コラムニスト 黒部エリがニューヨークからお届けします。Blog by Eri Kurobe


by erizo_1
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カテゴリ:社会の時間( 90 )

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日本でひっぱりだこのサイボウズ副社長,山田理さんがNYで講演します!


日本人は働きすぎ! それは間違いないです。アメリカにいると、よくわかる。日本のみなさん、働きすぎです。大丈夫?

ニューヨークでは、夏になると、金曜日からフツーに休む人、多いですよね。大企業だと、だいたいそう。

金持ちは週末ハンプトンのセカンドハウスで過ごすしね。

それで休んでもなんら罪悪感もなければ、仕事もテケトーにまわってる。


だからこそ日本政府も「プレミアム・フライデー」や「シャイニング・マンデー」(なぜかカタカナ英語)を打ち出して「働き方革命」を提唱しているわけですが、それが日本の一般働きマンに喜ばれているかっていうと、そうでもないですよね。


「ていうか」「そこじゃないし」という声があがっているわけです。

なぜか日本だと、うまく作用しない。

それは日本人の性分だから?
政府が音頭をとっているトップダウンだから?


「働き方改革、楽しくないのはなぜだろう?」

「プレミアム・フライデーってありがた迷惑ですよね?」


…と働き方について様々に疑問を投げかける面白い企業があります。

それがビジネスソフトの会社「サイボウズ(Cybozu)」

働き方革命について、サイボウズ ワークスタイルアニメ『アリキリ』も出しています。


そのサイボウズの副社長・山田理(おさむ)氏NYで講演します。


「風土」「制度」「ツール」を一体で考え、実践するサイボウズ流のワークスタイル変革事例を交えて、チームワーク溢れる会社づくりや、理想の働き方って何だろうというお話をしてもらいます。

働きやすいチームワークってなんなんだろう?


在米歴が長い方にとっては「今どきの日本の働き方」がわかるし、日本で働いてきた方なら「ある、ある」とうなずける内容。「働き方」について楽しく考えるこの機会をお見逃しなく!

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今や日本では講演会やセミナーでひっぱりだこになっているサイボウズ。

ものすごーくおもしろくて、ユニークな人物として知られる山田さん。

NYで話を聞けるのは、レアなチャンスです。


働く側にとっても、会社を経営する側にとっても、おもしろくて、ヒントになる話を聞ける機会です!



==JAAビジネスウーマンの会・9月講演会&交流会 ==


いま日本で話題の「働き方改革」

しかし、サイボウズは思いましたーーー

その「働き方改革」、楽しくないのはなぜだろう?



講師: 山田 理(おさむ)さん(サイボウズ株式会社 取締役副社長)

モデレーター:矢澤とみ子さん(人材ビジネスコンサルタント)    

日時:

9月 5日(水) 受付開始6:30pm / 開演 7:00pm

場所:

日系人会ホール  49 West 45th Street 11

参加費(軽食付):  

ゲスト $30 / JAAメンバー$25 / 学生 $20 

(現金 or チェック=宛先 JAA  支払は当日受付時)

問合せ・質問: 

event.jwb@gmail.com (自動応答あり)

自動応答がなかった場合/ info@exroyal.com


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by erizo_1 | 2018-08-30 09:59 | 社会の時間
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日本でひっぱりだこのサイボウズ副社長,山田理さんがNYで講演します!


日本人は働きすぎ! それは間違いないです。アメリカにいると、よくわかる。日本のみなさん、働きすぎです。大丈夫?


だからこそ政府も「プレミアム・フライデー」や「シャイニング・マンデー」(なぜかカタカナ英語)を打ち出して「働き方革命」を提唱しているわけですが、それが一般働きマンに喜ばれているかっていうと、そうでもないですよね。


「ていうか」「そこじゃないし」という声があがっているわけです。


「働き方改革、楽しくないのはなぜだろう?」

「プレミアム・フライデーってありがた迷惑ですよね?」


…と働き方について様々に疑問を投げかける面白い企業があります。

それがビジネスソフトの会社「サイボウズ(Cybozu)」

働き方革命について、サイボウズ ワークスタイルアニメ『アリキリ』も出しています。


そのサイボウズの副社長・山田理(おさむ)氏NYで講演します。


「風土」「制度」「ツール」を一体で考え、実践するサイボウズ流のワークスタイル変革事例を交えて、チームワーク溢れる会社づくりや、理想の働き方って何だろうというお話をしてもらいます。

働きやすいチームワークってなんなんだろう?


在米歴が長い方にとっては「今どきの日本の働き方」がわかるし、日本で働いてきた方なら「ある、ある」とうなずける内容。「働き方」について楽しく考えるこの機会をお見逃しなく!

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今や日本では講演会やセミナーでひっぱりだこになっているサイボウズ。

ものすごーくおもしろくて、ユニークな人物として知られる山田さん。

NYで話を聞けるのは、レアなチャンスです。


働く側にとっても、会社を経営する側にとっても、おもしろくて、ヒントになる話を聞ける機会です!



==JAAビジネスウーマンの会・9月講演会&交流会 ==


いま日本で話題の「働き方改革」

しかし、サイボウズは思いましたーーー

その「働き方改革」、楽しくないのはなぜだろう?



講師: 山田 理(おさむ)さん(サイボウズ株式会社 取締役副社長)

モデレーター:矢澤とみ子さん(人材ビジネスコンサルタント)    

日時:

9月 5日(水) 受付開始6:30pm / 開演 7:00pm

場所:

日系人会ホール  49 West 45th Street 11

参加費(軽食付):  

ゲスト $30 / JAAメンバー$25 / 学生 $20 

(現金 or チェック=宛先 JAA  支払は当日受付時)

問合せ・質問: 

event.jwb@gmail.com (自動応答あり)

自動応答がなかった場合/ info@exroyal.com


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by erizo_1 | 2018-08-30 09:58 | 社会の時間
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ニューヨークで、2018年のプライドパレードがありました!

これはLGBTQの「誇り」を持つパレードとして、NYCの名物にもなっているもの。

1969年にゲイの溜まり場となっていた「ストーンウォール・イン」を警察が検挙した時に、ゲイのコミュニティが反対運動をしたのが、きっかけになっています。

さて今年のパレードは大規模

とにかく参加者の数がすごすぎるー!

こちらはおなじみディズニー

マーベルの風船と、ミッキーマウスが並んでいるのが、ものすごい合併感。

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昔は「ゲイ・パレード」と通称されていて、ドラッグ・クイーンのお姉さま方が着飾ったり、レザーで固めたハードコアなゲイの兄ちゃんたちが歩くといった、手作り感あるものだったんですよ。

しかしながら、今どき参加しているのは、企業が多いのね。

モーガンスタンレーから野球のMLB、化粧品のロレアル、キールズ、リフトといったように、あらゆる企業が参戦。

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M&Mがチョコレートを配ったりして、なにか企業の宣伝、コマーシャルなものになったなー、という気分もします。

しかしcorporate social responsibility(略称:CSR)=企業の社会的責任として、今どきLGBTQ を支援しない企業は「あり得ない」という流れになっているわけで、これは大いなる進歩ですよね。

今回けっこう目立ったのが、ノーブラの女性たち。これは増えましたねー!
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参加者も見物するほうもけっこうノーブラちゃんがいました。

あと見るほうも変わりましたね。

昔は見ているほうはフツーの市民だったけれど、今はレインボーのファッションがマストハブ。

なにかレインボー・フェスになっているのも、すごい!

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来年はレインボーな格好で見に行かなくちゃ!

ディズニーさんからは、虹色のミッキーマウスのシールをもらいました。

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by erizo_1 | 2018-06-25 14:21 | 社会の時間
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NYで、日本を拠点とする国際人権団体ヒューマンライツ・ナウ」によるイベントが開かれます。

これは国連の女性の地位委員会のイベントに伊藤弁護士らが来米するのに合わせて行われるもの。

伊藤和子弁護士は、「世界で最も深刻な人権侵害に苦しんでいる人々のために」の想いを胸に、2006年、東京を本拠に国際人権団体「ヒューマンライツ・ナウ」を立ち上げ、世界の人権侵害に取り組む活動を続けています。
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そこに同じく国連の女性の地位委員会のために来米する伊藤詩織さんも登場!

わたしは詩織さんの著書、「ブラックボックス」を読んだので、非常に関心を持っています。
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本の詳細はこちら。
Black Box

読んだ後は、正直ショックで胸がふさがれました。
読まれていない方にご説明すると、本意に書かれているのは、相手を責めるというよりも、そういった事件が起きた時に、いかに日本では女性にとって訴えて立証できる方法が少ないかという啓蒙的な内容です。

性暴力があった後に、まず医者に行けばいいのか、警察に行けばいいのか。何を証拠にしたらいいのか。密室で起きたことをはたしてどう立証できるのか。

そしてこうしたケースに巻きこまれた時に、女性がいかに警察で恥ずかしい目にあうか、嫌な質問を受けるか、じつに暗澹たるものがあります。

アメリカではデートレイプというのが非常に大きな社会問題となっていますが、レイプというのは何も知らない人間から襲われるというものではなく、知人同士、デートする間柄でも起こり得るのです。
飲み物に混ぜて相手を泥酔させるデートドラッグも大きな問題になっています。

そしてこの件について、わたし個人がなにより驚いたのは、アメリカでのムーブメントと、日本での温度差

衝撃的だったのは、日本では詩織さんに対してかなりバッシングの声があったこと。
それも女性の論者を含めてです。

中には「ハニートラップ」や「枕営業」という言葉すらあって驚きました。
えええええ?
もし自分の性的魅力を使って仕事や情報を得ようとする気持ちがあるなら、泥酔しないのでは?

さらに「そもそも泥酔する時点で隙がある」という意見があるのにも驚きました。

いやいやいや、泥酔は泥酔であって、合意ではないですよ!

男性でも泥酔して寝ていたら、蹴飛ばしていいとか、身ぐるみ剥いでいいなんてことはないです。
もし酔ってサイフを盗まれたら、盗難届けを必ず出すべき。

もし自分の夫だと仮定すると、一緒に飲んでいる相手が泥酔したら、ふつうにタクシーで送り返すはず。
相手の女性が酔っているからといって性交渉したら、離婚問題ですよ。

アメリカでは、#TimesUpという運動は、権力のある男の横暴をもう許さない、という話です。

「権力ある男性が、下位にある女性(男性)に性暴力できるのはもうお終いにしよう」

という運動のこと。
アメリカではこの運動で、著名なニュースキャスターからオリンピックのコーチ、ファッションフォトグラファーまで首が飛びました。

本人の政治的立ち位置は関係ありません。

発端となったワインスタインは、クリントン陣営など民主党に多く献金してきた人物です。
政治的立場はリベラルです。アカデミー賞を取る作品を作り続けてきた。それでも破産という事態に。

ブルースウェーバーといえば写真界では第一人者です。
彼が芸術に貢献してきた実績はすばらしいのだし、わたし個人も好きな作家です。
それでも男性モデルへのセクシャルハラスメントで訴えられて、今後はコンデナストでは使わないと明言。

オリンピックで米国をメダルに導いてきたコーチも、セクハラで失脚しています。

これは厳しいことながら、いいことだと思います。
そのくらい気をつけないと、権力を持った男(あるいは女)というのは好き勝手できるものですから。

ME TOOというのは、なにも男から女ではない。男から男というケースも多いのです。(当然ながら女から男、女から女も含まれます)

そしてアメリカでのME TOO運動でいえば、一番多くの被害者が出たのはスポーツ界なのです。

深刻なのは中高生に対するコーチのセクハラです。もちろん男子も含まれます。
中高生だけに大人に対して声をあげられない。

一番重要なのは、こうした被害を今後増やしていかないこと。
権力のある存在が好き勝手にセクハラできないように、被害者が連帯して被害を告発していくこと。

そしてなにより意識を変えていくことだと思います。

わたし自身もじつはここは反省するところです。
わたしが仕事を始めた頃は、マスコミではセクハラなんて言葉すらなかったんですね。

男に混じって仕事する女だったら笑って受け流せる度量が必要、そのくらいサバけていないと仕事にならない、いちいち目くじらを立てないというのが職場の常識だったと思います。

わたし自身も当時は、そう考えていました。
男性と肩を並べて仕事するなら、ガタガタいうべきではないのだと。

けれども、それを今の若い人も受けいれなくちゃいけないかというと、それはまったく違う。

そんなこと、もう我慢しなくていいんですよ。
「それが当たり前」ではなくて、みんなの意識じたい変えていけばいいんです。

日本では#METOOの声をあげる人は少ないですよね。

では日本ではセクハラがないかというと、むしろその反対。
いろんな女性が嫌な目にあってきたことでしょう。
でもまるっきり声があがっていない

そこには日本独特の協調性があるからで、今さらガタガタいっても仕方ない、誰かを責めたくないといった深慮があるのかと思います。

さらにいえば、声をあげた人がバッシングされるというのを懸念しているのかもしれません。

そこは社会の違いとしても、せめて勇気を出して声をあげた人がいたら、その人を叩くべきではない

フランスではME TOO運動に対して、カトリーヌドヌーヴが「男性には口説く権利がある」という反論をして、それが反対にコテンパンに叩かれるという流れがありました。

現実の多くのセクハラというのは、なにも女優が口説かれるといったドラマチックなことではないのです。

通学通勤電車で毎日のセクハラに耐えることだったり、飲食店に勤めながら客のセクハラに耐えることだったり、得意先の性的なジョークに堪えることだったり、上司のセクハラな言動に堪えることだったり、文句をいえない立場の人が仕方なく堪えているケースでしょう。

そんなものは本当に要らないと思う。

はたして日本に育ち、働いたことのある女性で痴漢やセクハラに会ったことがない人っているんでしょうか。

わたしも東京で育ちましたから、通学電車で痴漢にあうのは、仕方がないことなのだと考えていました。

でも日本以外の国は、必ずしもそうではない。
アメリカでは子どもはスクールバスで通学したり、郊外であれば親の車で通学したり、あるいは通勤通学列車が首都圏ほど混まないという背景があって、痴漢行為が日本のように日常的にあるわけではないのです。

先進国で女性が、公共交通機関に安全に乗れないことじたい、問題ではないでしょうか。

でも小さなことからだって少しずつ習慣は変えていけるし、社会の意識も変えていけるのではないでしょうか。

たとえばクライアントを接待する席で、もし部署の一番若い女の子がお酌をするというのが慣例になっていたら、それはやっぱりおかしいわけです。

そのことじたいはなにも違法ではないし、いけないことでもない。
けれども、そういうジェンダーの刷り込みが本当に必要なのかという自問なしに「これが慣例だから」となっていたら、一度は考え直すべきですよね。

その「当たり前」にされていたことを今いちど考え直すのが、times upなのではないでしょうか。

ここまでは、あくまでもたんなるわたしの個人的意見です。
だからこそ「性被害にあわない社会を作っていく」「ジェンダーの社会通念を変えていく」ことについては非常に興味があります。

こうした現状に勇気をもって声をあげた伊藤詩織さんが、アメリカでどういう意見を発してくれるか関心があるので、ディスカッションを見に行く予定です。

「ヒューマンライツ・ナウ」の講演ですが、まず日系人会のビジネスウーマンの会で行われます。

「声をあげ始めた女性たち~#Me Tooの先に見えるか、女性が安心して働く職場」

というタイトルで語られます。

世界の女性が次々と「#Me Too」の声をあげ始め、そして今年に入って、虐待やハラスメント、様々な不平等に対し、女性たちが口を閉ざす時代は終わったと訴える「Time’s Up」運動が広がっています。

こうした中、日本社会は一体どのような状況になっているのでしょうか?
 
伊藤弁護士が、その活動を通して感じる働く女性の意識や抱える問題、世界で広がる#Me Tooの動きと日本の現状等について語っていただきます。

そして性暴力のない社会を求めて活動する伊藤詩織さんが、スペシャルゲストとして参加されます。

#Me Tooの動きの背景や現状をお二人から伺い、#Me Tooの先に見える、女性が安心して働ける環境について考える場になるそうです。

講師:伊藤和子さん(弁護士、国際人権NGO “Human Rights Now” 事務局長、ミモザの森法律事務所代表)
特別ゲスト:伊藤詩織さん(ジャーナリスト)
モデレーター:津山恵子さん(国際ジャーナリスト) 


▪️ 日時:3月15日(木) 受付開始 6:30pm / 開演 7:00pm

▪️ 場所:日系人会ホール  49 West 45th Street 11階

▪️ 参加費(軽食付)ゲスト $30 / JAAメンバー $25 / 学生 $20 
           (現金 or チェック=宛先 JAA )

▪️ 締切:3月13日(火)

▪️ 問合せ・質問 event.jwb@gmail.com (自動返信応答あり)


貴重な機会ですので、ぜひお見逃しなく!
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さらに16日には、第62回国連女性の地位向上委員会パラレルイベントが開催されます。
こちらは英語のみでのイベントとなります。

.......................................................................................
日時:  3月16日(金) 4:30pm ~
場所:  The Armenian Convention Center
  Room: Vartan Hall

伊藤和子弁護士(ヒューマンライツ・ナウ事務局長)
後藤弘子教授(千葉大学法学部教授)
伊東詩織氏(ジャーナリスト、Black Box著者)
モデレーターとして国際ジャーナリストの津山恵子さんも出ます。

  630 2nd Avenue, New York NY 10016
題名:  #Me Tooからの新たな挑戦
     声をあげた人たちを守ろう&社会意識を変えよう
     ・世界各地で広がった#Me Too運動の体験やインパクトの共有
     ・女性が声を上げにくくしている方的、社会的、文化的なバリアを考える
参加費: 無料 
問合先: hrnnyinfo@gmail.com

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無料であり、特に申し込みといったことはないそうです。
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さらに伊藤和子さんの活動を知りたい方は、こちらの「人権は国境を越えて」がお勧めです。
東南アジアの複数の国で、その国の人権擁護や女性や子どもの労働者のために動いてきた伊藤弁護士。

なぜ日本拠点の国際人権団体が大切なのか、本がいかに多くのアジアの国々を援助してきて、「押しつけにならない支援」をできることなど、非常に考えさせられます。
岩波ジュニア文庫ですが、大人にもお勧めです。

人権は国境を越えて (岩波ジュニア新書)
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by erizo_1 | 2018-03-08 16:21 | 社会の時間
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ニューヨークの教会で、3月4日第7回目となるTOGETHER FOR 311東日本大震災追悼式典が催されました。
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東日本大震災の追悼式典として2012年から行われているもの。
主宰はフェローシップフォージャパン。東日本大震災の後にさまざまな支援活動がNYで繰り広げられた時につながったボランティア有志で、わたしも当初からスタッフとして関わっています。
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第7回目となる今年は、440人の方に参列いただきました!

髙橋礼一郎ニューヨーク日本総領事の呼びかけで参列者は一分間の黙とうを。
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代表であり司会のAK(柿原朱美)さんは「震災から7年が経ちましたが、まず忘れていないということを伝え続けたい」と語りました。
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岩手県からは陸前高田市の NPO法人桜ライン311代表理事である岡本翔馬さんがビデオでメッセージを届けてくれました。
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岡本さんは岩手県陸前高田市出身。
震災時には東京にいましたが、陸前高田市に戻った友人が消防団に入り、震災当日帰らぬ人となったことが今でも忘れられないと語ります。
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そして「生きることに正面から向き合う」ために陸前高田に移り、2011年10月NPO法人桜ライン311を設立。
今後人命の失われることのない社会を目指し、市内の津波到達地点に桜の苗木を植樹しています。

参列者たちにも
「自分の大切な人が災害で失われる悲しみと、防げなかった後悔を思い浮かべ、この日を自然災害について備えがあるか考える日にして下さい」
と胸を打つメッセージを送ってくれました。

宮城県からは岩沼市出身で、現在はNYに住むイラストレーター 大友あかり “acary”さんがスピーチを行いました。
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あかりさんは宮城大学への入学を控えた春休みに東日本大震災を体験
震災後、「つねに残された時間を生きているということを意識するようになり、7年の間に、時間が限られているならやりたいことにやろうというポジティブな気持ちを持つようになった」といいます。

ニューヨークで活動する今も、常に故郷に想いを寄せてデザインをしているそう。

故郷を災害が起きる危険な場所というマイナスなイメージではなく、「そのような歴史から学んで来ていること、そして土地の持つ魅力を伝えていける活動をこれからも続けていきたい」と、将来の抱負を語ってくれました。
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そして福島県からは福島ふたば未来学園の生徒11名が壇上に登り、代表として高校二年生の関根颯姫 (せきねさつき)さん(16歳)がスピーチ。その英訳を同じく高校二年生の遠藤瞭(えんどうりょう)さんが担当してくれました。
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被災当時は9歳、小学校4年生だったという颯姫さん。
4ヶ月間東京近くで避難生活を送ることになったそうです。

ところが誤った情報流布のために、転校先の学校で「福島に帰れ」「汚い」といったイジメや暴力を受け、信頼していた友達にも裏切られ、一時は自殺すら考えたそう。

それでも「自分にはまだやるべきことがある、夢がある」という思いが彼女を支え、「みんなを笑顔にしたい」という夢を叶えたいと考えるようになったといいます。

そして夢を叶えるために、福島に帰郷した後は未来学園に入学、演劇部に入って、演劇コンクールで優秀賞を取るまで至りました。
「これからも人々を笑顔にしていきたい」と熱い夢を語ってくれました。
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子どもたちは子どもたちの世界で、震災後の日々を必死にサバイバルしていたのだという思いに胸を打たれるとともに、新しい世代が語る言葉に、未来への希望も感じさせてくれました。

第一回目追悼式典からメッセージを送ってくれている福島県相馬市みなと保育園からは今年もビデオが届きました。
 今回、歌を歌ってくれているのは、震災後に生まれた園児たち。
「元気に笑顔で過ごしていきます」
と歌を披露してくれました。
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会場ではNYの日本語補習校に通う「風の環」少年少女合唱団は「さくらさくら」「翼を下さい」といった歌を元気に合唱。
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式典会場のチャリティ販売コーナーでは、復興グッズが販売され、募金箱に集まった寄付金は領事館とジャパンソサエティを通じて被災地に送られます。

NY在住の邦人にとっては、日本はかけがえのない故郷
あの震災を忘れていません、一緒に前に進んで行きましょうと伝え続けたいです。
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photography: Lisa Kato, Masahiro Noguchi, Kiriko Shirobayashi
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by erizo_1 | 2018-03-07 16:15 | 社会の時間
NYで行われた「女性のマーチ」(Women’s March on NYC)に参加してきました!
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ワシントンDCでは50万人、NYでは20万人人の規模になったとか。
当日、集合場所に近いグランドセントラル駅に行ってみると、うわああああ、駅から大混雑になっていて改札が通れない
なんじゃ、こりゃーーーーー!!!!

そして友達とパレードに参加しようとしたら、ひええええ、とんでも人混みになっている。

ピンクの「プッシーハット」をかぶっている人たちがいっぱい!
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うおおおおお、5番街がデモ隊で埋めつくされている!
動けない。
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こんなの見たことない!
ハローウィンのパレードどころじゃない大人数。

女性のマーチとはいうものの、実際には家族連れもいっぱい。
子どももいっぱい!
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男性もいっぱい!
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コスプレ派も!
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平和な行進で、警察官もフレンドリー!
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こちらは五番街のマイクロソフトショップ2階から眺めた光景です。
うおおお、なんという人の波
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すごい、すごいわ!
そして面白かった
というのは、ニューヨーカーがクリエイティブだから。
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アメリカ人というのはプラカードを作り慣れているんでしょうか、よくまあ、こんなことを考えるよ、というプラカードがいっぱいなんですよ。

わたしも前夜にプラカードを作ってみたんですが、意外とむずかしくて、ジミなプラカードになりました。
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ところがアメリカンは違ったね。
主張も個性も激しい!
プラカードを見ていくだけで面白いので、ご紹介しましょう。

まず多かったのがプッシーがらみ。
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プッシーには仔猫という意味と、女性のあそこという意味がありますが、デモでそんな言葉が出ることはかつてなかったこと。

これはトランピーが、かつてテレビ局のオフレコで、
「有名人になったら、女のプッシー=おま○こなんか掴み放題」
と口走ったテープから発したもの。

それに女性から、「ふざけんな」と大反発を受けたわけです。

そこから立ちあがったのが、プッシーハット運動で、女性たちがピンクのネコ耳ハットをかぶることで、トランプの男性上位主義、女性をセックスの対象としか見ずにセクハラをする行為に「NO」を表明。
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「プッシーが掴み返してやる!」
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つまり女性たちが差別野郎のタマを握りつぶす、みたいなニュアンスですかね。

触らないで
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という言葉と共に仔猫ちゃん。
赤ちゃんと一緒だと、かわいさも引き立ちますね。
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肉球に話して

これはアメリカ人がやるポーズで、相手が何かいっている時に手のひらで遮るという仕草で、「talk to the hand」というんですね。トランプ大統領に対して、

「おまえの話は聞いてない

という意味なんですが、それを肉球におきかえたサイン。
しかしよくこんなネコの手があるものだなあ。

フェミニズムの逆襲もいっぱい。
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ナスティとは「汚らしい」とか「卑劣な」といったこと。
選挙戦の最中に、トランプがヒラリーを「Nasty woman」とこき下ろしたことがあったことから、反対に女性たちが、

「は? ナスティですが、なにか?
「オンナがナスティだったら、いけないってわけ?」

と反撃が行われたわけです。
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「ナスティで誇りを持っている」

右側の「私の体は私の選択」は、プロチョイス(人工中絶は女性本人が決められることで、州に禁止されることではない)のスローガン。

うお、子宮が中指立てているプラカード。
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子宮がないものがつべこべいうな」

これは共和党の保守本流が、「人工妊娠中絶禁止」を掲げていることから。

男性議員に、女性の体の権利について決める権利があるのか。
女性の体は、本人の判断に任せよ、という意思表示。
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おっぱいで女性の体は女性のものと示しているプラカードです。
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女性の権利は、人間の権利
当然です。
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「ミス・オジニィ」とありますが、これはかつてトランプがミス・ユニバース大会を主催していたことと、通して読めば「Misogyny」で、女性蔑視の意味。

オンナ好きであっても、女性を性の対象としか見ていない男ミソジニストと呼ばれます。

これはとてもよくできていて良いと思ったプラカード。
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「我々は見張っている
ホワイトハウスを見つめている目。

これはトランプ政権についてだけでなくすべての政権に対していえることですね。

ブッシュ政権の時もオバマ政権の時もこうした動きはあまりなかったけれど、
「民主主義は国民がもっと政権を見張らなければならないものなのだ」
と気づくキッカケになったのは、かえってよかったかも。

こちらも考えさせられるメッセージ。
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Dissent is patriotic

異議を唱えるのは、愛国的なことだ」

政権がいうことに従うばかりでなく、時に異議を唱えることも反対意見をいうことも同じく国を思う愛国的な行動なのだということ。

これは日本でも使いたいスローガンかもしれませんね。

LGBTや同性愛へのサポートも多いです。
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LGBTの権利のために立ちあがります」
わー、きれい!
子どもって学校で図画工作をしているせいか、ポスター作らせると、うまいよね。

ペンス副大統領はアンチ同性愛として有名。
オバマ政権でせっかく同性婚が合法化されたのですから、ここで時代を逆もどりさせたくないもの。

ヘルスケアに対する懸念も見かけられました。
就任後、最初にオバマケア撤廃にむけてサインをしたトランプ大統領。
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「あんたの小さい手で、私の健康保険に手をつけるんじゃないよ!」

このトランプの「小さい手」というのはアメリカではジョークの対象になっていて、たしかにトランプ氏、体がデカいわりに手が小さく見えるんですね。

それも演説中に手が目立つような動きばかりする。

で、アメリカでは男性の手のひらというのは男性器のサイズに比例するという俗説があるのです。
つまり小さい手の持ち主はあそこも短小に違いない、からかいの意味も含まれているわけです。

選挙の時にトランプが掲げていた「移民規制」「アンチ・イスラム」に対して「NO」を訴える人も多いです。
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「再びアメリカを偉大にするというなら、インディアンたちにすべてを返すべきだ。
残りのすべての私たちは全員が移民なのだから」
ごもっとも!
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イスラム教徒の命も大切だ」

2016年に大問題となった警察による黒人の射殺に対する抗議スローガン、ブラック・ライヴズ・マター Black Lives Matter にひっかけたもの。

トランプとロシアの親密な関係を揶揄するプラカードもいっぱい。
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トランプがロシアの銀行から融資を受けている上に、今回の大統領戦には、ロシアがハックしてトランプに有利に動いたという疑惑も出ているため、多くの人たちがプーチンの操り人形ではないかという懸念を表明。
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プーチンはさかんにヨーロッパの右翼勢力に近づいて資金提供しているという話もあり、トランプがメルケル首相を批判したり、NATOを時代遅れといったりするのは、あれ、なんだかプーさんに好都合な発言ばかりじゃないか、という疑問も生まれますわね。
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かなりキビしいアンチもいます。
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アメリカン・ファシストのサイン。

おおお、これはうまいぞ。
自分で描いたそうです。
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イラストレーターやアーティストは腕の振るいどころですね。
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これはうまい!
すぐさまトランプとわかるシルエットに、彼の口癖であるWRONG(間違っている)をひっかけて、彼自身が間違っていると切り返しているもの。

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「人種差別主義であるのをなでつけて隠すことはできない」

comb over というのは櫛で髪をなでつけることですが、日本語でいうバーコード頭、髪が少なくなったおじさんがムリになでつけてハゲを隠すことをいいます。

髪はコームオーバーでごまかせても、人種差別の本性は隠せないという指摘です。
よくまあ、考えつくもんです。

こちらのお母さんはかなり激しく罵っていますが(汗)英語の罵り方の勉強になるので、解説を。
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Thin skinned (ツラの皮が薄い)
Racist(人種差別主義者)
Unqualified (不適任な)
Misogynist(女性蔑視者)
Pussy Grabber(おま○こ掴み野郎)


日米の感覚が違って興味深く感じるのは「ツラの皮が薄い」というのを悪口にしているところでしょうか。

アメリカでは「ちょっとのことですぐ騒ぐ」「神経過敏」な人のことを意味して、トランプが誰かに批判されるとすぐツイートして、その相手をぼろくそに叩くのを止めないことを指しているようです。

なるほど、アメリカでは動じない人のほうがタフでカッコいいと思われるよう。

そして、ついつい笑ってしまうのが、おちゃらけプラカード。
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うはははは。
うんこ帽子をかぶった人たちが、うんこトランプを書いて、
「トランプをごみ捨てしろ」
と揶揄している

こういうことをやらせると、アメリカ人はムダにおもしろいよね。
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うわははは。
熟年世代の女性がこれを作って掲げているというところがまたね。

いや、政治家の見かけをからかったらいかんとは思いますよ。
しかしなんでまあ、これほどマンガ的なルックスの人物が大統領まで登りつめたのかというね。

トランプのアメリカの戯画みたいなルックスがここまで支持者もアンチも含めて影響をおよぼしているのはたしかであって、キム・カーダシアンと並んでテレビ番組が生み出した、時代のキャラではありますね。

ナイスでポジティブなメッセージもいっぱいあります。
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「アメリカを再び親切にしよう」
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「アメリカが再び考えるようにしよう」

そしてきわめつけはこれでしょうか。
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「こういうサインを作り続けるのには、飽き飽きしたわ」
ですよね!(笑)
プラカードを作らなくてもよくなるに越したことないわ。

五番街にずらりと並ぶ有名ブティックもガラ空きで、店舗のなかから店員さんが外を歩く大人数の人たちを、まるで「水族館でマグロの回遊水槽を見物している人たち」みたいな様子で見ているのがおかしかった。
せっかくの土曜日が商売にならなくて気の毒でしたね。
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デモの終点はこちら。
55丁目から先はブロックされていて、トランプタワーまで行き着けません。
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停まっていた警察の車両にも、たくさんのプラカードやメッセージが。
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いやー。NYの人たちがこれだけ集まって歩くのは、すごい一体感!
やっぱりこういうところNYはいいなー!

選挙で選ばれた大統領なのですから、こきおろすのはフェアではないと思いますが、大事に思うことは意志表示したいもの。

今回の大行進は全米各地で、なにより平和に行われたのがよかったです!

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by erizo_1 | 2017-01-23 14:10 | 社会の時間
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大揺れに揺れているアメリカ。
トランプがホワイトハウスの首席戦略官 /上級顧問として、選挙キャンペーンを指揮してきたスティーブ・バノンを登用することで大騒ぎになっています。

NYの地下鉄の駅で気持ちをポストイットに書いてシェアする「サブウェイ・セラピー」はたいへんな数に。もはや9.11の後のよう。


なぜかというと、スティーブ・バノンという人物が、とんでもない人種差別主義で、女性蔑視思想のサイトを運営していたから。
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バノンはかつてゴールドマン・サックスで働いていた過去があり、ブライトバート(Breitbart News)というメディアを、創設者のアンドリュー・ブライトバートが急逝後に、 CEO として運営。

そしてトランプの選挙キャンペーンの戦略家として雇われ、選挙を勝利に導いた参謀。トランプの懐刀ともいいますね。

で、このブライトバートの思想背景が「 The Alt-Right 」(ジ・オルト・ライト)といわれるもの。

これはオルタナティブ・ライトの略で、ナチスの哲学を踏襲した白人至上主義であり、反フェミニズム、反同性愛、地球温暖化は中国人が作ったウソ説を唱え、マルチカルチャーではなく、西欧キリスト教文化が絶対であるという立場。

おかげでバノン起用の報に、あの人種差別主義団体 KKK のリーダーが大絶賛。
また南部連合団体のリーダーもトランプを賛美して、「有色人種とユダヤ人には一切の容赦をかけない」と発言したんですよ。

ブライトバートなんて今まで見ないから知らなかったけれど、見てみたら、いや、ほんとにとんでもない

まず「黒人虐殺」にシンパを示したことがある。

2015年サウスカロライナ州チャールストンの黒人教会で、白人青年が銃を乱射して9人の牧師や子どもを含む会衆を殺した事件がありました。
逮捕された青年は、白人至上主義者で「人種間戦争を起こすために」殺害したと告白。
多くの犠牲を出したヘイトクライムに、全米が戦慄。

その2週間後に「南部の輝かしい歴史がある連合軍の旗を街のあらゆる場で掲げよう」と呼びかけたのがブライトバート。

連合軍の旗とは、南北戦争の南軍をあらわす旗のこと。
この旗には南部人としての誇りを表す意味もあるけれど、いっぽう奴隷制度を存続しようとした白人至上主義者たちのシンボルともなっています。
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いわば大日本帝国時代の日章旗のようなもの。

たんに南部の誇りとしてなら問題ありませんが、虐殺のあとでは問題がある。

連合軍の旗をあげた一部の市民たちに対して、さすがに共和党のミット・ロムニーも不快さを表して、
「こんな時に連合軍の旗をあげるべきじゃない。
犠牲者に対して失礼だ」
と旗を下ろすように発言。

そしてオルタナ右翼がもっとも舌鋒鋭いのが反イスラム

イスラム移民の流入はヨーロッパのように「白人女性たちをレイプしたり、攻撃したりする犯罪を生む」「イスラムの侵略を許すな」「米国内のイスラム教徒の人口が倍増している」と批判して、ヒラリーのことをイスラム過激派である「ムスリム同胞団の手先」とまで罵る始末。

……手先って!?????(驚愕)

またバノンは反ユダヤ主義(Anti-Semitic)といわれていて、前妻から家庭内暴力で訴えられたときに、娘の学校選びで、ユダヤ人が多いところを止めさせた、ユダヤ人が嫌いだと発言したと前妻に証言されています。

ただし本人はこの発言を否定しており、またブライトバートじたいはアンドリュー・ブライトバートが設立した時から「親イスラエル」を標榜。

保守キリスト教を基盤としている旧来の右翼は、反ユダヤ主義であることが多いのですが、オルタナ右翼は反イスラムの砦として、イスラエルを支持するという考えらしい。

親イスラエルという路線が、旧来の右翼とは違う「オルタナティブ」であるのかもしれないですね。

アメリカでもリベラルなメディアはパレスチナに同情を示したり、イスラエルの強硬政策に疑問を投げかけるところが多いのですが、オルタナ右翼はそれを「アメリカを弱くする」と批判。

またハフィントンポストでは、バノンが「アジア系のCEOが多すぎる」と示唆したことを書いています。

シリコンバレーの会社でアジア系のCEO が多いことについて、
3分の1とか4分の3ものCEOが南アジア(インドやパキスタン)やアジアからの移民となると……。国家というのは、経済より以上のものだ。公民の国なのだから」とバノンは発言。

アジア系がシリコンバレーでのさばるのが嫌なんでしょうね、きっと。

そして「産児制限」には反対の立場で、人口妊娠中絶には断固反対。

これまた宗教観というより「イスラムどもは産児制限しない。アメリカ人が増えなかったら、彼らの侵略に対抗できない」という論法のよう。

アメリカではラテン系移民が子どもをたくさん産むおかげで、若年層の人口減少になっていないのですが、彼らにしたら白人層が積極的に子作りしなかったら、自分たちのほうがマイノリティになってしまう。

なので、絶対に堕胎には反対。
ここらへんでもう「産児制限」を推進してきて、「女性の体は女性が選択するもの」というヒラリーは悪魔の手先あつかいであるわけです。
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さらに経口避妊薬のピルまで攻撃する。

バース・コントロールは女性を魅力的でなくしてクレイジーにする
という記事では、ピルを摂取すると「肥って」「声がセクシーでなくなり」「間違った相手を選びやすくなる」として反対。
バカか?

フェミニズムには徹底的に反対していて、「フェミニズムは女性を醜くするか?
という、とんでも記事まである。

バノン自身は、
「この国をリードするのは、を持ち、子どもを愛している家族主義である女性だ。
ニューイングランドの女子大出のダイク(レズのタチ)どもであってはならない。
それが左翼の頭をいかれさせているのだ」
と発言しており、サラ・ペイリンを讃える映画を作っているのです。
あり得ない!
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そんなこといっておいてバノン自身、すでに3回ほど離婚経験があるらしい。

これも前々からふしぎなんだけど、「家族主義」を唱えるウヨ政治家や思想家って、ほんと不倫したり、離婚したりしますよね。

ちなみにバノンは映画監督として、「オキュパイ・ウォールストリート」運動を批判する「Occupy Unmasked」という映画も撮っていて、もうスキなく、漏れなく、全方位的にウヨ

さらにゲイの人権にも反対

ゲイの人権が、われわれを愚かにした。再びクローゼットに押し込める時期だ」というブライトバートの記事。

ちなみにこの記事の筆者はゲイの男性です。
奇妙なことに、ゲイの男性がゲイの人権を否定して、ゲイの男性は50年代のように結婚して子どもの再生産に努め、こっそり隠れゲイすべきだと主張。

大まかにいって頭おかしいですね。

保守的キリスト教層であれば、同性愛は聖書で禁じられているからいけないものだといってきたもの。
でもオルタナ右翼では再生産に結びつかないから同性愛はよくないといっているみたいですね。

旧来の右翼のように保守キリスト教を基盤にするというより、バノンらは「アメリカを白人主導で最強国とする」一派であるもよう。

そして日本に係わるところでは、オバマ大統領が広島を訪れたことを糾弾。
バノンは「なぜ真珠湾に行って、そこに埋葬された死者たちに謝らないのだ?」と憤慨しています。

原文はブライトバートでどうぞ。

ざっくり和訳します。

ーーーーーーーーーー

「自分には日本人のビジネスパートナーがいた。ゴールドマン・サックスを辞めたあとに日商岩井は私のマーチャント・バンクに融資したパートナーだったし、日本にいたこともあるし、日本に多くの友人もいるし、朝鮮戦争の時は海軍将校として日本の海軍と共にしたこともあるし、日本人には高い敬意を払っている
だが第二次大戦中、日本は悪魔だったのだ。いいか?
我々が彼らを倒すことができたのは、核兵器を使ったからだ。

諸君の祖父母や父母が日本に上陸した100万の米兵だったかもしれない、聴衆のひとりずつにいいたい。
我々は3年間も計画して100万人の米兵を日本上陸させ、戦死者は500万人になるだろうと見積もっていたのだ。このことを思い出さなくてはならない。6ヶ月も爆弾で攻撃したあと、2発の原爆によって、米軍による臨時政府を日本の膝元に持ち込むことができたのだ。2発の原爆だ。
メモリアル(戦没将兵追悼記念日)ウィークエンドだというのに、オバマはかの地に行っている。

なぜオバマはサイパンやペリュリュー、タラワやガタルカナル、コーラルシー(珊瑚海)やミッドウェイやウェーク島に行かないのだ?
いや、もっといいアイデアがある。
なぜ大統領専用機で、いま全世界の面前で大統領にレクチャーをしている日本の首相を連れて、真珠湾におもむかないのだ?
なぜ真珠湾に行き、戦艦アリゾナと共に今も眠る死者たちに頭をたれて、謝らないのだ?
日本の首相はいちども謝りに来たことがない。彼らはすぐに来るべきだ。なぜ日本の首相を連れて来て謝罪させないのだ。

オバマには吐き気を催す。
トランプ支持者よ、絶対にあんなところには行くな。このことを、しっかりわかって欲しい。
なぜならこれこそが我々がたちむかっていることなのだ。
これこそがヒラリー・クリントンと民主党が表していることなのだ。
名誉をズタズタに傷つけるな。
今日こそ叫ばなくてはならない、トランプ支持者たちよ、こう叫ぼう。
「ああ、憲法! 憲法はどうなるのだ!」と。
オバマがなにをやっているかを見てみろ。

大統領には今すぐエアフォース1で真珠湾に行ってもらいたい。
戦艦アリゾナとキッド少将がいまだに眠る地で、900人もの戦没者が75年間も眠る地で、そのアリゾナ記念館に対座してみよ。
広島に行くなんぞという厚顔無恥なことをする代わりに」
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オバマ大統領が被爆者の方の肩を抱く写真は大きく報道されましたが、その頃アメリカではトランプ支持者たちが「そんなことしたら、まるでアメリカが悪いことをしたようじゃないか」と怒っていたわけです。

わたしはオバマ大統領の広島訪問はヒューマニティにとっては大きな一歩だと感動しましたが、アメリカの右翼にしたら、広島を訪れることじたいが「自虐史観」となるらしい。

うーん、なんというかネトウヨってどこの国でも同じ発想の仕方なんですね。

なので、トランプが大統領に就任中は、広島と長崎への訪問は絶対にないはず。
逆に日本の首相が真珠湾に呼びつけられることになりそうです。

トランプ自身はテレビですでに「同性婚を禁止するつもりはない」、ヘイトクライムを遺憾に思っていて「すぐに止めろ」と口にしたので、そこはウソつかずにやって欲しいです。

けれどもバノンの起用に、KKKたちが「オレたちの時代が来た!」と勝手に喜んでいて、さっそくヘイト発言が表に出てきている。

ウエストバージニア州の小さな郡では女性職員が、

「クラスがあって、美しくて、品格のあるメラニアをホワイトハウスに迎えて、リフレッシュするわ。
あのハイヒールを履いた類人猿には飽き飽きしていたから」

ミシェル・オバマ夫人をバカにするポストをフェイスブックにあげて、炎上する羽目に。

すぐにその女性職員は解雇されましたが、ようは「口に出してもいい空気」が出ると、すぐに差別発言は増長する。

さらにブラック層にしたら、もはや命にかかわる問題。
全米でしばしば起きている警官によるブラックの射殺事件、それも犯罪者ではないのに、抵抗していないのに射殺されたというケースが何度もあり、この「疑わしき黒人は射殺」することが増えていくはず。

ISISのテロよりも自分の国の警官に殺される確率のほうが高いって恐ろしすぎる。

バノンはKKKのようなバカではないから、白人優先席を作るといったようなアホなことはしないはず。

米軍にいる有色人種の数を考えたら、国が弱体化することはできない。

たとえ彼が内心白人男性バンザイ! アジア系のさばるな、フェミ死ねと思っていても、そのままを反映させないはず。

まずアメリカの国益を第一に、イスラムを敵視して移民させず、人口妊娠中絶を禁止する州が増え、アファーマティブアクション(貧困層や女性への優遇措置)がなくなってストップ&フリスク(疑わしい人物は警官が止めて身体検査をしてもよいという停止検査権)を行う州が増えて、そして国内イスラム教徒を登録させて監視できるデータベースを作ろうとするのでは。

イスラム教徒だけ登録させることになったりしたら人権侵害もはなはだしい。

そして中東での紛争が激化するのは確実で、世界がさらに破壊されてしまう。

NY市長のデ・ブラジオは、トランプとの会見後、NY市警には900人のイスラム教徒がいて市民の安全を守っていること、イスラム教徒の登録を進めるのは同意できないこと、またストップ&フリスクは市民と警察の関係を悪くしてしまうので、行うつもりはないと表明。

毅然として人権を守る発言をしてくれる市長がいてくれるのは、ありがたい。


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by erizo_1 | 2016-11-20 08:35 | 社会の時間
トランプが大統領に当選した翌日11月9日にあるアメリカの学校でひとりの教師子どもたちに伝えたメッセージが話題になっています。
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引用元:Robert Drake

ーーーーーーーーーー

一年生のみなさん、おはよう。

みんなも知っているように、この国は新しい大統領を迎えます。

大統領は国のために大きな決断をしていく人です。

でもみんなも同じくらい大きな決断をできるんですよ。
人に親切にすること、
正しいことをすること、
わたしたちひとりずつが違っていて特別であることを愛するほうを選べるのです。

みんなは大人になるまで待たないでも、みんなの国をよくしていく手伝いができるのです。

ミセス・ネイギー


ーーーーーーーーーーーー

すばらしい!
これを書いたNAGYさんという方は公立校で教えている先生のようですね。

あの選挙の翌日、まだなにか悪い冗談なんじゃないかと思うような時期に、スパッとこういうことを教室で伝えられたのは、すごい。

すごいなあ、教育ってこういうことだよなあ。

日本の教室でも多くの先生たちに、このような言葉を語りかけて欲しいですね。

またニューヨーク州のアンドリュー・クオモ州知事(Governor Andrew Cuomo) も、ヘイト行為を懸念して、マイノリティを守るとフェイスブックで声明を出しました。
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ーーーーーーーーーーーーー

So let me be absolutely clear: If anyone feels that they are under attack, I want them to know that the state of New York – the state that has the Statue of Liberty in its harbor – is their refuge.

Whether you are gay or straight, Muslim or Christian, rich or poor, black or white or brown, we respect all people in the state of New York.

明言しよう。もし誰かがヘイト攻撃されていると感じたら、NY州は、自由の女神を港にいただくこの州は、その人たちにとって避難地であることを知ってもらいたい。

ゲイであってもストレートであっても、イスラム教徒であってもキリスト教徒であっても、富裕でも貧しくても、ブラックでもホワイトでもブラウンでも、我々はNY州のすべての人々を尊重する。

(中略)

We are a state of immigrants.
We are the state that raised the minimum wage to $15.
We are the state that passed Paid Family Leave.
We are the state that passed marriage equality.
We are New York, and we will stand up for you. And on that, I will never compromise.
Count on it.

われわれは移民の州だ・
われわれは最低賃金を15ドルにあげた州だ。
われわれは家族医療休暇制度(介護などで有給休暇が取れる制度)を通した州だ。
われわれは同性婚を認めた州だ。

われわれはニューヨークだ。あなたのために立ち向かう。
そのために妥協はしない。頼りにして欲しい。


ーーーーーーーーー

こうしてみると、政治家でも教育者でも、いかに言葉が大切であるかわかります。

クオモ知事も地下鉄の駅でポストイットに書き込みをして壁に貼っています。
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こういうニューヨークが好きだ!

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by erizo_1 | 2016-11-15 14:49 | 社会の時間
五番街がすごいことになっています!
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すごいデモ隊の人数。
道も閉鎖されていて、移動できません。

トランプタワーの近くはもちろん、ティファニールイ・ヴィトンの前もデモ隊がぎっしりで、もはやショッピングどころじゃない騒ぎ。
しばらくは週末の買い物は避けたほうがよさそう。
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いったいなにを掲げているのか見てみましょう。
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NO RACIST
NO SEXIST
IN OUR WHITEHOUSE


人種差別主義者、性差別主義者は、我々のホワイトハウスにいらない」

Sexistは性差別主義者のことで、ことに女性蔑視男性上位主義者を指します。



Donald Trump is KKK
Racist
Sexist
Anti-Gay


と叫んでいます。
いきなり内容と関係ない感想ですが、英語だと、ライムが踏めていいよねー。
リズミカルだもんなー。

「ドナルド・トランプはKKKだ。
人種差別者
女性蔑視
アンチ・ゲイだ」
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「アメリカの悪夢」に「KKK」をひっかけて、トランプが白人至上主義のKKKと変わらないと主張しているプラカード。

KKKは白人至上主義のグループであり、男性上位主義、ゲイやレズビアンを否定する立場。
実際トランプには、KKKからの票も集まったもよう。

ちなみにトランプは障害者のモノマネをしてからかう発言をしていて、そういうことができる神経じたい、わたしとしてはまったくアウト。人としてそんなことやっちゃいけないでしょう。

ある人を社会に有用かどうか、女性が子どもを産んで再生産できるかどうかという価値観で判断するのは、わたしはどうしても賛成できない。

自分自身がなんら社会に役だっていない存在で、有用でないせいかもしれないし、アメリカが選んだ道に文句をいえる立場ではないけれども、それはいけない、と思う。



“ Say loud, Say clear”
“ Refugees are welcome here”

と叫んでいます。

「大声で明言しよう!」
「ここでは難民はウェルカムだ!」

この男性は「ロシアのプーチンが後ろ盾となったトランプ」を皮肉っています。
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地球温暖化はリアルな問題だ」

というシュプレヒコールもありました。
トランプは政策で、国連の地球温暖化対策資金を出さないことを謳っているので、それに反しているシュプレヒコール。



“ My Body, My Choice”
と叫んでいます。
私の体は私の選択」とは「人口中絶は女性が選択できることであって、政府が中絶禁止を命じるものではない」という主張です。

よく聞くと、男性の参加者は「Your body, your choice」とか「Her body, her choice」と叫んでいます。

保守キリスト教を基盤にした共和党は、人口妊娠中絶に反対していて、その方向に進めるはず。

母体保護法がある日本からすると、そこが争点になることじたいがふしぎですが、女性にしたらたいへんな問題です。

LGBTのシンボルであるレインボーカラーの旗が舞っていますね。

すごいよ、ニューヨーク、これだから好きだわ!

デモをやったからといって選挙の結果を変えるわけじゃない。
不満があれば、中間選挙で共和党の議席を切り崩していくのが実際にしていくべきこと。

けれどもトランプが暴言した人種差別や女性蔑視に対して、
NO!
「自分はその考えには賛同しない
と声をあげるのは、わたしは意義があると思います。
移民のひとりとして、ありがたい!

自分は「差別主義にくみしない」と立場を宣言していることだから。

いいぞ!
声をあげる人たちがたくさんいて、すごいよ、ニューヨーク!

これだけ人種平等意識のある人たち、男女平等意識のある人たち、LGBTの多様性を支持する人たちがたくさんいて、声をあげているということに、希望を感じます。

なぜならこれから懸念されるのは、人種やゲイに対するヘイトだから。

いわゆる勝ち組になっているトランプ支持白人たちが勢いにのって、イスラム系や移民、ゲイにハラスメントをすることも多々出てくるはず。

日本人でいえば、在米邦人でも旅行者でも、
中国に帰れ!
と暴言を吐かれるケースが出てくるでしょう。
すでにアジア系で嫌がらせにあっている人が出ています。

日本でも外国人に対して「帰れ」と暴言吐くヘイターがいるのと同じことで、そこの国に生まれたというで上位に立って暴言を吐く人間というのは必ずいる。

ヘイトというのは言ってもいい空気が生まれると、あっという間に便乗して勢いづくもので、公言したトランプは残念ながら前例を作ってしまった。

今回の大統領戦で、わたし自身が暗澹となった気持ちは、アメリカで女性蔑視、人種差別発言をはばからない男に「オーケイ」を出した白人層がたくさんいたことです。

友人のゴリゴリの共和党支持者は、長い年月、海外からの留学生をたくさんホームステイさせてきてくれた人で、アメリカ人のそうした懐の広さ、オープンさ、親切さを体現している人なのですが、トランプに対する熱い支持には正直まいった。

わたしが見習いたいと感心していた、すばらしいアメリカのホスピタリティ精神はどこにいっちゃったのって。

でも差別意識に対して、警戒の声をあげる人たちだってたくさんいる。
デモに参加していたのは多くが白人で、しかもすごく若い人たちが多いことにも救いを感じました。

ニューヨーク、ちっとも終わっていないぞ!

そしてニューヨークの地下鉄の駅で、いま繰り広げられているのが、「選挙後に感じていること」をポストイットに書いて壁にシェアするポスト。
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これはいいアイデアですね!
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こちらはPEACELOVEといった言葉が多いのが目立ちます。
いいね!
いまこそだね!

経済が傾いてポピュリズムが勝つのもアメリカの現実。
けれどもクリエイティブなアイデアで互いの気持ちをシェアしたり、「差別」に対して「NO!」と声を上げる人がたくさんいたりするのもアメリカ。

きっとヒラリーが勝っていても、南部や中西部では抗議デモが行われていたでしょうね。

トランプ氏はまだ悪政を行ったわけではないし、せっかく選ばれて大統領になるのだから、ここから「人権を尊重する」品格ある言動を示していって欲しいところです。

そしてまた自分が他人に対して、つねにそのことを忘れないでいけるように。

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by erizo_1 | 2016-11-14 17:34 | 社会の時間
悪夢あけのニューヨーク。
まさかのトランプ勝利で、真っ暗に落ち込んだNYの街。
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photo by Ted S. Warren
と思ったら、続々とNYをはじめ、ロスやアトランタなどで、「#NotMyPresident」のプラカードを掲げた人たちの反対デモが繰り広げられています。
うわー。アメリカが大揺れ。こんな選挙なかったわ。

いやー。ほんとに「まさか」が起こる世の中です。あの開票が進んで行くにつれ悪夢を見ているような気分になるというね。
去年の今ごろはお笑いポジションにいたトランプなのに。

さてトランプ大統領になると、どうなるか。わたしでもはっきりと予言できることがあります。

アレック・ボールドウィンは今後4年間、ネタに困らない
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②日本は海外派兵することになる。しかもガチの紛争地帯に。

TPPにアメリカ不参加。

しかし世界の誰が見ても「やばいだろ!と感じさせるナゾの髪型のオレンジ色のおやじがトップの座についたことで、ある意味、アメリカの直面している問題があけすけになったのはよかったかもしれないですね。

やはり今回はNYに住んでいてはわからない中央部のディープなアメリカの実態があきらかになったという感じ。

アメリカのブルーカラーたちがトランプを支持したこと、従来の政治家に対する不信を突きつけたこと。
既成のメディアがまるで影響力を失ったこと。

2000年代の流れがグローバリズムだったわけですが、そのために海外の安い人件費に仕事を奪われてきた国内産業の労働者たち、衰退したラスト・ベルト(錆びついた一帯)と呼ばれる中央部の人たちが、「不法移民締め出し」「保護貿易主義」を唱えるトランプを支持したわけです。

ただ日本での報道を読むと、
「これまで声をあげていなかったサイレント・マジョリティが草の根主義で、トランプを支持した」
みたいな解説もあって、そんなきれいごとかな、という気持ちもあります。

わたしは政治ジャーナリストではないので、個人的に感じた範囲でのことを書いてみると、まず強く感じたのが「新聞がない時代」の選挙であること。

もちろんずっと以前から新聞は衰退していたのだけれど、今回はトランプ、バーニー・サンダース、ヒラリー・クリントンという立ちイチが際だった候補が出たため、その影響がハッキリ出た印象がありました。

共和党なり、民主党なり、その支持者が読む媒体がもはや自分の陣営サイドのメディアになっているんですよね。

大新聞が幅を利かすというより、その候補の立ちイチに近い媒体に接している。

どう違っていたかというと、まずサンダース支持者でいえば、ツイッターやフェイスブックでのシェア率が高かった。
つまり「熱い」支持者がいたわけです。

それに比べたらヒラリーのシェア率は低かった。

ヒラリーの場合は巨大企業の利権と結びついている、イラク戦争に合意した、メール漏洩事件といったネガティブなイメージもついてまわるせいか、消極的支持が多かった印象です。
少なくともツイッターやフェイスブックでがんがんシェアされているような熱量はなかった。

いっぽうトランプはどうか?
NYに住んでいれば周囲にトランプ支持者なんてめったにいないものですが、なんとフェイスブックでつながっている白人男性のなかにもトランプ支持者が数名いたのです。

「うお、マジでいるんだ!?」と茫然としたんですが、彼らはじつに熱心にポストをあげ続けるんですね。

その熱量はヒラリー支持者とはまったく違う。
そしてどこから探してきたんだと思うようなナゾ記事をシェアしているわけです。
もうトランプ支持と、リベラル支持とでは、読んでいるオンライン記事からして分断されている。

彼らは製造業でもブルーカラーでもない。ではいったい何をもってトランプを支持していたのか。
彼らが何度も繰り返していた主張がこれ。

難民をアメリカに入れるな」
イスラム教徒を入れるな」

ヨーロッパのようにイスラム移民を受けいれて、アメリカ国内をテロリストの温床にするなという危機感を持っている人が多いのだと、少なからず衝撃を受けました。

イスラム教徒は隔離して調べるべきだ」と述べている知人に「それでは第二次大戦中の日系人収容所のようなものではないか」と意見を述べたのですが、彼は「もっと大きな世界観で見なくてはならない」と長文の反論をバリバリに述べていました。
彼は難民を受けいれない日本の政策を絶賛していたのです。

彼らはなにかあったら自分たちでも銃を手に取って闘うといった考えの銃支持者たち。小さな政府を掲げて、独立心も強い。

そういう層にとってみたら「オバマは手ぬるい」と腹立たしかったようです。

ニューヨークは今までにワールドトレードセンターの地下爆破テロや、9.11の同時多発テロもあったけれど、住んでいる実感としては、それほどテロを怖れているとは感じない。
けれどもアメリカ全体でいえば、あきらかにイスラム・フォビアがたくさんいる。

それからトランプ支持者たちのポストでよく見かけたのが、
America First
というスローガン。

つまり「アメリカ人なんだから、アメリカを優先せよ」という主張。

この発想にも正直いって驚きました。
だってアメリカが国益を優先しなかったことなんてある?

アメリカという国は経済軍事大国として、つねに自国に有益になるように世界情勢に介入してジャイアンしてきたというのが、アメリカ人以外の全地球人の認識でしょう。
ところが「アメリカのなかの人」にとっては違うらしい。

「アメリカは体を張って血を流して犠牲を払って、世界の平和を守ってきた。
それなのに仕事を他国に取られ、移民に仕事を取られている。
まずアメリカの経済と仕事を優先しろ」
という見解なんですね。

たしかにこれもアメリカの一般国民にしてみたら、彼らが世界戦略をたてるわけではないから、命令どおり戦地に赴き、戦死したり、負傷した兵士が山ほどいるわけで、その犠牲が身近にあるのはたしか。

「オバマが不法移民たちに投票権を与えて選挙に勝とうとしている」
というデマもオンラインで流れていました。

まともに考えたら、不法移民たちに投票権があるわけないんだけど、オンラインだと平気でそういうデマが出てくる。

実際に住んでいる身としては、オバマ政権になってから外国人の就労ビザ取得がきびしくなっているし、それは国として当然の政策だとも納得しているわけです。

ところが「アメリカのなかの人」の感覚としては、不法移民や難民を際限なく受けいれていることになっているらしい。

こちらにある図は、投票の数から「もし××だけが投票していたら」という分け方をしてみたもの。
Brilliant Mapsで大きい版が見られますので、ご参照下さい。
Map created by Ste Kinney-Fields
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これで見ると、有色人種だけの投票なら全員がヒラリー。
女性だけ投票でも圧倒的にヒラリー。
そして男性だけだったら圧倒的にトランプ。

そして白人だけだと、断トツにトランプ。

さらに大卒か、大卒でないかでも差が出ていて、大卒白人は東海岸と西海岸の両端ではヒラリー支持。
NYのような都市部に住んでいるのがこのタイプで、現代の産業に就いているリベラル層

そして「白人男性」だけに絞ると、トランプ大人気。

ちなみに国内の雇用促進に「クリーンエネルギーなどの新しい産業で雇用を促進する」といったのがヒラリー。

「メキシコで車を作ったら、35%の関税をかけてやる。
中国産のものには45%の関税をかける」
といったのがトランプ。

ヒラリーの提案のほうが現実的な可能性はあるのに、赤い人たちがやんやと喝采したのはトランプのほう。

つまりトランプの場合は政策ではなくて、じつはやっていたのはセールストークだったんですね。

メキシコ国境に巨大な壁を作る、それもメキシコに建設費を払わせる」

なんて現実にはできないことなのだけど、お年寄りに健康布団を売りつけるセールスマンみたいなものと考えれば、ツボを心得たセールストークではある。

実際にトランプ支持者の集会に何度も行ってきたジャーナリストの津山恵子さんによると、トランプの集会では、「Build the Wall!」(壁を建てろ!)というシュプレヒコールが鳴り響いていたそうです。

どう考えてもまともじゃないけれど、集団心理の操作としては当を得ている。
わたし自身もTPPには不賛成ですが、ヒラリーも今回はTPP不支持という立場でした。

でも人間はなかなか「TPP反対!」というシュプレヒコールでは熱くならない。いっぽう「壁をたてろ!」というわかりやすい言葉には熱がこもる。

トランプはずばり人心を煽って勝ちあがったわけで、わたしのなかではこれは完璧に「禁じ手」で、やってはいけない手段だと思う。

そして今回あぶり出されたのが、アメリカにはじつは驚くほど男尊女卑、ミソジニスト(女性蔑視)の男が多いということ。

あるトランプ支持者のサイトでは、いかに女がだめか、ということを証明したいらしく「米軍の女性兵士が訓練でヘマをしでかしている映像」をいくつも貼りつけていました。

「よくこんな画像を探し出してきて貼りつける暇人がいるものだ」
と驚いたけど、そういう偏見おやじに限ってミョーに熱心なんですよね。

つまり女性が大統領となって米軍を指揮する最高司令官になったら、イスラム国や中国やロシア相手に勝てない、敵になめられるぞ、ということらしい。

愕然としたけれども、なるほど、こういうミソジニストが山ほどいるのだと腑に落ちました。

建前では男女や人種の平等と、文化の多様性を唱えているアメリカ社会だけど、実際にはまったくそうじゃないわけです。

日本でも石原慎太郎が「三国人」発言とか「ババア」発言とか同性愛差別とか障害者差別とか、あれだけ暴言吐きまくっていたのにも係わらず、都民が支持し続けたのと同じことで、
「暴言を吐くやんちゃな男
というのはポピュリズムではすごく強い。

石原慎太郎に投票していた人たちは、トランプ支持を笑えないと思う。

サイレント・マジョリティというけれど、わたしの目には「白人保守おやじの価値観」が勝った、という印象。揺れ戻しというんですかね。

グローバリズムで経済的にもどんどん苦しくなり、オバマ・ケアでかえって負担が増えて納得がいかず、気持ち的にも「同性婚なんか進めているヒマがあったら、イスラム追い出せや」と不満を持っていた層が、今回一気に爆発してテーブルをひっくり返したというか。

まさにBrexitと同じ現象で、排他的、自国優先主義、疑似懐古的というのが、今や世界の流れとなっていて、アメリカよ、おまえもか、という暗澹たる思いです。
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今さらながら思い返すと、紙の新聞というのは情報量が多かったんですよね。
紙媒体は向こうが情報をあれこれと提供してくれる。
けれどもオンラインの時代は自分から探したピンポイントの記事を読むことになる。

そこでは「熱量」が有利になるんだな、としみじみ実感。
もっとはっきりいえば「怒り」とか「憎悪」とか「罵詈雑言」といったほうが拡散しやすいし、熱を帯びやすい。

アメリカでもリベラル派は連帯しにくいもので、考えの幅がかなりあるから、同じ民主党支持でもサンダース支持者はヒラリーを支持するわけでもないし、かといってサード・パーティに流れるわけでもない。
それぞれの立ちイチが微妙に違うから連帯しない。

いっぽう反対に「外国人排斥」とか「国防」といったことは熱狂しやすい。
国VS.敵祖の図式ができるせいか、その一点で団結しやすい。

でもってトランプはネットでおもちゃにされて笑われていたけど、「ヒラリー憎し」の層は粘着的に批判ポストを貼りつけていましたからね。

日本でも同じことでオンラインだとネトウヨの罵詈雑言がすさまじいし、その団結力や熱量がリベラルを圧倒的に上回っていて、その熱さに対抗する手段は、まだ見つかっていない。

今回の選挙結果をポジティブに考えれば、従来の政治家たちが否定された、既成の大きなメディアの影響力が地に落ちた、政治献金に頼る方法が崩れた、グローバリズムに否を唱えた、ジリ貧の労働者たちが声をあげたというように、既存のシステムがいったん崩壊したのはよかった。
アメリカの問題がおおっぴらになったんだから。

どこの国の誰が見ても「あり得ない」と思うトランプが大統領になったことで、
アメリカ、大丈夫なのか?
「うちの国、大丈夫か」
と世界が考えるに違いなく、それはショック療法になるかもしれない。

今回は共和党が下院も勝利して、すべてを共和党が持っていった形だから、公務員は減らされて、富裕層や企業への税金は減税、福祉カット、不法移民の強制送還、TPP撤退、地球温暖化対策への資金は撤回という流れになるでしょうね。
国内産業の復興は公約したことだから、がんばっていただきたいものです。

いっぽうイスラム教徒に対する差別やマイノリティ差別が助長しないように、女性やLGBTの権利が後退しないように人権を守ることは、われわれ住人としては絶対に譲らないでいなくちゃいけない。

そしてISISに対してより強硬策を取るのは確実だから、中東の紛争はもとより、アフリカでの代理戦争や資源をめぐる紛争が勃発しないことを願うばかりです。

ところで今回の選挙で、もうひとつ驚きが。
あらたに7州で、マリファナが合法化に。
なんとマリファナにとっては大躍進の年だったのです。
医療用マリファナでは、もう半数以上の州が合法になっていますね。

アメリカの進んでいるところと、保守的なところが同時に現れているのが、すごいです。

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ディープなアメリカってなんなのか。
津山さんの「超教育格差大国アメリカ」をぜひご一読下さい。

超教育格差大国アメリカ
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by erizo_1 | 2016-11-11 18:51 | 社会の時間