寒中水泳でレオさまオスカー本命か、「レヴェナント:蘇えりし者」
2016年 02月 29日

監督は『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』のアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ。
まるっきり名前が覚えられないのでアンチョコみて、書きました。
この人、もう今現在の最強監督っていうか、撮ってみたい放題ですね!
いや〜。すごい迫力なんですよ〜!!!
話は19世紀前半のアメリカ

毛皮会社のために、動物を狩る毛皮ハンターであるレオさまたちが、動物を狩っているところに、先住民のリー族の攻撃を受けて多くの仲間が殺され、命からがらに脱出。
そしてベースキャンプに戻る道すがら、なんとレオたんが熊に襲撃されてしまうのです!
熊に噛まれるわ、がしがし踏みつけられるわ、たいへんなことに。

からくも一命を取り止めて、仲間に担架で運ばれるのですが、裏切りにあってレオさまはたったひとり、大自然のなかに取り残されてしまうのです!
いやいや、ここまではネタばれじゃないのよ。
ここまでが起承転結の起なのよ!
ここからが見所なのよ!
武器もないまま大自然に残されてしまって、どうする!?
銃もないんだよ?
足なんて折れてぶらぶらしているんだよ!?
でもがんばるレオたん。前に、前にと進みます。
「あり得ないし!」と叫びたくなる過酷シーンの連続!
これはレオさま、念願のオスカーにリーチしましたね。
だってこれって演技力という範囲じゃないもの。
いわゆる「体当たり演技」というやつ。ただの体当たりじゃないよ、体当たり千回ノックくらいの体当たりよ。
「ひーえー。よくぞ、こんな過酷な撮影でがんばった」という徒労賞というべきですかね。

ご本人が「今までもっとも過酷な撮影」といっているだけあって、めちゃくちゃたいへんそう。
そりゃ「タイタニック」では凍死していたレオさまですが、あれはCGだからね。
この映画では、背景のCGはなし、ブルースクリーンなし、ガチに外ロケで、しかも自然光で撮影を敢行したんだとか。
凍りつくような川に浸かるって、どうよ!?
こんな撮影で「テイク2」とか「テイク3」とかあったら、マジ「監督、ぶち殺す」レベル。
しかも生肉食べているし!
雪のなかで全裸になっているし!
ほんと賞でももらわなくちゃやってらんねー! て撮影でしょう。
そして悪役のトム・ハーデイがいいんですわ!

すさまじく最低な男を、「でも、こういうヤツ、絶対に居るだろうなー」というリアルな演技で表現しています。
それにしても熊に襲われて重症を負って、そのまま野に放置されて生き残るなんてあり得なさすぎ! と思うじゃないですか。
ところが驚いたことにこの話、史実に沿っているのですね。
実在のグラスさんは熊に襲われて放置され、それから2ヶ月かけて、山中を移動して村に辿りついたという人物らしい。

もちろん映画は「史実からインスピレーションを得た小説」を踏まえているので、事実そのままではないし、映像的に脚色されています。
ピタ@旦那は、
「はっきりいって、SFファンタジー映画以上に、物理的にあり得ないことの連続」といっていましたが(苦笑)まあ、映画だからね。
ネタバレになるからいいませんが、ラストも史実とは違っています。
映画は映画でドラマツルギーがあってよいのですが、史実のほうは、さらに人生は予測のつかないことの連続、という感じで感慨深いです。
この作品でゴールデングローブ賞を受賞したレオさまは、「この賞を先住民のみなさんとわかちあいたい」とスピーチ。
ふと1972年の『ゴッドファーザー』でアカデミー主演男優賞に選ばれたマーロン・ブランドのエピソードを思い出しました。
マーロンは「インディアンをはじめとした少数民族に対する人種差別への抗議」を理由に受賞を拒否したんですね。
いまから考えるとマーロン・ブランド、人権意識先取りですね。
もちろんレオさまにはオスカー受賞拒否はあり得ないわけで、当然受けとるでしょう!
ていうか、ここまでやってオスカー獲れなかったら、会場でテロ起こすレベル!
オスカーというのは、「そこまでやる?」をやらないと獲れないものと決まっていますからねー。
これで逃したら次はさらに厳しい「そこまでやる?」を越えなくちゃいけないんだから、今回で獲らせてあげたいものです!

映画には大自然の美しさと過酷さ、不屈の精神、自然光の色合い、自然と共存して生きる先住民と乱獲をする侵入者たち、思わせぶりなスピリチャル、といったさまざまなモチーフも盛られていますが、なにはともあれ、
「うわー、レオさま、よくやるなー!」
という一点に収れんされる物語です。
作品としても断トツおもしろかったです!
まずは見て損なし!
追記: レオさま、ついに主演男優賞獲得しましたね!
苦節6回め!
くー(T_T)
おめでとうございます!!!!
いやー、暴動が起こらなくてよかった。
そして過酷な撮影の反動か、かなりリバウンドした太め体型でしたが、ともかくよかった、よかった!


