
2月7日に行われたスーパーボウル。
スーパーボウルの中継では、特別なコマーシャルが出ることで有名ですが、何よりもすばらしくて印象に残ったのが、トヨタのコマーシャルでした。
主人公は、競泳のジェシカ・ロング選手。
アメリカの選手です。

パラリンピック競泳ゴールドメダリスト選手で、4つのパラリンピック競技に出場し、23個のメダルを獲得したという偉業の持ち主です。
ロング選手は泳ぎ出すと、彼女の過去にさかのぼっていきます。
この泳いでさかのぼるという設定がまずすばらしい。

養子エージェントが電話をかけて
「ロングさんですか?」
と尋ねています。
「養子にできる女の子の赤ちゃんが見つかりました」

「ただしお伝えしておかなくてはならないことがあります。 この子はシベリア生まれで、稀な障害を抱えています」
「両脚は手術で切断する必要があります」

「こんなことをお聞きになるのはおつらいでしょうが、彼女の人生は決してやさしいものではないでしょう」

受話器を手にしたまま黙っているロング夫人。
「ロングさん?」
そこで夫人は、こう答えます。
「決してやさしい人生ではないでしょう、けれどもすばらしいものであるに違いありません」

「彼女に会うのが待ちきれません」

「私たちは、すべての人のなかに希望と力があることを信じます」

広告じたいには一切車は出てこないながら、とても力強い広告。
オリパラリンピックのチーム・アメリカのスポンサーとしてのメッセージ広告となっています。
ロング選手は実際にロシアの生まれで、生後13ヶ月でアメリカに養子縁組されて、ボルティモアで育ち、それから水泳選手として金メダルに輝いた人物。
彼女がロング家に引き取られなかったら、今日のロング選手は存在しなかったわけで、障害があっても引き取った養父母の心の広さ、そして本人の努力と、すべての人に可能性があることのすばらしさを感じます。
わが家でも養子を迎えるための申請をかつてしたことがあるので、重度の身体障害があると、あらかじめわかっている子を喜んで迎えるロング夫妻の勇気と決意と愛に感服します。
人間には計りしれない可能性があり、希望があることを感じさせてくれて、胸アツになる広告です!