是枝監督の「万引き家族」をニューヨークで鑑賞!
IFC映画館に30分前に行ってみたら、びっくり!
なんと−!長蛇の列ができているじゃないですか!
マジで!? ハリポタでもないのに並ぶ?
客層はほとんどアメリカ人。
いかにもインディ映画が好きそうなニューヨーカーの典型、インテリそう、トランピーが嫌いそう、ベーグル好きそう、ハリウッドのアクション大作とか嫌いそうな人たちが結集していて、思わず周囲のアメリカ人に
「樹木希林って知っています?」
「まんぷく見ています?」
と聞きそうになりました。
いやー。カンヌのパルムドールの威力はすごいんですねー。
なんとアメリカのロットントマトでは99%の高評価。
ニューヨークタイムズをはじめとして評論家もベタ褒めです。
作品のほうは是枝監督の「誰も知らない」にとても似たテイストと展開で、見捨てられた人たちが寄り沿っていきるようす、そのなんとも貧乏くさい生活感とかとか、ずるずると麺をすする食事風景とか、子どもの汚れた服とか、そこに流れるデリケートな心情がまさに是枝ワールド。
なんたって樹木希林がうまい、うますぎる!演技しているように見えない神演技!
そして安藤サクラがうまい!安藤サクラさんは「百円の恋」でシビれましたが、本当にこの人はすばらしい。
ケイト・ブランシェットが激賞した「泣く」シーンも、本当に名場面。
リリー・フランキーも情けなくていい。
ちょっと弱い感じとか、小ずるい感じがよく出ていて、ものすごいリアルさ。
柄本明もほぼワンシーンながら、さすがの存在感。
男の子の顔立ちが、なんとなく昔の柳楽優弥に似ているのも、監督の好みなんでしょう。
社会から見捨てられた人たちが本当の家族よりも強く寄りそうというのは、国を越えて今「わかる」テーマかと思います。
エンディングでは拍手があがるという感じではなかったですが、おそらく最後のカットの、なんともいえず消化できない感じのせいでしょう。
そのひとつ前のシーンで終わらせずに、解釈を観客にゆだねて終えたのが、是枝監督らしいです。
これはアカデミー賞の外国映画部門で賞を取るかもしれませんね。
NY市内で上映されているのは以下の二箇所。