映画「新聞記者」がNYで満員上映、アメリカ人観客が笑ったところは?
2019年 07月 28日

映画「新聞記者」がニューヨークのジャパンソサエティで上映されて観てきました。
海外初公開!
会場は満員。当然ながら日本人の観客が多いのですが、意外やアメリカ人の姿も目につきます。

内容は、権力の闇に迫る新聞記者、そして職務と人間としての良心との板挟みになる、内閣情報調査室のエリート官僚をめぐる物語。
この映画に出てくる内閣情報調査室がじつに怖い。
政権に不利な人物にはスキャンダル容疑をリークしたり、野党とのつながり図を作成して流したり、偽アカウントで大量にツイートをしたり、政権反対のデモに出た市民たちの身元を洗ったり。
フィクションではあるのですが、どこまで真実もあるのかわからず、なんとも不気味。
アメリカでは昨年ディック・チェイニーを主人公にした「バイス」(Vice)という映画があったんですが、こちらはよくまあ、ディック・チェイニーやブッシュ元大統領から抗議が来なかったものだ、と思うくらいの描き方。
それに比べると「新聞記者」は、ああ、これは前川文部次官だなとか、森友公文書改ざんで自殺した財務省の職員だなとか、伊東詩織さんだな、加計学園だなと彷彿させるけれど、そのものズバッとではなく、名前も架空です。
伊藤詩織さんをモデルにしたと覚しき「首相と仲のいいジャーナリストからレイプされた女性」が出てくるんですが、演じた女優さんが詩織さんによく似ていました。
内容は重いです。アメリカの政治映画では必ずジョークもふんだんに入っていますが、この映画にはその要素もなく、ひたすら重い。
ところがアメリカ人の観客は笑うんですよ。
上司が無茶ぶりをしながら「これも国を守る大事な仕事だ」と言い切るセリフに笑ったり、「この国は民主主義のフリをしておけばいいのだ」というセリフに笑い声があがったりする。
「え、そこ笑うところ?」
という場面で失笑が起きるので、アメリカ人観客は、これを諧謔と受けとめているのでしょうね。
アメリカの観客には、日本社会の同調圧力はブラックジョークのように映ったのかもしれません。
いろいろと考えさせられる、というだけでも観る価値絶対にあり!
今、ぜひ観たほうがいい作品です。


