コラムニスト 黒部エリがニューヨークからお届けします。Blog by Eri Kurobe


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ホイットニー美術館の草間彌生展に行ってきたの巻

ホイットニー美術館で行われている草間彌生展回顧展に行ってきました!
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この展覧会では、貴重な草間彌生の幼少時の写真ジョージア・オキーフからの手紙、そして初期の作品といったレアなお宝アイテムが展示。

さっそく行ってきましたが、これがよかった!
見応えがあってお勧めです。

えー、大人気で行列ができているのでご注意を!
漠然とアメリカ人にはそれほど草間彌生といっても通じないんじゃないかと思っていたら、とんでもない、大人気で行列になっていました(汗)

展示は初期作品から、草間彌生がNYで芸術家として確立して、さらに現代に至るまでの道程を網羅。
このおもしろさは年代によって作家の精神的奇跡も辿れることでしょう。

幼少期から統合失調症で幻覚や幻聴に悩まされてきたという草間彌生。
初期の作品にはまさに震えるような精神が表現されていて、その暗く、孤独で、けれども独自の世界が目を惹きます。

その草間彌生が1959年に渡米してから才能を開花していくようすがおもしろいです。
これはNYに来た当時の草間さん、毛皮のコートがお洒落です!
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彼女のオブセッションである水玉や触手の増殖や反復
それを他の誰にも成しえない独自の表現としていく過程。

そして数々のパフォーマンス
当時はヌードになることがすなわち芸術になり得たわけで、ボディペインティングのパフォーマンスが前衛だったんですね。
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おお、これはブルックリンブリッジでしょう。
特にNYに住んでいたり、NYに詳しい人が見ると、あ、これはこの場所じゃないかとか、14丁目にギャラリーがあったのだとか、イーストビレッジを拠点としていたのだとかが判っておもしろいですよ。
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草間彌生のパフォーマンスを写真界の巨匠細江英公が撮影したスライドなんてのもあって、これがまたおもしろい。
撮影場所は今でもアベニューCにある発電所でしょうね。
車以外はほとんど光景が変わっていないのも興味深いところ。

今どきなら浴衣を着た女の子のパフォーマンスなんて珍しくないけれど、それを50年前にやっていた草間彌生の先見性には、さすがとしかいいようがありません。

そしてアーティストとして己の表現を確立したあと、一転して東京に戻って精神病院に自主入院してからの作品のあまりに暗くて陰々滅々とした表現。

それがまた一変して90年代に入ってからのテキスタイル、もしくはデザイン的に洗練された、いわばコマーシャルにも充分に通用する作品群。

そして最後に2010年代になってからの作品の明るさ、天衣無縫さ。
むしろ人生の最後に来て、弾ける明るさと、どこどこまでも自由で何にもとらわれない自由闊達さに感動します。
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それも初期から一貫して描いているものは変わらず、ゾウリムシのようなパターンだったり、水玉だったり、だったりするんですよね。

そのモチーフは一貫していながら、その時々によって表現が変わる。
作品から伝わる本物さが人の心に訴えるのでしょう。

いったん展示を見てから、再度最初から一周してみるのをお勧め。
ひとりの芸術家の精神の旅が感じられて感動もひとしおです。

ひとの人生というのは精神の旅であり、芸術とはまさに人間の内宇宙の表現に他ならない。
老年にあって天衣無縫な、天人の境地を得た草間彌生というアーティストのすごさに接することができる展覧会です。

ファイアーフライのインスタレーションは入館と同時に入れる時間を教えてくれますが、だいたい2時間待ちは覚悟して下さい。
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草間彌生回顧展
7月12日(木)〜9月30日(日)
Whitney Museum of American Art
945 Madison Avenue at 75th Street New York, NY
Tel: 212-570-3600
http://whitney.org/Visit/

水木土日:11am〜6pm
金:1pm〜9pm
月火:休館
入館料:一般18ドル、19~25歳12ドル、フルタイムの学生12ドル
金曜日の6:00pm~9:00pmは任意

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by erizo_1 | 2012-07-24 13:00 | カルチャーの夕べ