『2046 』 映像耽美系の文芸作品
2005年 08月 26日
ウォン・カーウァイ監督による豪華キャスト超大作文藝作品です。
「花様年華」がすばらしくせつない名画だったので、激しく期待して劇場に足を運んだんですが……。
うーーーーぬーーーーー(長い唸り)
私はよくついていけなくて、すいません、途中で眠くなりました。
物語は、1967年の香港。ストーリー展開としては「花様年華」の後日談にあたるもの。
もと新聞記者のチャウは、あるホテルの2046号室に泊まり、『2046』という近未来小説を書き始める。
主人公の日本人男性は美しいアンドロイドが乗務員をする列車に乗り、「失われた恋」を探しに、時が止まった都市「2046」へ向かう。
そしてチャウは物語を書きながら、過去の女性たちとの恋の遍歴を思い返していくのだが……。
このプロットだけ聞けば、充分に期待させるし、現実と小説世界がシンクロする構成もネタとして悪くない。
役者陣は豪華に、トニー・レオン、コン・リー、チャン・ツイイー、木村拓哉と揃っている。
コン・リーはやっぱりうまいねえ。ツイイーちゃんはまさに今を盛りと咲き誇って、ほんとうに美しい。
映像はたいへん美しく、構図といい、色彩といい、どこをとっても画になるものばかり。コスチュームデザインもたいへんよかった。
でも全体のまとめかたに求心力がないので、エピソードがばらばらになったまま、散漫な印象に仕上がってしまっているような。
話のつなぎかたに、一本の糸が通っておらず、ほどけてしまっているような仕上がりというべきか。
やはり前作がよかっただけけに、このSF的な展開はちょっとわたしにはストライクではなかったです。
でもカーウァイ監督の世界が好きなファンにとってはたまらないだろうから、映像耽美派むけってことで、どうぞ。
ちなみにニューヨークでは「2046」はほとんど話題にもならず、インディーズ映画館での上映のみ。
ハッ。ということはトニー・レオンや木村拓哉も、アメリカでは『40-Year Old Virgin』(40歳の童貞)に勝てなかったってことなのか。
がーーーーーーん!