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コラムニスト 黒部エリがニューヨークからお届けします。Blog by Eri Kurobe


by erizo_1
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カテゴリ:カルチャーの夕べ( 69 )

「私がNYを選んだワケ」パネル・ディスカッションの続きです。

そしてもうひとり印象的だったパネラーが伊藤操さん。
操さんは80年代からNYファッションを報道し続けてきたNYファッションジャーナリストの草分け的存在。

2001年から日本版ハーパースバザーの編集長に就任したという、ファッション/メディア業界では著名な方です。
自分にとって物語の舞台がNY_c0050387_13254423.jpg
photo by Koji Akita

その操さんが編集職を辞められたのでどうしたのかと思っていたら、なんとお体を悪くされたとのこと。

病のことも率直に語られながら、またNYに戻るという選択をしたというガッツに拍手を送りたくなりました。

体力が落ちた時に海外に住むという選択をするのは容易ではないことで、操さんのなかにはよほど強いパッションがあったのでしょう。

「自分にとっての物語の舞台がNYだから」
という操さん。

既に80年代のNYを舞台にしたラブストーリー「私をみつけて」も出版していて、
「東京では書きたくなるものがなかったけれど、NYでは書きたくなることがたくさんある」
と創作意欲もまんまん。

ちなみに8年間過ごした日本では、「残念なのは、日本の男性がセクシーではないこと」だったという操さん。

このセクシーというのは、女性一般に対する気遣いということで、ルックスやセックスアピールのことじゃないですよ。

簡単にいえば、エレベータでは女性を先に通すとかドアを開けるとか、ドアを抑えているとか、ベビーカーを持ったお母さんが階段にいたら手伝ってあげるといったこと。

たしかに日本では、ことに年配の女性に対するレディファーストは非常に少ないですね。

NYでも南米からの移民者たちは女性に対してドアをあけますが、中国からの移民の人たちはエレベータでも男性が先に下りてしまうし、ドアも抑えない。

レディファーストの習慣がないのだから、彼らが失礼なわけじゃないんです。
でもそれはセクシーじゃない、という言い回しはよくわかります(笑)

「NYでは年齢を忘れてチャレンジできる」という操さん。

その言葉どおり溌剌とミニレングスのスーツを着こなしている操さんがとても印象的でした。

操さんはこちらのブログ「伊藤操のNY DIARY」も発信しています。
ファッションやアートの話題が好きな方はぜひどうぞ!


amazonで見てみる

自分にとって物語の舞台がNY_c0050387_1628359.jpg
私をみつけて









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by erizo_1 | 2010-01-25 16:34 | カルチャーの夕べ
NY私の会」のパネル・ディスカッションに行ってきました。

まず我謝京子さんが監督した映画「Mother’s way Daughter’s choice 母の道 娘の選択」の予告編を上映。

我謝さんはロイターに勤務する傍ら、インディペンデントにドキュメンタリー映画を撮り始めて5年かけて制作したそう。
あなたは日本に暮らしていて息苦しかっただろうか?_c0050387_16283955.jpg

第22回東京国際女性映画祭でも上映されたそうです。

こちらのimdbのサイトで予告編が観られますよ。

予告編が始まったとたんに、ミステリオの寺尾のぞみさんやNY de Volunteerの日野紀子さんなど、存じ上げている方たちが出てきて、思わず目が釘付けに。

日本で生まれ育ちながら、日本を飛びだして、海外での人生を築くようになった女性たち。

家庭を守る良妻賢母であった母親の世代と、自分らしい生き方を選んできた娘たちの世代。

「日本では窮屈で息ができなかった」
「日本では幸せのシナリオがひとつしかなかった」

こうした言葉の数々はどれも痛いくらいよくわかる。
そして思わず膝ポンしたのが、我謝さんが次のように語っていたコメント。

「日本にいると、自分を殺すから苦しいんだよね。
じゃあ、アメリカに来て自分をバーンと出せるかっていうと、そうでもなくて、
周りがバンバン自分を出すから、
意外とそこで日本人になっちゃって、引くのよね」

ある、ある、ある!
もう「あるある」ボタンを押したかったですよ。

海外に自分の意志で来て長年住んでいる人たちは、ほとんど同じことを感じているのではなかろうか。

この「日本にいる時に窮屈な思いをした」というのが、はたして男性も感じるものかどうかはわからない。

でも30代後半以上の女性で、海外在住のひとたちはこの感じを確実に知っているでしょうね。

今どきだったら女の子のほうが楽しくて、のびのびと好き勝手できて、多くの草食男子たちは「オンナは得だよな」と不満に感じているかもしれないね。

でもわたしの若い時はそんなじゃなかったです。

家事をすべてこなすのは女性の役目である」
とか
お茶を出すのも仕事としてにこやかにこなせるのが、できる女性である」
とか
「男は遊んでもいいが、女性は清純でいるべきだ」
とか
セクハラや冗談をいわれた時に、軽く流せるのが大人の女である」
とか
「女性は掌の上で男を遊ばせる器量がなくてはいけない」
とか
「女性は男をたてるべきだ」
とか、どうでもいいようなことがまことしやかにいわれていたのだ。

じつにくだらない

つまり寛容さにおいてはイヨーに成熟した年寄りくさい女性が、なおかつ清純なフリして男をたて、男に従うというのが社会的に正しいとされていたんだね。

そんなおもしろくもない人生を歩むくらいなら、一生独身でけっこうと思ったよね。

いやいや、それどころか朝まで生テレビで「妻を働かせる男は甲斐性がない」と堂々と当時の識者がいっていたんだよ。


ファック・ユー! である。


中指突きたてて、くそ野郎といってやりたい。

わたしの人生選択において、これは正しかったと満足できるのは、くそオヤジたちに茶を出さないで済んだことである。

わたし自身はライターになってから、編集部のおじさんたちにイヤな思いをさせられたことは一度もなく、おもしろいひとたちと仕事をしてこられて、本当によかったと思っている。

仕事の上で「女性だから」損をしたことはないし、差別されたこともない。
わたしは仕事での師匠もすばらしい男性で、恵まれていたと思う。

でも社会全体を覆う、その良識みたいなものは息苦しかった。

真綿でじわじわと締めつけられる感覚。
わかります?

だって当時は上記のようなことがフツーに良識とされていたんだよ?
やってらんないでしょ、それ。

だからこの映画のなかでコメントしている女性たちの意見がすごくよくわかるのだ。

海外に出てみれば日本文化のすばらしさがよくわかる。
日本の文化は世界でも類を見ないほど、高度に洗練されている。

わたし自身はとても日本の文化を愛しているし、帰国するたびになんてきれいで、食べものがおいしくて、人々が丁寧な国だろうと感心する。

でもかつてのジェンダー意識のなかで日本に暮らすのは、死ぬほど窮屈だった。
あのまま暮らしていたら、確実に精神の病で壊れていたと思う。

もちろんそのジェンダー観や結婚観にあうひとだったら、なんら問題はないのだ。
でもわたしには合わなかった。

だから飛びだしてよかったし、まったく後悔はないですね。

NYに住みはじめて5ヶ月で911の同時多発テロに遭遇したという我謝さん。
その時に知ったのが、いろんな人との出会いだったとか。

「NYではいい意味でお節介なひとたちがたくさんいる。
血のつながりがない他人が助け合おうとする、そうした人たちとのつながりが、NYで得たものです」

この映画をさまざまなところで上映していくのが、我謝さんにとっては目下の目標。
そして今後もドキュメンタリー映画を撮っていきたいという。

「日本を出てわかった見直したと、NYで得たダイナミックな自分日本文化のよさを合わせて、どんな新しいものが生まれてくるのか、これからの課題です」

非常に共感です!
話を聞いているだけでポジティブなパワーをもらえる我謝さんでした。

この「母の道 娘の選択」は、4月にNYのインディペンデント映画祭で公開されるらしいので、とても楽しみです。

伊藤操さんのお話は次回に続きます。


追加)上記記事についてちょっと補足をしておきます

ある共同体にいて息苦しさがあったとして、じゃあ外に出ればなんでも解決するのかといったら、そんなことはないと思うのですね。

わたしの場合でいえば、当時の大人たちがいうジェンダーの常識が一歩外に出てみたら、決してスタンダードじゃないんだというのに気づけたのが、貴重な体験でした。

なによりもまず「合わせられない自分が失格なのだ」という意識が払拭されたのが大きかった。

そしていったん払拭してみれば、どこにいても自分が自分らしく生きられるものなんだと思います。

ある共同体における常識は、違う共同体では必ずしも常識ではない。
それを実感するには、一度外に出てみるのはたしかに有効。

旅行や短期留学でまったくかまわない。
外に出なくてもわかる賢い人もいるだろうし、そのまま外に留まるか、あるいは戻るかという選択もまた別問題でしょう。

でもいったん頭の枠を外してみるという作業はとても大切。
若いうちにやってソンはないですよ!


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by erizo_1 | 2010-01-24 16:33 | カルチャーの夕べ
ざーん!
NY在住のみなさんに、NYで生きることをめぐるパネル・ディスカッションのお知らせでーす!

NY私の会:第2回パネル・ディスカッション
私がNYを選んだワケ:NYで得たもの、失ったもの

主宰は「NY私の会

発起人のみなさんたち(等々力雅彦、大竹秀子、森光世、河内真帆、杉本佳子、吉藤美智子:敬称略)はみなNY在住歴20年前後というベテランたち。

NYで生きることを選んだ日本人たちが、互いの経験をわかちあい、考えるヒントをシェアすることを目的として、発足されたそう。

そのパネル・ディスカッションが行われます。

月日:1月22日(金) 午後6時半-8時半 (受付開始午後6時15分)
場所:イベントスペース 「440 Lafayette」 #4D

440 Lafayette Street, New York, NY 10003
最寄り駅 地下鉄6番(Astor Place)、R(8th Street)
料金:7ドル

パネラー: 
我謝京子(米ロイター報道記者、映画「母の道、娘の選択」監督)
竹永浩之(主夫、育児グループ「アップルキッズ」世話人)
伊藤操(ライター、ファッションジャーナリスト)


ニューヨークになぜ私たちは来たのか。どうして日本を出たのか。なぜNYに住み続けるのか
こうした疑問から我謝京子さんは自身の体験と、NYに住む女性たちに焦点をあてドキュメンタリー映画「母の道、娘の選択」を制作しました。
当日はこの映画の予告編を上映します。

竹永浩之さんはNYに学生としてやってきたあと、新聞記者勤務を経て、NY市における日本コミュニティ作りに育児グループ作りに係わってきています。

伊藤操さんはファッションジャーナリスト、編集者としてNYを拠点に活躍されていましたが、2001年から日本に帰国した後、ハーパーズ・バザー日本版の編集長として活躍。
2009年10月、再びNYに拠点を移して活動を。

この三人のパネラーにNYでの人生、日本での人生、それぞれの経験談をお話しいただきます。

●お問い合わせ、参加申し込み:nywatashinokai@gmail.comまで(当日参加も可ですがなるべくRSVPお願いします)。

2次会:焼酎小料理屋「うみのいえ」にて
パネル・ディスカッション終了後に、お時間のある方はパネラーの方々と飲食しながら歓談する機会を設けます。飲食代は各自負担となります。

ーーーーーーー

パネラー各氏略歴:
我謝京子(がしゃ きょうこ) 1987年テレビ東京に入社、2001年4月、ロイターアメリカに就職、9月の同時テロ後に、自主制作映画に着手。同作品「Mother’s Way, Daughters’ Choice 母の道、娘の選択」は第22回東京国際女性映画祭招待作品に選出。

竹永浩之(たけなが ひろゆき) 学生、新聞記者勤務を経て、主夫に。NY日系人会の育児グループ「アップルキッズ」世話人。

伊藤操(いとう みさお) 東京とニューヨークを拠点に、ニューヨークのファッション、ライフスタイルに関して寄稿。主な著作に「マネージ ダナ・キャランを創った男、滝富夫」

ーーーーーーー


NYに住んでいる日本人である限り、
なぜわたしはここにいるのだろう」
と必ず自問したことがあるはずだと思うんですよ。

これからどうするか、日本に戻るならいつか、一生アメリカにいるのかと、迷うことだって多いはず。

その思いや疑問や不安を、多くの経験を積んだパネラーのみなさんとわかちあうチャンスです!

参加費は超リーズナブルで、その後の呑み会参加もウエルカム!
ご興味のある方はぜひどうぞ。

エリぞうもぜひ行きたいと思っています!

なおfacebookに「ニューヨーク私の会」のページがあって活動報告が載っていますので、もっと知りたい方はそちらもチェケラウ!


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全海外ブログのなかでは3位になりましたー!
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by erizo_1 | 2010-01-11 16:30 | カルチャーの夕べ
近ごろアメリカ式サマーキャンプがだんだん日本でも知られてきたようですね。
そう、学校ではなくて参加するサマキャンで、アメリカで参加したり、日本で参加したりと、いろいろスタイルがあるもよう。

英語サマキャンやホームステイについて考えているみなさんも多いのではないかと思うので、今日は英語問題について論じてみようじゃないですかの巻!

わたしの友人である寺尾のぞみさんも、ミステリオという英語サマーキャンプを日本で催しています。

アメリカ人を始めとする国際色あるキャンプリーダーが監督してくれるというもので、参加対象は小学生から高校生まで。
ご興味のあるかたはぜひサイトで確かめてみてください。

さてこうしたキャンプが広まってきたことの裏には英語教育への関心があるはず。

日本でも小学校からの英語教育が始まるとか。
たしかにこれからの少年少女は、いつアカデミー賞の舞台に立たされるかわからないからねー。
英語で気の利いたスピーチくらいできるようにしておきたいよね。

「じゃあ、英語キャンプやホームステイというのは効果があるのか?」

えー。その問いについて、わたし個人の経験でいえば、
イエス!
ものすごくいい経験でした。
ここから以降はあくまでエリぞう個人の考えですから、ご了承くださいね。

わたし自身は高校時代に体験したんですよ。
エリぞうの高校は、晃華学園という東京のカトリック・ミッションスクール。
こちらの↓女子校です。
英語キャンプやホームステイはどれだけ効果ある?_c0050387_113197.jpg

で、この学校では高校一年のときイングリッシュキャンプというサマーキャンプをしたんですよ。
アメリカ人の神父さんとかブラザー(進学修行中の人)とかシスターが参加して、「英語だけで話す」という林間学校だったんですね。

続いて高校二年のとき。
エリぞうは学校が催してくれた英国への夏期短期ホームステイというのに参加したのでした。
イギリスの郊外にあるチェルトナムという町にいき、一般のご家庭に3週間ほど滞在させてもらったのです。

これが楽しかった!
生涯でいちばん楽しかった夏休みだったという記憶があります。

ホストファミリーの親切さ、イギリスの田舎町の美しさ、緑の丘陵に白く点々とちらばる羊たち、最終日に訪れたパリの街角。

今でもわたしはイギリス文化に対する好感度がとっても高いんですが、これはあきらかにホームステイの影響です。

10代の感性で初めて触れた異文化というのは、ものすごいインパクトがありました。
まさしく「経験=プライスレス!」ってやつですね。

寛大なホストファミリーにも、学校で組織して連れていってくれた母校にも、親にも感謝しているし、すばらしいプログラムだったと強調したいです。

「じゃあ、それで英語が得意になったのか?」
というと、それはないです(汗)
すいません。

英語サマーキャンプとか短期ホームステイをするというと、つい保護者としては、
「英語がぺらぺらになる!」
と激しい期待するわけだけど、そうはうまくいかんものよね(苦笑)

留学した人は知っていることだけど、英語がそんなに短期間でぺらぺらになるなんてことはない。
海外に住んで最初の一年はテレビのコメディについていけないのがふつうじゃないかな。
語学はやはり苦労しながら学んでいくしかないもの。

だからサマーキャンプとか短期留学くらいで「英語ペラペラ」幻想なんてものを持たないほうがいいです。

では、なんでサマーキャンプや短期ホームステイがよろしいのか。

これは「圧倒的な異世界」に接することのおもしろさだと思うんですよ。

みなさんも海外旅行で経験したことあるでしょう?
その土地のひとなら誰もが知っているはずの食べものの買い方も、バスの乗り方もわからない。
なにかを買おうとしても、通じない。

それをなんとか言い方をかえたり、身振りを添えたりしていて、ある瞬間に「ああ!」と向こうがわかってくれる。

通じた!

という瞬間ね。
あの「通じた」という瞬間には、頭の上にぴっかり電灯がついたくらいの明るさがある。

「通じる」ことはずばぬけて脳みそにとって快感です。
茂木健一郎先生がいう、脳に快感を与えるアハ体験ですね。
まさしく人間の生存の本質はコミュニケーションにあるのではないか、と思うわけです。

ちょっと脇道にそれますが、エリぞうは東京にいた頃に少女小説を講談社X文庫で書いていました。
小中学生の少女むけ小説です。
ペンネームは「青山えりか」といったんですよ。

そのおかげで児童書にも親しいんですが、児童文学というのは一定のパターンを持っているんですよね。

人気があるファンタジーや児童文学を思いだしてみて欲しいんですが、

「不思議の国のアリス」
「指輪物語」
「ナルニア国物語」
「はてしのない物語」
「ハリー・ポッター」
「ライラの冒険」


すべて異世界を旅する、もしくは異世界で経験を積むというテーマです。
あるいは「赤毛のアン」でも「孤児院という異世界から来た子どもが、アヴォンリー村という新しい環境に住む」というチャレンジがなされるわけですね。

アニメの「千と千尋の神隠し」「天空の城ラピュタ」などもすべて同じテーマがつらぬかれています。
というか「ジャックと豆の木」にしろ「一寸法師」にしろ、メルヘンはほとんどその形式を持っている。

異世界に行って、はじめて主人公たちは成長することができる。

まあ、くまのプーさんは旅しないけどね(笑)
でもいいの、プーさんはプーさんだから! いつもプー横町に住んでいて!

さてこれはむかしから児童文学でくり返される同じモチーフであって、ここにある本質とは、
「子どもが成長するには異世界に触れること」
という人類がむかしから持っている知恵ではないかと思うんですよ。

もっとはっきりいえば、
「ひとが成長するには絶対的な他者と出会う必要がある」
ことからなるのではないかなと。

なにも海外留学することが必要だっていうんじゃないですよ。
ふつうに進学するとか、就職する、転職する、恋をする、引っ越しする、誰かと知りあう。
そうした新しい世界との出会いが少しずつ精神を広げていってくれるということ。
読書も異なるアイデアや異世界の体験です。

たとえば誰かと話す、誰かと考え方をかわす、これだけでいい。
他人という異世界
と接することだから。

恋愛なんていうのは、そのいちばん究極の形じゃないかな。
パートナーというのは、すぐ隣にある別の宇宙だからね。
行っても、行っても果てがない。

成長していくというのは、そうした異世界に触れ、世界の大きさに触れていくことではないかなと。

そのわかりやすい形が、異国に触れることなんじゃないかな、と感じる次第です。

読んでくれている人たちのなかには、いま留学中の方、以前海外にいた方もかなりいるんじゃないかと思いますが、それはすごく貴重な経験だと思うんですよ。

「行かなかった自分」に比べて「行った自分」は驚くほど「今まで経験したことのないこと」を経験していますよね。

その経験じたいがプライスレスだ、と思うわけです。

もちろん同じ町から一生出ずに暮らすという選択だってなんら悪くない。
でも若いうちに旅行でいいから、異文化に触れてみて経験したことを、自分のホームタウンに還元できたら、さらにいいかもしれないよね。

昔話でも冒険をした主人公たちは必ず故郷に戻ってきて、宝物をもたらしてくれますから。

というわけで、英語に触れるのはたしかに役立つ!
異国を体験するのは、おもしろい!
子どもには英語を勉強させるよりも、まず異国の人と「通じる」瞬間のおもしろさを知って欲しい!

というのがエリぞうの感慨です。
小学生のときから英語を「勉強させる」のはちょっとかわいそうかな、という気もするので、在米邦人としては、まず子どものうちに「英語に親しませる」くらいのスタンスをお勧めしたいなと。

みなさんの経験ではどうでしょう?
10年後には、英語でジョークがいえる日本人たちがアカデミー賞やグラミー賞のステージに登るかもしれないよ!


【 お知らせ 】
なお上記のミステリオでは、3月28日に東京で無料説明会があるそうです。
このサマキャンでは、水泳、乗馬、演劇、アートといったさまざまなアクティビティを子どもたちが選択できます。

日時:3月28日午後1時より
場所:東京アメリカンクラブにて

サマーキャンプがどんなものか、どういうプログラムがあるか知りたい方は、ぜひどうぞ。詳細と問い合わせはミステリオのHPにて。


☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

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先日のブログ記事を読んで、Yabyさんが「東京ソナタ」に行ったらしいですよ。
嬉しいなあ!
Yabyさんは動物シェルターのボランティアもしている動物好きさん。
犬好きさんはYabyさんの「NewYork 何となく海外生活」を訪れてみてね。

てことで、エリぞうも更新がんばりまっす。
「更新がんばれ」と励ましてくれるご親切なみなさん、
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by erizo_1 | 2009-03-24 11:45 | カルチャーの夕べ
さて本日の議題は「エイジングと仕事脳」について。

仕事をやる時の「仕事脳」にも、年齢によって違いが出てくる気がする。

若い時はオンとオフがはっきりしていたんですよ。
仕事する時はもうガーッと働いていて、そのことしか頭になくて、とことんエネルギーを使い果たすまでやっていた。

で、仕事が一段落したら三日間遊ぶとか、一週間バリに行くとか二週間パリに行くとか、頭を空っぽにして充電して、また「やるどー!」と働き出すことができたんですね。

若い時は体力もあるし、頭のなかにアドレナリンがドパーッと出て、がんがん働けるんだけど、そのうち燃えつきるから、一週間くらい頭を空っぽにして気分転換していたわけです。

ところが今はそれができないのだ。
根を詰めて仕事をすると、あとで疲れてしまうし、バカンスを取ると、集中力がとぎれてしまう。

ある程度の年になれば、若い頃とは違って、誰でも家事とか子育てとか健康管理なんて要素も加わってくるから、仕事だけでなくてマルチタスクをこなせるマルチ脳に切り替えなくてはならなくなる。

すると、どうなるか。
オンとオフが曖昧になってくるんですよ。

へんないい方だけど、いまはなまじ休暇が欲しくない。
なぜってバカンスを取ってしまうと、そのあとカンを取りもどすのに、時間がかかってしまうから。
二日休めば、元に戻るのに二日かかる。効率が悪いこと、おびただしい。

たぶん若い時は、火力がイッパツで強くなったんだろうね。
脳内のドーパミンが瞬間湯沸かしで出たんだと思う。

しかしながら弱点としては、むだな火力使いすぎ(笑)
たかが「青菜の炒めもの」くらいの仕事をするのに、がんがん薪をくべ、ガソリンをドバドバ注いでいた気がする。

それに対して今は点火して温まるまでがとっても時間がかかるのだ。
ただし火力はコントロールできるようになったから、必要な火加減でできる。
とってもエコ。

こういう傾向はわたしだけなのかと思っていたら、話を聞くに、多くの同世代が抱えている問題らしいのだ。

「たとえばハワイに家族旅行で一週間行くとしても、パソコンは持っていって、仕事したほうがいいわよね。
旅行中にそんなことするのはいやだけど、そのほうがあとでつらくないから」
と敦子さん。

そうなんだよね。
いまはいったん火を消してしまうと、また点火するのに時間がかかるから、なまじ中断したくないのだ。

ということで、ミドルエイジになったら、仕事脳は途切れぬようにするのがいい気がする。

「仕事は豆を煮るように、とろ火にずっとかけておくのがいい」

というのが、近頃の結論。
同世代のみなさん、ともにがんばっていきましょうね!
by erizo_1 | 2008-11-19 15:38 | カルチャーの夕べ
講談社モウラ 更新です!

New Yorkトレンド素敵にななめ読み

いまブルックリンン美術館で開催されている「村上隆回顧展」
そのパーチーのようすと、展覧会の現場をレポートです。

ええ、行ってきましたよ、エリぞうも。
ブルックリンまで!
しかも二日酔いの日だったもんで、やや死体になりながら。

いったいNYの人々は「ムラカミ」にどう反応しているのか?
よろしければ、ぜひご覧くださいませ。
by erizo_1 | 2008-04-25 23:01 | カルチャーの夕べ
どーも。ただいまです。
NYに戻ってきたら、いきなり夏まっさかりだーーーー!
ぬー。暑い、暑すぎです。
いったい春と初夏はどこにあったんでしょうか。

さてさっそくお知らせです。
私の友達であるファンタジーアートの画家、Mael(マエル)さんの個展が、NYCooギャラリーで開催されています。

NYCoo Gallery (ニューヨーク・クー・ギャラリー)
408 West 46th Street #2, New York, NY 10036

Tel/Fax : 212-489-0461 (日本語オーケイです)


「Narsilion : ナルシリオン(太陽と月の歌)」
6月8日〜6月25日
オープニング・レセプション: 6月10日(金曜)5:00-800PM


「Narsilion : ナルシリオン(太陽と月の歌)」は、映画「The Lord of the Rings」の原作者 J.R.R. トールキンの「Middle-Earth(中つ国)」からインスピレーションを得ている作品集。
ジャンルとしてはファンタジーアートです。

ファンタジーアートってなによ? という素朴な疑問から答えていきますと、ようはファンタジー世界を素材にしたアートのこと。

SFからヒロイック・ファンタジー、あるいは異世界モノ。そして今回のマエルさんの作品集のように「指輪物語」といった題材から画想を得ているアートといったようにバリエはさまざま。

で、これがアメリカでは非常にメジャーなジャンルで、本屋さんにも画集がよくあるし、SFやファンタジー系の本の表紙といったら、必ずコレもん。

数年まえにニューヨークでは、天野吉孝さんの大々的な展覧会があったのだけど、それだけファンタジーアートに対する需要があるってことなんだろうね。

で、マエルさんですが、彼女はもとイラストレーター。
アメリカに来てから、映画の「ロード・オブ・ザ・リング」に触発されて、ファンタジーアートを創作しはじめたとか。

すでに数々のコンベンションに参加して受賞、ファンタジーアート界のオスカーとも呼ばれるチェスレー賞にもノミネートされているのだ! 
どひゃー!

アメリカでファンタジーアートというと、エアブラッシュを使ったリアルタッチやCGのもの、あるいは油絵タッチのものが主流なのだけど、マエルさんの場合はペンと墨を使っているのが特徴で、線がたいへん美麗。

画を見ていると、異世界にひきこまれそうになるマエルさんのアート。
ことに美形好き、耽美ファン、ファンタジー好きにはたまらない作品集じゃないかと思います。

マエルさんに興味をもった方は、ぜひ彼女のブログ、ブリブロもチェキしてみてちょう。
創作課程の秘密がセキララに語られていて、おもしろいです。

なおマエルさんは、ウェブマガジンNYニッチではブリス・アップルドアなるペンネームで映画評も書いているので、ニッチ読者にとってもおなじみなのでは。

レセプションは、10日の金曜日、夕方5時から。

NY近郊にお住まいの方はぜひぜひどうぞ。誰でも入れて、ワインやオードブルもあるらしいよ。

ぜひ「指輪物語」が好きなかた、ファンタジーアートに興味あるかた、あるいは自分もアメリカで個展を開いてみたいかた、NYニッチの読者さん、こぞってご来場ください。

もちろんあてくしも伺っています!
by erizo_1 | 2005-06-10 04:08 | カルチャーの夕べ
「生にゅー!」電子書籍化!_c0050387_156818.jpg

どもども。お知らせです。

黒部エリのエッセイ本「生にゅー! 生でリアルなニューヨーク通信」(文藝春秋)が電子書籍になりました!

ビットウェイブックスにて販売中!

電子書籍はインターネット上でのご購入手続き後、ご自分のパソコンやPDAなどにダウンロードしてご覧いただくことができます。

ふーむふーむ。世の中そういう便利なものができていたんですねー。
特に海外にお住まいの方には、紙の書籍よりも便利な部分もあるかと存じます。

よろしければぜひぜひご活用くださいませ!(ぺこりん)

◎「ビットウェイブックス」トップページURL
http://books.bitway.ne.jp/
(現在、トップページの「今週の新着よりPickUP」枠にピックアップしてもらっています)

◎「生にゅー! 生でリアルなニューヨーク通信」詳細ページURL
http://books.bitway.ne.jp/shop/mt-detail_B/trid-auth/ccid-auth_ka/cont_id-B0420500233.html

みなさまに読んでいただけたら、嬉しいですー!
by erizo_1 | 2005-05-23 15:12 | カルチャーの夕べ

ニューヨークの地下鉄で

マンハッタンの地下鉄で。
向かい側の席に、若い男の子同士のカップルが座っていた。

ひとりはメガネをかけた華奢な男の子で、前髪を長く垂らして、恋人の肩にもたれかかるようにしながら、目をつむっている。

もうひとりの男の子はニットキャップをかぶって、無精ひげを生やしている。
ひき結んだ口元。
先の剥げたティンバーランドのブーツ。
カフェオレ色の肌をした彼は車内のどこかを見つめ、ここにいながら、ここにいない瞳をしていた。

ふたりとも決してきれいな恰好じゃない。
ジーンズにはペイントの跡がそこかしこにあって、破れている。おそらく画学生か、あるいは働きながら絵でも描いている子たちなのだろう。

ニューヨークの街角にたくさんいる、夢と野心だけは胸に抱えきれないほど持っている青年たち。

大きすぎる自我を、Tシャツのなかにムリやり押し込めているような若い恋人たち。

彼らの足下においた紙袋には、絵の額が入っていた。
目で探ってみると、Jean-Michel Basquiatの文字が読めた。

ジャン・ミッシェル・バスキア。
ニューヨークが生んだ、早逝の天才画家。

そういえばブルックリン美術館では、いまバスキアの展覧会をやっている。

若い男の子のカップルが今日買ったのがバスキアの複製画であるということが、まるで青空に放物線を描く白いボールのように、心にすとんと飛びこんできた。

ふいにニューヨークにいるな、と強く感じた。

ふだんはニューヨークにいることを忘れている。
けれど、ときどき思い出させてくれるのが、こんな光景だ。
by erizo_1 | 2005-05-02 14:16 | カルチャーの夕べ