揺れが止まらず、不安と戦いながらも、
「いや、今日は絶対に味噌汁をふだん通りに作る、そう決心して作ったんです」
もはや祈りに似た気持ちで家族のために味噌汁を作るアリソンさんは、日本人以上に日本のお母さんを感じさせます。

この映画で感動するのは、女性たちがたくましくて強いこと。

被災者の方たちを描いているのに、むしろ観たこちらのほうが勇気を与えられるという映画でした。

冒頭のセリフをいう女性は、福島の強制避難地域に家があって、余儀なく避難生活をしながらも、
「女が元気だと国が栄えるから、女が元気なら大丈夫! 男は弱いから守ってやんなきゃいけないのよ」
力強い言葉をいうんですが、これがまたたくましくてカッコいい。

いや、男性が頼りないというんじゃないですよ。
たしかに日本政府の対応は頼りなかったですが、一般の男性が頼りないという意味じゃない。

そうではなくてお母さんたち、女たちというのは、どんな非日常的な事態が起きても悲しい時でも、まずは家族を食べさせなくてはならない、世話をしなくてはならない、そういう日々の営みをするからこそ、現実的でたくましいのではないかと思うのです。

この映画を作るにあたって我謝さんは「被災地の人をかわいそうという立場からは撮らずに対等に人として向き合うようにした」そう。

我謝さん自身が、2001年の9.11ではワールドトレードセンター近くにあった自宅から強制退去させられて、よぎなく避難生活を体験。

またかつて東京のテレビ局にいた頃は長期にわたって阪神淡路大震災の取材を担当していたという経験の持ち主です。

「私自身が911で被災した体験を話すことで、被災地の女性たちも心をひらいて話してくれました」という我謝さん。

この映画は「10年続けるプロジェクト」として、映画に撮った女性たちとはずっとつながりを持ち続けて、10年は撮っていくと決意しているといいます。

「たとえネガティブな経験からでも、そこからなにかを学んでポジティブにしていけることはあると思うんです」

被災地に生きる女性たちがなにを感じて、なにを考え、そしてなにを乗りこえながら生きているのか。
ぜひとも多くの女性、そして男性にも観ていただきたい映画です。

この良質のドキュメンタリーが評価されて、台湾、フランス、カナダなどでも上映されています。
今後の上映予定は下記のサイトをご覧下さい。

衛星放送チャンネルLa La TVのサイト「3.11 ここに生きる


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by erizo_1 | 2012-05-03 15:12 | カルチャーの夕べ