NYで「女性のマーチ」ピンクのネコ耳帽子がマンハッタンを埋めつくす!
2017年 01月 23日
ワシントンDCでは50万人、NYでは20万人人の規模になったとか。
当日、集合場所に近いグランドセントラル駅に行ってみると、うわああああ、駅から大混雑になっていて改札が通れない!
なんじゃ、こりゃーーーーー!!!!
そして友達とパレードに参加しようとしたら、ひええええ、とんでも人混みになっている。
ピンクの「プッシーハット」をかぶっている人たちがいっぱい!
うおおおおお、5番街がデモ隊で埋めつくされている!
動けない。
こんなの見たことない!
ハローウィンのパレードどころじゃない大人数。
女性のマーチとはいうものの、実際には家族連れもいっぱい。
子どももいっぱい!
男性もいっぱい!
コスプレ派も!
平和な行進で、警察官もフレンドリー!
こちらは五番街のマイクロソフトショップ2階から眺めた光景です。
うおおお、なんという人の波!
すごい、すごいわ!
そして面白かった!
というのは、ニューヨーカーがクリエイティブだから。
アメリカ人というのはプラカードを作り慣れているんでしょうか、よくまあ、こんなことを考えるよ、というプラカードがいっぱいなんですよ。
わたしも前夜にプラカードを作ってみたんですが、意外とむずかしくて、ジミなプラカードになりました。
ところがアメリカンは違ったね。
主張も個性も激しい!
プラカードを見ていくだけで面白いので、ご紹介しましょう。
まず多かったのがプッシーがらみ。
プッシーには仔猫という意味と、女性のあそこという意味がありますが、デモでそんな言葉が出ることはかつてなかったこと。
これはトランピーが、かつてテレビ局のオフレコで、
「有名人になったら、女のプッシー=おま○こなんか掴み放題」
と口走ったテープから発したもの。
それに女性から、「ふざけんな」と大反発を受けたわけです。
そこから立ちあがったのが、プッシーハット運動で、女性たちがピンクのネコ耳ハットをかぶることで、トランプの男性上位主義、女性をセックスの対象としか見ずにセクハラをする行為に「NO」を表明。
「プッシーが掴み返してやる!」
つまり女性たちが差別野郎のタマを握りつぶす、みたいなニュアンスですかね。
「触らないで」
という言葉と共に仔猫ちゃん。
赤ちゃんと一緒だと、かわいさも引き立ちますね。
肉球に話して
これはアメリカ人がやるポーズで、相手が何かいっている時に手のひらで遮るという仕草で、「talk to the hand」というんですね。トランプ大統領に対して、
「おまえの話は聞いてない」
という意味なんですが、それを肉球におきかえたサイン。
しかしよくこんなネコの手があるものだなあ。
フェミニズムの逆襲もいっぱい。
ナスティとは「汚らしい」とか「卑劣な」といったこと。
選挙戦の最中に、トランプがヒラリーを「Nasty woman」とこき下ろしたことがあったことから、反対に女性たちが、
「は? ナスティですが、なにか?」
「オンナがナスティだったら、いけないってわけ?」
と反撃が行われたわけです。
「ナスティで誇りを持っている」
右側の「私の体は私の選択」は、プロチョイス(人工中絶は女性本人が決められることで、州に禁止されることではない)のスローガン。
うお、子宮が中指立てているプラカード。
「子宮がないものがつべこべいうな」
これは共和党の保守本流が、「人工妊娠中絶禁止」を掲げていることから。
男性議員に、女性の体の権利について決める権利があるのか。
女性の体は、本人の判断に任せよ、という意思表示。
おっぱいで女性の体は女性のものと示しているプラカードです。
女性の権利は、人間の権利。
当然です。
「ミス・オジニィ」とありますが、これはかつてトランプがミス・ユニバース大会を主催していたことと、通して読めば「Misogyny」で、女性蔑視の意味。
オンナ好きであっても、女性を性の対象としか見ていない男はミソジニストと呼ばれます。
これはとてもよくできていて良いと思ったプラカード。
「我々は見張っている」
とホワイトハウスを見つめている目。
これはトランプ政権についてだけでなくすべての政権に対していえることですね。
ブッシュ政権の時もオバマ政権の時もこうした動きはあまりなかったけれど、
「民主主義は国民がもっと政権を見張らなければならないものなのだ」
と気づくキッカケになったのは、かえってよかったかも。
こちらも考えさせられるメッセージ。
Dissent is patriotic
「異議を唱えるのは、愛国的なことだ」
政権がいうことに従うばかりでなく、時に異議を唱えることも反対意見をいうことも同じく国を思う愛国的な行動なのだということ。
これは日本でも使いたいスローガンかもしれませんね。
LGBTや同性愛へのサポートも多いです。
「LGBTの権利のために立ちあがります」
わー、きれい!
子どもって学校で図画工作をしているせいか、ポスター作らせると、うまいよね。
ペンス副大統領はアンチ同性愛として有名。
オバマ政権でせっかく同性婚が合法化されたのですから、ここで時代を逆もどりさせたくないもの。
ヘルスケアに対する懸念も見かけられました。
就任後、最初にオバマケア撤廃にむけてサインをしたトランプ大統領。
「あんたの小さい手で、私の健康保険に手をつけるんじゃないよ!」
このトランプの「小さい手」というのはアメリカではジョークの対象になっていて、たしかにトランプ氏、体がデカいわりに手が小さく見えるんですね。
それも演説中に手が目立つような動きばかりする。
で、アメリカでは男性の手のひらというのは男性器のサイズに比例するという俗説があるのです。
つまり小さい手の持ち主はあそこも短小に違いない、からかいの意味も含まれているわけです。
選挙の時にトランプが掲げていた「移民規制」「アンチ・イスラム」に対して「NO」を訴える人も多いです。
「再びアメリカを偉大にするというなら、インディアンたちにすべてを返すべきだ。
残りのすべての私たちは全員が移民なのだから」
ごもっとも!
「イスラム教徒の命も大切だ」
2016年に大問題となった警察による黒人の射殺に対する抗議スローガン、ブラック・ライヴズ・マター Black Lives Matter にひっかけたもの。
トランプとロシアの親密な関係を揶揄するプラカードもいっぱい。
トランプがロシアの銀行から融資を受けている上に、今回の大統領戦には、ロシアがハックしてトランプに有利に動いたという疑惑も出ているため、多くの人たちがプーチンの操り人形ではないかという懸念を表明。
プーチンはさかんにヨーロッパの右翼勢力に近づいて資金提供しているという話もあり、トランプがメルケル首相を批判したり、NATOを時代遅れといったりするのは、あれ、なんだかプーさんに好都合な発言ばかりじゃないか、という疑問も生まれますわね。
かなりキビしいアンチもいます。
アメリカン・ファシストのサイン。
おおお、これはうまいぞ。
自分で描いたそうです。
イラストレーターやアーティストは腕の振るいどころですね。
これはうまい!
すぐさまトランプとわかるシルエットに、彼の口癖であるWRONG(間違っている)をひっかけて、彼自身が間違っていると切り返しているもの。
「人種差別主義であるのをなでつけて隠すことはできない」
comb over というのは櫛で髪をなでつけることですが、日本語でいうバーコード頭、髪が少なくなったおじさんがムリになでつけてハゲを隠すことをいいます。
髪はコームオーバーでごまかせても、人種差別の本性は隠せないという指摘です。
よくまあ、考えつくもんです。
こちらのお母さんはかなり激しく罵っていますが(汗)英語の罵り方の勉強になるので、解説を。
Thin skinned (ツラの皮が薄い)
Racist(人種差別主義者)
Unqualified (不適任な)
Misogynist(女性蔑視者)
Pussy Grabber(おま○こ掴み野郎)
日米の感覚が違って興味深く感じるのは「ツラの皮が薄い」というのを悪口にしているところでしょうか。
アメリカでは「ちょっとのことですぐ騒ぐ」「神経過敏」な人のことを意味して、トランプが誰かに批判されるとすぐツイートして、その相手をぼろくそに叩くのを止めないことを指しているようです。
なるほど、アメリカでは動じない人のほうがタフでカッコいいと思われるよう。
そして、ついつい笑ってしまうのが、おちゃらけプラカード。
うはははは。
うんこ帽子をかぶった人たちが、うんこトランプを書いて、
「トランプをごみ捨てしろ」
と揶揄している
こういうことをやらせると、アメリカ人はムダにおもしろいよね。
うわははは。
熟年世代の女性がこれを作って掲げているというところがまたね。
いや、政治家の見かけをからかったらいかんとは思いますよ。
しかしなんでまあ、これほどマンガ的なルックスの人物が大統領まで登りつめたのかというね。
トランプのアメリカの戯画みたいなルックスがここまで支持者もアンチも含めて影響をおよぼしているのはたしかであって、キム・カーダシアンと並んでテレビ番組が生み出した、時代のキャラではありますね。
ナイスでポジティブなメッセージもいっぱいあります。
「アメリカを再び親切にしよう」
「アメリカが再び考えるようにしよう」
そしてきわめつけはこれでしょうか。
「こういうサインを作り続けるのには、飽き飽きしたわ」
ですよね!(笑)
プラカードを作らなくてもよくなるに越したことないわ。
五番街にずらりと並ぶ有名ブティックもガラ空きで、店舗のなかから店員さんが外を歩く大人数の人たちを、まるで「水族館でマグロの回遊水槽を見物している人たち」みたいな様子で見ているのがおかしかった。
せっかくの土曜日が商売にならなくて気の毒でしたね。
デモの終点はこちら。
55丁目から先はブロックされていて、トランプタワーまで行き着けません。
停まっていた警察の車両にも、たくさんのプラカードやメッセージが。
いやー。NYの人たちがこれだけ集まって歩くのは、すごい一体感!
やっぱりこういうところNYはいいなー!
選挙で選ばれた大統領なのですから、こきおろすのはフェアではないと思いますが、大事に思うことは意志表示したいもの。
今回の大行進は全米各地で、なにより平和に行われたのがよかったです!
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