メットの「キャンプ」ファッション展開催!ビヨークと志村けんの差は何?
2019年 05月 10日

メトロポリタン美術館で毎年話題をあつめるコスチューム・インスティチュートの新展覧会
「CAMP:Note on Fashion 」が開催!
今季のテーマは「キャンプ」。
といっても、テント張るほうのキャンプじゃないですよ。
こちらの「キャンプ」は様式のこと。
アメリカの作家/思想家のスーザン・ソンタグが、1964年に書いたエッセイ『キャンプについてのノート(Notes on"Camp")』をテーマにしています。

ソンタグはキャンプ様式を「不自然なものへの愛、巧妙に逸脱したものや誇張したものへの愛」と定義していています。
皮肉たっぷりでユーモラスであったり、あるいは極端なものであったりするド派手なスタイルであり、パロディやパスティーシュ、誇張や過剰、引用などを用いた、メタ・ファッションともいえます。
「キャンプ」の日本語訳はないのですが、大まかに「悪趣味」「やりすぎ」「社会風刺にとんだ」「反骨的な」といった概念と考えていいかと思います。
では、具体的にどういうのを指すかといえば、むしろ展示作品を見たほうが早いですね。

こちらはコム・デ・ギャルソンの髙橋真琴オマージュの服!

キョーレツ!
「シャイニング」の双子オマージュのドレスも恐い!
大人があえて子供のモチーフを着るというキャンプ趣味ですね。
右側は、カルディBがグラミーの時に着ていたドレスで、ミュグレーのビンテージです。

こちらはトロンプルイユ

肉襦袢としかいいようのないファッション。

昨年のカトリック宗教をテーマにしたモード展は、まさに天上に誘われるような美しさがありましたが、今年は思いっきり地上的です(笑)
面白い、ウケる、ブラックジョーク満載という意味では非常に見応えのある展覧会です。

カンヌで物議をかもしたビヨークの白鳥ドレス。

すごー!
「じゃあ、志村けんもキャンプなのか? ビヨークの白鳥と、志村の白鳥の差がわからない」
というツッコミもあるかもしれませんね。
鋭いご指摘です!
「だったらナスの着ぐるみを着るのも、キャンプなのか?」
むーん。たしかに、その境界線は曖昧ですなー。
ハッキリいって仕上がりは同じような感じだと思います〔笑〕
しかしながら違うのは、その意図ではないでしょうか。
もし「お笑い」のために考案した服装なら、「笑える」という結果を引き出さなければ失敗ですよね。
また「仮装」であれば、いかに似ているか、いかに秀逸なアイデアを盛りこんだか、というところにジャッジがかかるわけです。
一方、ビヨークは(少なくとも本人は)笑いを提供するために着たんじゃなくて、モードの概念を打ち壊すつもり、カンヌの「美しく着飾った女優たち」のパターンに反旗をあげるつもりで着たんじゃないでしょうか。
世の中の「約束ごと」「良識」「シック」をくつがえしてみせるのがキャンプであって、「物議をかもす」というのが大きなポイントといえそうです。
プレス記者会見では、グッチのアレッサンドロ・ミッケーレがスピーチを!
グッチは今展覧会では大きな協力をしているそう。

アレッサンドロのグッチといえば、まさにキャンプ趣味。
今まで「女らしさ」とか「男らしさ」といっていたもの、シックな組み合わせと考えられたものが、ぐちゃぐちゃに混ぜられたわけです。
グッチというメゾンで、シックとは真逆にある、ギーク(ダサ坊)やナード(オタク)を取りこんだというのも画期的です。
「キャンプは、まさに自分のこと。キャンプとは、自由であること」
とアレッサンドロ。
変な格好をすればキャンプかというと、そうでもなくて、やはりそこには「社会に挑戦する」スピリッツが欲しい気はします。

さてさて、ファッション界の関ヶ原の戦いともいえるメット・ガラですが、今年はこのこの「キャンプ」がテーマ。
うわー。もうこのテーマだけで、地雷だらけの野を行くようですー!
てことで、恒例のレッドカーペット編に続きます!
Camp: Note on Fashion
~9月8日まで開催
The Metropolitan museum of Art
所在地: 1000 5th Ave, New York, NY 10028
開館時間:10:00~17:30(日曜〜木曜)10:00~21:00(金曜土曜)



